集合と論理|命題について

05/20/2017数学1数と式,集合と論理,命題,包含関係,条件

集合と論理

命題を扱った問題を解いてみよう

次の問題を考えてみましょう。

命題を扱った問題第1問

第1問(1)の解答・解説

第1問(1)
次の命題の真偽を求めよ。
\begin{equation*}
(1) \quad x \geqq 2 \Rightarrow x \geqq 1
\end{equation*}

第1問は命題を扱った問題の中で基本的な問題です。命題の真偽を考えるとき、集合と要素に置き換え、集合の包含関係を調べるのが基本です。

ただし、第1問(1)では、仮定と結論がともに変数 $x$ の不等式で与えられています。ですから、ベン図ではなく数直線を利用して包含関係を調べます。不等式を扱うとき、数直線を用いるのは基本です。

仮定「 $x \geqq 2$ 」が真となる変数 $x$ の値を要素とする集合 $P$ と、結論「 $x \geqq 1$ 」が真となる変数 $x$ の値を要素とする集合 $Q$ を考えます。

集合 $P \ , \ Q$ の要素の範囲をそれぞれ数直線に書き込むと、集合 $P$ の要素がすべて集合 $Q$ の要素である、つまり $P \subset Q$ の包含関係があることが分かります。

このことから、仮定「 $x \geqq 2$ 」を満たす変数 $x$ の値は、結論「 $x \geqq 1$ 」を満たす変数 $x$ の値でもあるので、命題は真であることが分かります。解答例は以下のようになります。

命題を扱った問題第1問(1)の解答例

第1問(2)の解答・解説

第1問(2)
次の命題の真偽を求めよ。
(2) 3の倍数は6の倍数である。

第1問(2)は、集合や要素を使って調べたいところですが、要素が無数に存在します。こんなときは、反例の有無を調べます。真よりも偽である根拠(=反例)を探す方が楽なときがあります。

仮定「3の倍数」が真となる数には、9や15があります。これらは、結論「6の倍数」が真となる数ではありません。つまり反例になります。

このことから、命題「3の倍数は6の倍数である」はつねに正しいわけではないので、偽となります。なお、反例はいくつも挙げる必要はなく、一例を挙げます。解答例は以下のようになります。

命題を扱った問題第1問(2)の解答例

命題の真偽を考えるとき、反例の有無を調べることも解法の1つ。

次は第2問です。条件の否定を扱った問題です。

命題を扱った問題第2問

第2問(1)の解答・解説

第2問(1)
次の条件の否定を求めよ。
\begin{equation*}
(1) \quad x \lt 3
\end{equation*}

第2問は、条件の否定を求める問題です。否定の記号や数直線を上手に使って記述しましょう。

第2問(1)は、条件「 $x \lt 3$ 」の否定を求める問題です。条件が真となる変数 $x$ の値(=要素)が属す集合を考えます。この集合を数直線上に表します。

条件「 $x \lt 3$ 」の否定は、条件「 $\overline{x \lt 3}$ 」と表せます。この条件「 $\overline{x \lt 3}$ 」が真となる変数の値は、数直線上に表した集合に属さない要素に対応します。

つまり条件「 $x \lt 3$ 」の否定が真となる変数の値は、 $x \lt 3$ 以外の範囲にあります。数直線を使いながら範囲を求めると、$3 \leqq x$ になります。解答例は以下のようになります。

命題を扱った問題第2問(1)の解答例

第2問(2)の解答・解説

第2問(2)
次の条件の否定を求めよ。
\begin{equation*}
(2) \quad x \lt -2 \ \text{または} \ 1 \leqq x
\end{equation*}

第2問(2)では、「ド・モルガンの法則」を利用することができます。数直線も描いて確かめながら解くと良いでしょう。

条件「 $x \lt -2 \ \text{または} \ 1 \leqq x$ 」の否定は、条件「 $\overline{x \lt -2 \ \text{または} \ 1 \leqq x}$ 」と表せます。ド・モルガンの法則を利用して、条件を書き換えます。

第2問(2)の解答例
\begin{align*}
&\overline{x \lt -2 \ \text{または} \ 1 \leqq x} \\[ 5pt ]
\iff \ &\overline{x \lt -2} \ \text{かつ} \ \overline{1 \leqq x}
\end{align*}

あとは、2つの条件「 $\overline{x \lt -2}$ 」「 $\overline{1 \leqq x}$ 」をさらに書き換えます。

第2問(2)の解答例つづき
\begin{align*}
&\vdots \\[ 5pt ]
\iff \ &\overline{x \lt -2} \ \text{かつ} \ \overline{1 \leqq x} \\[ 5pt ]
\iff \ &-2 \leqq x \ \text{かつ} \ x \lt 1
\end{align*}

$-2 \leqq x$ かつ $x \lt 1$ は1つの不等式で表せるのでまとめてしまいます。解答例は以下のようになります。

命題を扱った問題第2問(2)の解答例

変数 $x$ の値の範囲は閉じた範囲になるが、数式だけでは見落としやすいので、数直線で可視化しながら解こう。
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さいごに、もう一度、頭の中を整理しよう

  • 命題は、正しいか正しくないかを判定できる文や式のこと。
  • 命題のうち、変数を用いたものを条件という。
  • 命題「 $p \ \Rightarrow \ q$ 」において、条件 $p$ を仮定、条件 $q$ を結論という。
  • 命題「 $p \ \Rightarrow \ q$ 」の真偽は、条件 $p$ が真となる変数の値が、条件 $q$ も真となる変数の値かどうかを考えれば良い。
  • 「命題 $p \ \Rightarrow \ q$ が真である」とき、条件 $p$ が真となる変数の値を要素とする集合 $P$ は、条件 $q$ が真となる変数の値を要素とする集合 $Q$ に含まれる( $P \subset Q$ )。
  • 条件 $p$ の否定 $\overline{p}$ が真となる変数の値の集合は、条件 $p$ が真となる変数の値の集合 $P$ の補集合 $\overline{P}$ となる。
  • 命題でも、ド・モルガンの法則を利用できる。
  • ベン図や数直線を用いて集合の包含関係を考えることで、命題の真偽を判定できる。