複素数と方程式|2乗すると○○になる複素数について

06/18/2019数学2平方,複素数,複素数と方程式

今回は、2乗すると指定された数になる複素数について学習しましょう。複素数を2乗するので、複素数の定義を覚えておく必要があります。また、符号のミスも多いので注意しましょう。

複素数を2乗する計算

複素数を2乗する計算では、虚数単位iの扱いに注意しましょう。すでに虚数単位の定義を学習しているので、それを忘れずに用いるようにしましょう。

複素数と虚数単位

\begin{align*} &\text{$a \ , \ b$ を実数、$i$ を虚数単位とする。} \\[ 5pt ] &\text{このとき、複素数は} \\[ 5pt ] &\quad a+bi \\[ 5pt ] &\text{と表される数である。} \\[ 10pt ] &\text{ただし、虚数単位を $i$ は} \\[ 5pt ] &\quad i^{\scriptsize{2}} = -1 \\[ 5pt ] &\text{を満たす。} \\[ 10pt ] &\text{また、$a$ を複素数の実部、$b$ を複素数の虚部という。} \end{align*}

このように定義される複素数を2乗すると、以下のように表されます。

複素数の2乗

\begin{align*} &\text{複素数 $a+bi$ を $2$ 乗すると} \\[ 5pt ] &\qquad \bigl(a+bi \bigr)^{\scriptsize{2}} \\[ 5pt ] &\quad = a^{\scriptsize{2}}+2abi+b^{\scriptsize{2}}i^{\scriptsize{2}} \\[ 5pt ] &\quad = a^{\scriptsize{2}}+2abi+b^{\scriptsize{2}} \cdot (-1) \\[ 5pt ] &\quad = a^{\scriptsize{2}}-b^{\scriptsize{2}}+2abi \\[ 5pt ] \end{align*}

虚数単位iの2乗に気をつけて、虚数単位iについて整理しましょう。

例題を解いてみよう

2乗すると指定された数になる複素数について、次の例題を解いてみましょう。

例題

\begin{align*} &\text{$2$ 乗すると $8i$ になるような複素数} \\[ 5pt ] &\quad z=x+yi \quad \text{($x \ , \ y$ は実数)} \\[ 5pt ] &\text{はちょうど $2$ つ存在する。} \\[ 5pt ] &\text{この $z$ を求めよ。} \end{align*}

例題の解答・解説

題意に沿って等式を立式します。

例題の解答例 1⃣

\begin{align*} &\text{$z$ を $2$ 乗すると $8i$ となるので} \\[ 5pt ] &\quad z^{\scriptsize{2}} = 8i \end{align*}

この等式の左辺に与式を代入し、左辺を虚数単位について整理します。

例題の解答例 2⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 5pt ] &\quad z^{\scriptsize{2}} = 8i \\[ 5pt ] &\text{ここで、$z=x+yi$ より} \\[ 5pt ] &\quad \bigl(x+yi \bigr)^{\scriptsize{2}}=8i \\[ 5pt ] &\text{よって} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}-y^{\scriptsize{2}}+2xyi = 8i \end{align*}

複素数を求めるためには、実部虚部を求めれば良いので、複素数の相等を利用します。このとき、実部と虚部がともに実数であることを断っておきましょう。この条件がなければ、両辺の実部どうし、虚部どうしを比較することはできません。

例題の解答例 3⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}-y^{\scriptsize{2}}+2xyi = 8i \\[ 5pt ] &\text{$x \ , \ y$ は実数であるので、} \\[ 5pt ] &\text{$x^{\scriptsize{2}}-y^{\scriptsize{2}} \ , \ 2xy$ も実数である。} \\[ 5pt ] &\text{よって} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}-y^{\scriptsize{2}}=0 \quad \text{…①} \\[ 5pt ] &\quad 2xy=8 \quad \text{すなわち} \quad xy=4 \text{…②} \end{align*}

複素数の相等を利用して実部と虚部を比較すると、実数x,yについての方程式が2つ得られます。これらを連立させて解きます。

例題の解答例 4⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}-y^{\scriptsize{2}}=0 \quad \text{…①} \\[ 5pt ] &\quad xy=4 \quad \text{…②} \\[ 5pt ] &\text{①より} \\[ 5pt ] &\quad \bigl(x+y \bigr)\bigl(x-y \bigr)=0 \\[ 5pt ] &\text{よって} \\[ 5pt ] &\quad x = \pm y \\[ 5pt ] &\text{すなわち} \\[ 5pt ] &\quad y = \pm x \end{align*}

①式を実数xについての2次方程式と考えると因数分解できます。すると、実数xの解が得られます。②式で実数yを消去したいので最後に手を加えています。①式で得られた結果を②式に代入します。

例題の解答例 5⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 5pt ] &\quad y = \pm x \\[ 5pt ] &\text{$y=x$ のとき、②より} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}=4 \quad \text{よって} \quad x = \pm 2 \\[ 5pt ] &\text{これより、} \\[ 5pt ] &\quad \text{$x=2$ のとき $y=2$} \\[ 5pt ] &\quad \text{$x=-2$ のとき $y=-2$} \\[ 5pt ] &\text{また、$y=-x$ のとき、②より} \\[ 5pt ] &\quad -x^{\scriptsize{2}}=4 \\[ 5pt ] &\text{これを満たす実数 $x$ は存在しない。} \\[ 5pt ] &\text{したがって、求める複素数は} \\[ 5pt ] &\quad z=2+2i \ , \ -2-2i \end{align*}

実数xの解は①式で2つ得られたので、場合分けして②式に代入します。また、実数xの解yを②式に代入すると、実数xの値が2つ得られるので、ここでも場合分けして実数yの値を求めます。

複素数の相等を利用した後は、連立方程式を解くだけの計算問題です。焦らず丁寧に計算しましょう。

連立方程式の解き方

連立方程式の解き方は、1つとは限りません。ただし、場合によっては複雑になり、その結果、計算過程でミスをする可能性があります。

例題で言えば、②式を変形して、①式に代入する方法で解くことも間違いではありません。

例題の別解例 1⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}-y^{\scriptsize{2}}=0 \quad \text{…①} \\[ 5pt ] &\quad xy=4 \quad \text{…②} \\[ 5pt ] &\text{②より $x \neq 0$ であるので} \\[ 5pt ] &\quad y=\frac{4}{x} \\[ 5pt ] &\text{これを①に代入すると} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}-\left(\frac{4}{x} \right)^{\scriptsize{2}}=0 \\[ 5pt ] &\text{よって} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{4}}-16=0 \end{align*}

②式を①式に代入すると、実数xについての4次方程式が得られます。分母を払うので次数が上がってしまうことに注意しましょう。今回は因数分解できる4次式でしたが、一般に次数が上がると、式の扱いが難しくなります。連立方程式をどのようにして解いていくのかを予測することが大切です。

3次式以上の因数分解でも問題なければこのまま解いてしまいましょう。不安であれば、解答例の方で解けるようにしておきましょう。

例題の別解例 2⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{4}}-16=0 \\[ 5pt ] &\text{これを解くと} \\[ 5pt ] &\quad \bigl(x^{\scriptsize{2}}+4\bigr)\bigl(x^{\scriptsize{2}}-4\bigr)=0 \\[ 5pt ] &\quad \bigl(x+2\bigr)\bigl(x-2\bigr)\bigl(x^{\scriptsize{2}}+4\bigr)=0 \\[ 5pt ] &\text{$x^{\scriptsize{2}}+4 \neq 0$ より} \\[ 5pt ] &\quad x = \pm 2 \\[ 5pt ] &\text{$x=2$ のとき} \\[ 5pt ] &\quad y = \frac{4}{2} \\[ 5pt ] &\quad \ = 2 \\[ 5pt ] &\text{$x=-2$ のとき} \\[ 5pt ] &\quad y = \frac{4}{-2} \\[ 5pt ] &\quad \ = -2 \\[ 5pt ] &\text{したがって、求める複素数は} \\[ 5pt ] &\quad z=2+2i \ , \ -2-2i \end{align*}

どちらの解法を選んだとしても間違いではありませんが、ミスの起きにくい解法を採用することが大切です。この辺りのさじ加減は、演習量が大いに関わってきます。また、複数の解法を解き比べておくことも必要でしょう。経験値が増えれば、最適な解法を自然と選択できるようになります。

次は、2乗すると指定された数になる複素数を扱った問題を実際に解いてみましょう。