数学を学習するときに実践したいことについて

何事も意識的に行う場合とそうでない場合では効果が全く異なります。これは日常の学習でも同じことが言えます。数学を学習する際に少しでも意識しているとだいぶ変わってくると思います。
ここでは数学の問題を解くときに実践したいことのいくつかを紹介します。特に、理系志望の場合、記述を意識した学習をしておきたいので少しは参考になるかと思います。
数学の問題を解くときに実践したいことのいくつか
問題で与えられた情報を書き出して整理しよう
問題で色々な情報が与えられますが、その情報があまりにも数が多かったり、条件が理解し辛かったりします。特に、化学ではリード文が長く顕著です。
そのような場合、問題を解くことよりも、まずは与えられた情報を箇条書きにして書き出すことから始めましょう。
教科や分野に限らず、基本的には情報を書き出した方が良いと個人的には考えています。情報を書き出す利点は、問題の内容を整理できることです。
内容を整理できれば全体像を把握でき、方針を決めやすくなります。問2のように(2)から先に解くといった解き方もできます。また、情報が頭の中に残りやすいので、解きながら問題を何度も読み直す必要がなくなります。
要素の個数が少ないのであまり参考にならないかもしれませんが、余白を利用して情報を書き並べましょう。
情報を整理しよう
情報を整理しよう
書き出した方が、共通の要素も探しやすいです。国語や英語の要約みたいなものをイメージすると良いでしょう。
要するに相手の土俵でやる必要はないということです。情報を書出し、自分なりに整理することが自分の土俵で考えるための1つの手段になります。これも視覚化の1つなのかもしれませんが、出題の意図を把握するのに非常に有効です。
記述の仕方を工夫しよう
集合を例に挙げます。集合を扱うとき、要素を書き並べることがよくあります。時々、要素を書き洩らしたり、間違った要素を書き込んだりするといったミスが起こります。そのミスは記述の仕方に原因があるかもしれません。
人間ですからミスをすることはありますが、それが試験の最中に起こってしまうと大変です。そうならないためにも、ミスの起こりにくい記述をすることが大切です。
集合の要素の書き方を少し工夫するだけで些細なミスを減らせます。複数の集合を扱うとき、集合を横ではなく縦に並べて記述します。
記述の一例
視線の動きを意識すれば、どちらの記述の方が良いのかすぐに分かります。たとえば、共通の要素を探してみましょう。どちらが探しやすいでしょうか。縦に並べた記述の方が見つけやすいはずです。
横に記述した場合、視線が左右に動きます。このとき、不要な情報が目に入りやすくなります。そうなると見間違いなどのミスが起こりやすくなります。
それに対して、縦に記述した場合、視線が上下に動きます。このとき、横の場合よりも不要な情報が入りにくくなります。
このように、情報を書き出すと言っても、何も考えずにただ書き出すのではなく、書き出した情報を有効活用できる記述を意識しましょう。
問題文では横に並べて記述されるので、情報の整理と合わせて縦に書き出そう。
このことは計算過程の記述でも言えます。式の移り変わりが良く分かるのは縦に記述した場合です。
記述の一例
教科書や参考書などで横書きになっている場合があります。あれはおそらくスペースやページ数の制約があるからだろうと思われます。そのような解答例があったら、自分なりに縦書きに書き直してみると良い訓練になるでしょう。
数学の記述は縦に。横への記述だとミスが増える。
印のつけ方を工夫しよう
複数の集合を扱うとき、共通の要素がある場合がほとんどです。共通の要素があれば、印を付けたり、下線を引いたりするのはよく行われる工夫です。
このとき両方の集合ではなく、どちらか一方の集合の要素だけに印を付けると良いでしょう。
片方だけに印をつけると、たとえば和集合の要素は印の付いていない要素になります。印のついた要素は重なってしまう要素だからです。
このように片方の集合の要素に印を付けた方が、両方に付けた場合よりも、機械的にかつ速く抜き出せます。
上記のやり方はあくまでも一例です。分かってほしいのは「自分なりに少し工夫すれば、効率を上げたり、ミスを減らしたりできる」ということです。
普段から「正確に速く解くには?」や「間違いの少ない記述の仕方は?」などと考えながら学習すると、学習の質もかなり変わってくるでしょう。
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