図形と方程式|円外の点から円に引いた接線について
円外の点から円に引いた接線を扱った問題を解いてみよう
次の問題を解いてみましょう。
問
$(1)$ 点 $(7 \ , \ 1)$ を通り、円 $x^{2}+y^{2}=25$ に接する直線の方程式と、そのときの接点の座標を求めよ。
$(2)$ 円 $x^{2}+y^{2}=8$ の接線で、直線 $7x+y=0$ に垂直である直線の方程式を求めよ。
(1)は、接点の座標と接線の方程式を求める問題です。数字が異なる以外は例題と同じ形式の問題です。(2)は、接線の方程式を求める問題で、接点の座標を求める必要がありません。
問題の指示に応じて解法を選択しましょう。
問(1)の解答・解説
問(1)
点 $(7 \ , \ 1)$ を通り、円 $x^{2}+y^{2}=25$ に接する直線の方程式と、そのときの接点の座標を求めよ。
図示すると以下のようになります。
円外の点から円に引いた接線は2本あることを踏まえて解きましょう。
接点の座標を定義します。接点は円上の点であるので、座標を円の方程式に代入すると、等式が成り立ちます。
問(1)の解答例 1⃣
接点を
\begin{align*} \quad P(x_{1} \ , \ y_{1}) \end{align*}とすると
\begin{align*} \quad {x_{1}}^{2}+{y_{1}}^{2}=25 \quad \cdots \text{①} \end{align*}これで1つ目の方程式①を導くことができました。
次に、公式を利用して、接線の方程式を求めます。接線は点(7,1)を通るので、この点の座標を接線の方程式に代入すると、等式が成り立ちます。
問(1)の解答例 2⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad {x_{1}}^{2}+{y_{1}}^{2}=25 \quad \cdots \text{①} \end{align*}また、点 $P$ における円の接線の方程式は
\begin{align*} \quad x_{1}x+y_{1}y=25 \end{align*}この直線が点 $(7 \ , \ 1)$ を通るので
\begin{align*} \quad 7x_{1}+y_{1}=25 \quad \cdots \text{②} \end{align*}これで2つ目②の方程式を導くことができました。
2つの方程式を連立して解きます。連立方程式の解が接点のx,y座標です。代入法を利用してy1を消去し、x1についての方程式を導きます。
問(1)の解答例 3⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad {x_{1}}^{2}+{y_{1}}^{2}=25 \quad \cdots \text{①} \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad 7x_{1}+y_{1}=25 \quad \cdots \text{②} \end{align*}①,②から $y_{1}$ を消去して
\begin{align*} \quad {x_{1}}^{2}+\left(25-7x_{1} \right)^{2}=25 \end{align*}整理すると
\begin{align*} &\quad {x_{1}}^{2}+25^{2}-2 \cdot 25 \cdot 7x_{1} +49 {x_{1}}^{2}=25 \\[ 7pt ] &\quad 50{x_{1}}^{2}-50 \cdot 7x_{1} +25^{2}-25=0 \\[ 7pt ] &\quad 50{x_{1}}^{2}-50 \cdot 7x_{1} +25(25-1)=0 \\[ 7pt ] &\quad 50{x_{1}}^{2}-50 \cdot 7x_{1} +25 \cdot 24=0 \\[ 7pt ] &\quad 50{x_{1}}^{2}-50 \cdot 7x_{1} +50 \cdot 12=0 \\[ 7pt ] &\quad {x_{1}}^{2}-7x_{1}+12=0 \end{align*}これを解くと
\begin{align*} \quad \left(x_{1}-3 \right)\left(x_{1}-4 \right)=0 \end{align*}よって
\begin{align*} \quad x_{1}=3 \ , \ 4 \end{align*}x1についての2次方程式を導くとき、係数が大きくなるので工夫しながら整理します。
接点のx座標が分かったので、y座標を求めます。ただし、x座標は2つあるので、場合分けします。
問(1)の解答例 4⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad {x_{1}}^{2}+{y_{1}}^{2}=25 \quad \cdots \text{①} \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad 7x_{1}+y_{1}=25 \quad \cdots \text{②} \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad x_{1}=3 \ , \ 4 \end{align*}これと②から
\begin{align*} &\quad x_{1}=3 \ \text{のとき} \quad y_{1}=4 \\[ 7pt ] &\quad x_{1}=4 \ \text{のとき} \quad y_{1}=-3 \end{align*}それぞれの接点について、接線の方程式を求めます。
問(1)の解答例 5⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad x_{1}x+y_{1}y=25 \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad x_{1}=3 \ \text{のとき} \quad y_{1}=4 \\[ 7pt ] &\quad x_{1}=4 \ \text{のとき} \quad y_{1}=-3 \end{align*}したがって、求める接線の方程式と接点の座標は
\begin{align*} &\quad 3x+4y=25 \ , \ (3 \ , \ 4) \\[ 7pt ] &\quad 4x-3y=25 \ , \ (4 \ , \ -3) \end{align*}連立方程式を解くのが少し難しいかもしれません。接線が2つあるので、連立方程式から2次方程式が得られます。
問(1)の別解1
別解の1つ目は、接点と重解の関係を利用した解法です。
接線が点(7,1)を通るので、傾きを定義して接線の方程式をつくります。
問(1)の別解例1 1⃣
点 $(7 \ , \ 1)$ を通る接線は $x$ 軸に垂直でないので、求める接線の方程式は傾きを $m$ とすると
\begin{align*} \quad y-1 = m\left(x-7 \right) \end{align*}すなわち
\begin{align*} \quad y = mx-\left(7m-1 \right) \quad \cdots \text{③} \end{align*}接線がx軸に垂直でないことを断っておきましょう。
円と接線の方程式から、xについての2次方程式を導きます。
問(1)の別解例1 2⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad y = mx-\left(7m-1 \right) \quad \cdots \text{③} \end{align*}③を円の方程式に代入して整理すると
\begin{align*} &\quad x^{2}+\left\{ mx-\left(7m-1 \right) \right\}^{2}=25 \\[ 7pt ] &\quad x^{2}+m^{2}x^{2}-2m\left(7m-1 \right)x+\left(7m-1 \right)^{2}=25 \\[ 7pt ] &\quad \left(m^{2}+1 \right)x^{2}-2m\left(7m-1 \right)x+\left\{ \left(7m-1 \right)^{2}-25 \right\}=0 \quad \cdots \text{④} \end{align*}ここでは解きませんが、この方程式の解は、共有点である接点のx座標になります。
2次方程式④から判別式Dを導きます。係数や定数項に気を付けましょう。
問(1)の別解例1 3⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad \left(m^{2}+1 \right)x^{2}-2m\left(7m-1 \right)x+\left\{ \left(7m-1 \right)^{2}-25 \right\}=0 \quad \cdots \text{④} \end{align*}$m^{2}+1 \neq 0$ であるので、④の判別式を $D$ とすると
\begin{align*} \quad \frac{D}{4} &= \left\{ m\left(7m-1 \right) \right\}^{2}-\left(m^{2}+1 \right) \left\{ \left(7m-1 \right)^{2}-25 \right\} \\[ 7pt ] &= m^{2} \left(7m-1 \right)^{2}-\left(m^{2}+1 \right)\left(7m-1 \right)^{2} +25\left(m^{2}+1 \right) \\[ 7pt ] &= \left\{ m^{2}-\left(m^{2}+1 \right) \right\} \left(7m-1 \right)^{2}+25\left(m^{2}+1 \right) \\[ 7pt ] &= -\left(7m-1 \right)^{2}+25\left(m^{2}+1 \right) \\[ 7pt ] &= -49m^{2}+14m-1+25m^{2}+25 \\[ 7pt ] &= -24m^{2}+14m+24 \\[ 7pt ] &= -2\left(12m^{2}-7m-12 \right) \\[ 7pt ] &= -2\left(4m+3 \right)\left(3m-4 \right) \end{align*}判別式を導くとき、むやみに展開せず、共通因数でくくるなどして、工夫しながら整理しましょう。
2次方程式④が重解をもつのは、判別式Dの値が0のときです。
問(1)の別解例1 4⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad =-2\left(4m+3 \right)\left(3m-4 \right) \end{align*}円と直線③が接するための条件は $D=0$ であるので
\begin{align*} \quad -2\left(4m+3 \right)\left(3m-4 \right)=0 \end{align*}よって
\begin{align*} \quad m=-\frac{3}{4} \ , \ \frac{4}{3} \end{align*}mは接線の傾きです。mの値が2つあるので、接線は2つあります。
mの値それぞれについて、接線の方程式と、接点のx座標である重解を求めます。重解を求めるとき、公式を利用しましょう。
また、重解と接線の方程式を利用して、接点のy座標を求めます。計算量が多いので注意しましょう。
問(1)の別解例1 5⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad y = mx-\left(7m-1 \right) \quad \cdots \text{③} \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad \left(m^{2}+1 \right)x^{2}-2m\left(7m-1 \right)x+\left\{ \left(7m-1 \right)^{2}-25 \right\}=0 \quad \cdots \text{④} \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad m=-\frac{3}{4} \ , \ \frac{4}{3} \end{align*}ここで、④の重解は
\begin{align*} \quad x &= -\frac{-2m\left(7m-1 \right)}{2\left(m^{2}+1 \right)} \\[ 7pt ] &= \frac{m\left(7m-1 \right)}{m^{2}+1} \quad \cdots \text{⑤} \end{align*}$[ \ 1 \ ] \quad m=-\frac{3}{4}$ のとき
接線の方程式は③より
\begin{align*} \quad y=-\frac{3}{4}x+\frac{25}{4} \quad \cdots \text{⑥} \end{align*}重解は⑤より
\begin{align*} \quad x=\frac{-\frac{3}{4} \left\{7 \cdot \left(-\frac{3}{4} \right)-1 \right\} }{\left(-\frac{3}{4} \right)^{\scriptsize{2}}+1}=3 \end{align*}これと⑥より
\begin{align*} \quad y=4 \end{align*}$[ \ 2 \ ] \quad m=\frac{4}{3}$ のとき
接線の方程式は③より
\begin{align*} \quad y=\frac{4}{3}x-\frac{25}{3} \quad \cdots \text{⑦} \end{align*}重解は⑤より
\begin{align*} \quad x=\frac{\frac{4}{3} \left(7 \cdot \frac{4}{3}-1 \right)}{\left(\frac{4}{3} \right)^{2}+1}=4 \end{align*}これと⑦より
\begin{align*} \quad y=-3 \end{align*}$[ \ 1 \ ] \ , \ [ \ 2 \ ]$ より、求める接線の方程式と接点の座標は
\begin{align*} &\quad y=-\frac{3}{4}x+\frac{25}{4} \ , \ (3 \ , \ 4) \\[ 7pt ] &\quad y=\frac{4}{3}x-\frac{25}{3} \ , \ (4 \ , \ -3) \end{align*}接点と重解の関係を利用した解法の利点は、円と直線の関係以外、たとえば2次関数と直線の関係などに利用できることです。接点に関わる問題は、円と直線だけではないので、そんなときに接点と重解の関係は重宝します。
問(1)の別解2
もう1つ別解があります。点と直線の距離を利用した解法です。円と直線が接するとき、円の中心と直線との距離が円の半径に等しくなることを利用します。
接線が点(7,1)を通るので、傾きを定義して接線の方程式をつくります。
問(1)の別解例2 1⃣
点 $(7 \ , \ 1)$ を通る接線は $x$ 軸に垂直でないので、求める接線の方程式は傾きを $m$ とすると
\begin{align*} \quad y-1 = m\left(x-7 \right) \end{align*}すなわち
\begin{align*} \quad y = mx-\left(7m-1 \right) \end{align*}これを整理すると
\begin{align*} \quad mx-y-7m+1=0 \quad \cdots \text{⑧} \end{align*}ここまでは別解1と同じ流れです。ただし、点と直線の距離を利用するので、接線の方程式を一般形に変形しておきます。
円の中心と接線との距離を求めます。円の半径に等しくなります。
問(1)の別解例2 2⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad mx-y-7m+1=0 \quad \cdots \text{⑧} \end{align*}円の中心 $(0 \ , \ 0)$ と接線の距離が円の半径 $5$ に等しいので
\begin{align*} \quad \frac{\left| m \cdot 0-0-7m+1 \right|}{ \sqrt{m^{2}+(-1)^{2}} } = 5 \end{align*}よって
\begin{align*} \quad \frac{\left| -7m+1 \right|}{\sqrt{m^{2}+1}} = 5 \end{align*}mについての方程式を導くことができました。これを変形して、解を求めます。
問(1)の別解例2 3⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad \frac{\left| -7m+1 \right|}{\sqrt{m^{\scriptsize{2}}+1}} = 5 \end{align*}両辺に $\sqrt{m^{2}+1}$ を掛けて
\begin{align*} \quad \left| -7m+1 \right| = 5\sqrt{m^{2}+1} \end{align*}両辺を $2$ 乗して整理すると
\begin{align*} &\quad \left(-7m+1 \right)^{2} = 25\left(m^{2}+1 \right) \\[ 7pt ] &\quad 49m^{2}-14m+1 = 25m^{2}+25 \\[ 7pt ] &\quad 24m^{2}-14m-24 = 0 \\[ 7pt ] &\quad 12m^{2}-7m-12 = 0 \\[ 7pt ] &\quad \left(4m+3 \right)\left(3m-4 \right)=0 \end{align*}よって
\begin{align*} \quad m=-\frac{3}{4} \ , \ \frac{4}{3} \end{align*}点と直線の距離を利用した解法でも、mについての2次方程式を解くことになります。
それぞれのmの値について、⑧式から接線の方程式を求めます。次は、接点Pのx座標と言いたいところですが、別解1と異なり、円と直線の方程式から導いた2次方程式がありません。
そこで、接線と半径OPが垂直になることを利用します。
半径OPの方程式は、原点と点Pを通る直線なので簡単に得られます。接線と直線OPの方程式を連立させて、接点Pの座標を求めます。
問(1)の別解例2 4⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad mx-y-7m+1=0 \quad \cdots \text{⑧} \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad m=-\frac{3}{4} \ , \ \frac{4}{3} \end{align*}$[ \ 1 \ ] \quad m=-\frac{3}{4}$ のとき
接線の方程式は⑧より
\begin{align*} \quad 3x+4y-25=0 \quad \cdots \text{⑨} \end{align*}ここで、直線 $OP$ は
\begin{align*} \quad 4 \cdot \left(x-0 \right)-3 \cdot \left(y-0 \right)=0 \end{align*}より
\begin{align*} \quad y=\frac{4}{3}x \end{align*}これと⑨を連立させて解くと
\begin{align*} \quad x=3 \ , \ y=4 \end{align*}よって、接点の座標は
\begin{align*} \quad (3 \ , \ 4) \end{align*}$[ \ 2 \ ] \quad m=\frac{4}{3}$ のとき
接線の方程式は⑧より
\begin{align*} \quad 4x-3y-25=0 \quad \cdots \text{⑩} \end{align*}ここで、直線 $OP$ は
\begin{align*} \quad -3 \cdot \left(x-0 \right)-4 \cdot \left(y-0 \right)=0 \end{align*}より
\begin{align*} \quad y=-\frac{3}{4}x \end{align*}これと⑩を連立させて解くと
\begin{align*} \quad x=4 \ , \ y=-3 \end{align*}よって、接点の座標は
\begin{align*} \quad (4 \ , \ -3) \end{align*}$[ \ 1 \ ] \ , \ [ \ 2 \ ]$ より、求める接線の
方程式と接点の座標は
\begin{align*} &\quad 3x+4y-25=0 \ , \ (3 \ , \ 4) \\[ 7pt ] &\quad 4x-3y-25=0 \ , \ (4 \ , \ -3) \end{align*}接点の座標を求めるとき、円と接線の方程式を連立させても構いません。ただし、接線と直線OPのときよりも計算量が増えるので注意しましょう。
問(2)の解答・解説
問(2)
円 $x^{2}+y^{2}=8$ の接線で、直線 $7x+y=0$ に垂直である直線の方程式を求めよ。
図示すると以下のようになります。
円外の点が与えられていませんが、円に引いた接線は2本あることを踏まえて解きましょう。
問(2)では、接点の座標を求める必要がありません。ここでは、接点を定義せずに解きます。もちろん、接点を定義して解くこともできます。
接点の座標を求める必要がない問題では、3つの解法のうち、点と直線の距離を利用した解法が適しています。そのためには接線の方程式が必要なので、定義するのであれば接線の方程式です。
接線が与えられた直線に垂直であることを参考にして、接線の方程式を定義します。接線の方程式の表し方にコツがあります。
問(2)の解答例 1⃣
直線 $7x+y=0$ と垂直な直線の傾きは
\begin{align*} \quad \frac{1}{7} \end{align*}よって、求める接線の方程式は
\begin{align*} \quad x-7y+k=0 \end{align*}と表せる。
垂直な直線を一般形で表した公式を紹介しましたが、それの応用です。1点の座標が分からないので、切片で調整しています。
垂直な直線の方程式
点 $(x_{1} \ , \ y_{1})$ を通り、直線
\begin{align*} \quad ax+by+c=0 \end{align*}に垂直な直線の方程式は
\begin{align*} \quad b \left(x-x_{1} \right)-a \left(y-y_{1} \right)=0 \quad \cdots \text{①} \end{align*}これを展開して整理すると
\begin{align*} \quad bx-ay-bx_{1}+ay_{1}=0 \end{align*}ここで
\begin{align*} \quad k=-bx_{1}+ay_{1} \end{align*}とおくと、①は
\begin{align*} \quad bx-ay+k=0 \end{align*}と表せる。
傾きの積から垂直な直線の傾きを求めて、一般形に変形したと考えても良いでしょう。
点と直線の距離を利用します。円の中心と接線の距離は円の半径に等しくなります。
問(2)の解答例 2⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad x-7y+k=0 \\[ 7pt ] &\quad \vdots \end{align*}円の中心 $(0 \ , \ 0)$ と接線の距離が円の半径 $2\sqrt{2}$ に等しいので
\begin{align*} \quad \frac{\left| 0-7 \cdot 0+k \right|}{\sqrt{1^{2}+(-7)^{2}}}=2\sqrt{2} \end{align*}よって
\begin{align*} \quad \frac{\left| k \right|}{5\sqrt{2}}=2\sqrt{2} \end{align*}kについての方程式を導くことができました。これを変形して、解を求めます。
問(2)の解答例 3⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad \frac{\left| k \right|}{5\sqrt{2}}=2\sqrt{2} \end{align*}両辺に $5\sqrt{2}$ を掛けて
\begin{align*} \quad \left| k \right| = 20 \end{align*}よって
\begin{align*} \quad k = \pm 20 \end{align*}kについての1次方程式だったので、少ない計算量で済みました。
それぞれのkの値について、接線の方程式を求めます。
問(2)の解答例 4⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad x-7y+k=0 \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad k = \pm 20 \end{align*}よって、求める接線の方程式は
\begin{align*} \quad x-7y+20=0 \ , \ x-7y-20=0 \end{align*}接点の座標を求める必要がなければ、計算量は少なくなります。
問(2)の別解
別解として、判別式を利用した解法でも解くことができます。
接線が与えられた直線に垂直であることを参考にして、接線の方程式を定義します。
問(2)の別解例 1⃣
直線 $7x+y=0$ と垂直な直線の傾きは
\begin{align*} \quad \frac{1}{7} \end{align*}よって、求める接線の方程式は
\begin{align*} \quad y=\frac{1}{7}x+n \quad \cdots \text{①} \end{align*}と表せる。
判別式を導くので、一般形では表しません。
円と接線の方程式を連立して、xについての2次方程式を導きます。
問(2)の別解例 2⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad y=\frac{1}{7}x+n \quad \cdots \text{①} \\[ 7pt ] &\quad \vdots \end{align*}①を円の方程式
\begin{align*} \quad x^{2}+y^{2}=8 \end{align*}に代入して整理すると
\begin{align*} &\quad x^{2}+\left(\frac{1}{7}x+n \right)^{2}=8 \\[ 7pt ] &\quad x^{2}+\left\{ \frac{1}{7}\left(x+7n \right) \right\}^{2}=8 \\[ 7pt ] &\quad x^{2}+\frac{1}{49}\left(x+7n \right)^{2}=8 \\[ 7pt ] &\quad 49x^{2}+\left(x^{2}+14nx+49n^{2} \right)=8 \cdot 49 \\[ 7pt ] &\quad 50x^{2}+14nx+49\left(n^{2}-8\right)=0 \end{align*}さらに、2次方程式から判別式を導きます。
問(2)の別解例 3⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad 50x^{2}+14nx+49\left(n^{2}-8\right)=0 \end{align*}この $2$ 次方程式の判別式を $D$ とすると
\begin{align*} \quad \frac{D}{4} &= \left(7n \right)^{2}-50 \cdot 49\left(n^{2}-8\right) \\[ 7pt ] &= 49n^{2}-50 \cdot 49\left(n^{2}-8\right) \\[ 7pt ] &= 49 \left\{ n^{2}-50\left(n^{2}-8\right) \right\} \\[ 7pt ] &= 49 \left( -49n^{2}+400 \right) \\[ 7pt ] &= -49 \left( 49n^{2}-400 \right) \end{align*}円と接線は接するので、判別式の値は0になります。nについての2次方程式を得られるので、これを解きます。
問(2)の別解例 4⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad =-49 \left( 49n^{2}-400 \right) \end{align*}円と直線①が接するための条件は
\begin{align*} \quad D=0 \end{align*}よって
\begin{align*} \quad -49 \left( 49n^{2}-400 \right)=0 \end{align*}これを解くと
\begin{align*} &\quad n^{2}=\frac{400}{49} \\[ 7pt ] &\quad n=\pm \frac{20}{7} \end{align*}nの値が分かったので、①式に代入して、接線の方程式を求めます。
問(2)の別解例 5⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad y=\frac{1}{7}x+n \quad \cdots \text{①} \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad n=\pm \frac{20}{7} \end{align*}よって、求める接線の方程式は
\begin{align*} \quad y=\frac{1}{7}x+\frac{20}{7} \ , \ y=\frac{1}{7}x-\frac{20}{7} \end{align*}直線の方程式を一般形で表さなくても問題ありません。自分で定義した直線の方程式に合わせると良いでしょう。
Recommended books
お勧めする2冊で紹介されている勉強法は、あくまでも彼・彼女が作り上げた勉強法なので、それらがそのまま使えるわけではないかもしれません。
しかし、成績がなかなか上がらなかったり、資格や検定の試験で不合格になったりすると、自分の勉強法に自信が持てなくなることがあります。そんなときに一読すると、自分の勉強法に足りない部分が見えてくるかもしれません。
人それぞれに勉強法はあると思いますが、根本的な部分にそう変わりはありません。変わるとすればアプローチの仕方ではないでしょうか。性格や環境などが異なるので、自分に合ったアプローチの仕方を考えなくてはなりません。
お勧めの2冊は、自分なりの勉強法を確立する上で、その助けになるかと思います。
オススメその1
東大生クイズ王で有名な伊沢拓司さん渾身の書き下ろしです。彼自身の「勉強法」を知ることができるのが本書です。
高校時代、クイズ界で「知識のモンスター」として名を成しましたが、その一方で学業がおろそかになってしまいました。そのため、成績は学年で下から数えるほどに……。
そこから彼なりに勉強法を分析し、実践して、みごと東大合格を勝ち取りました。本書では、勉強法だけでなく、クイズ王の暗記術やノート術なども公開されています。
東大生クイズ王・伊沢拓司、渾身のALL書き下ろし!
東大生クイズ王・伊沢拓司が、自身の「勉強法」を一から解き明かします。その他、クイズ王の暗記術、ノート術など、伊沢氏が考える「勉強の骨肉」を一挙大公開!
- 第1章 なぜ受験勉強をするのか?
- 第2章 勉強法こそが大事だ
- 第3章 「受験生活」への入り方
- 第4章 成績の読み方が視界をクリアにする
- 第5章 「たかが暗記」とまだ言うか?
- 第6章 曇りなき思考で見定め、決める
- 第7章 教科ごとの特徴をつかめ
- 第8章 合格の先、不合格の先
オススメその2
東大文1に現役で合格し、司法試験予備試験を在学中に合格した、鈴木光さん。大学卒業後は、弁護士の夢を叶えることに集中されるそうです。
本書では、彼女の実践している、「勉強の計画」「問題の解法」「暗記法」「勉強の継続方法」などが系統立てて説明されています。良書です。
定期テスト、入試、資格試験…すべてに使える勉強の“基本”が網羅されているので、吸収できれば応用が利くでしょう。夢や目標を叶えるための効率的な学びのメソッドを学べます。
「みなさんの家庭教師になったつもりでこの本を書きました」
TV出演多数の東大生・鈴木光による初の著書!
- はじめに
- 序章 探る 勉強目標・計画を立ててみよう
- 第1章 知る 問題を解くための「考え方」を身につけて勉強を始めよう
- 第2章 憶える 知識を自分のものにしよう
- 第3章 整える 勉強を続けられる環境をつくろう
- 第4章 正す 結果を振り返ってやり方を修正してみよう
- 第5章 突破する 科目別の攻略法
- 終章 さまざまな学ぶ場
- おわりに
- 特別コラム
オススメその3
数学だけに限らず、高校での学習をスムーズに進めていくには「読解力」や「論理的な思考力(地頭がいい)」などが必要ではないかと思います。数学Aでは特に必要だと思います。
これらはどちらかと言うと、短期間で身に付くものではなく、長期間の経験によって習得できるものです。ただ、大事なことなのに習得に時間が掛かるのはリスクが高すぎますし、方法論も知らずに取り組んでいても習得できるかも分かりません。
そこでお勧めしたいのが『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』です。
マネするだけで、誰でも、どんな本でも!
- 速く読める
- 内容を忘れない
- 応用できる
東大生は、そんな超・実践的な読書術を自然と習得していました。ホントは教えたくなかったノウハウを、一冊に凝縮します!
一生使える5つの「スゴい読み方」
- 「読み込む力」を劇的に上げる…仮説作り
- 「論理の流れ」がクリアに見える…取材読み
- 「一言で説明する力」を鍛える…整理読み
- 「多面的なモノの見方」を身につける…検証読み
- 「ずっと覚えている」ことができる…議論読み
東大生が当たり前に実践している方法を身に付ければ、教科書や参考書もサクサク読めるかも。興味のある人はぜひ一読を。
さいごにもう一度まとめ
- 円外の点と接点とを混同しない。
- 接点がなければ自分で定義しよう。
- 円外の点から円に引いた接線を求める解法は3通り。
- 円の接線の方程式を覚えよう。
- 接線と重解の関係を理解しよう。
- 円の半径を、点と直線の距離に利用しよう。
- 先に図解すると、接線や接点を予想できる。