複素数と方程式|複素数の基本について

05/30/2019数学2複素数,虚数単位,実部,虚部,複素数と方程式

今回から新しい単元「複素数と方程式」について学習します。ここでは、複素数の基本について学習しましょう。

数学2で学習する「複素数」についての内容は、基本的な事柄ばかりです。ですから、複素数の有用性をほとんど感じることができないかもしれません。

本格的な内容は、数学3(複素数平面)で学習します。複素数平面まで学習すると、複素数のことがもっと分かるでしょう。ここでは複素数の定義や基本的な扱い方をマスターするのが目標になります。

複素数

複素数について、基本事項は3つあります。複素数を扱うためのお約束なので、しっかり覚えましょう。

複素数の基本

  • 虚数単位
  • 複素数の表し方
  • 複素数の相等

複素数とは、実数と虚数の総称です。実数については、数学1の「数の定義」で学習済みです。

虚数単位

虚数は、実数でないもので、虚数単位を用いて表されます。虚数単位は以下のように定義されています。

虚数単位

\begin{align*} &\text{虚数単位を $i$ とすると} \\[ 7pt ] &\quad i^{\scriptsize{2}} = -1 \\[ 7pt ] &\text{を満たす。} \end{align*}

定義から分かるように、虚数単位iは、2乗すると-1になる数であり、-1の平方根です。ちなみに、実数では、2乗して負の数になるものはありません。

虚数単位

\begin{align*} &\text{虚数単位を $i$ とすると} \\[ 7pt ] &\quad i = \sqrt{-1} \end{align*}

複素数の表し方

実数と虚数を含む複素数は、以下のように表されます。

複素数の表し方

$a \ , \ b$ を実数、$i$ を虚数単位とする。
このとき、複素数は
\begin{equation*} \quad a+bi \end{equation*}
と表される数である。
また、$a$ を複素数の実部、$b$ を複素数の虚部という。

複素数は、実数と虚数との和で表されます。このような複素数において、実数部分aを複素数の実部、虚数部分のbを複素数の虚部と言います。

この実部と虚部によって、実数と虚数を含む表し方が可能となります。

実数と虚数

\begin{align*} &\text{$a \ , \ b$ を実数、$i$ を虚数単位とする。} \\[ 10pt ] &\text{複素数} \ a+bi \\[ 10pt ] &\quad = \begin{cases} \text{実数} \ a & ( b = 0 ) \\ \text{虚数} \ a+bi & ( b \neq 0 ) \\ \text{純虚数} \ bi & ( a=0 \ , \ b \neq 0 ) \end{cases} \end{align*}

虚数の中でも実部を持たないものを純虚数と言います。以後、特に断りがない場合、iは虚数単位を表すものとします。

確認問題1

ここで、理解度を確認するために、色々な複素数の実部や虚部を考えてみましょう。

確認問題1

\begin{align*} &\text{次の複素数の実部と虚部を答えよ。} \\[ 10pt ] &(1) \quad 3-\sqrt{2}i \\[ 10pt ] &(2) \quad \frac{-1+i}{2} \\[ 10pt ] &(3) \quad 4i \\[ 10pt ] &(4) \quad -\frac{1}{3} \end{align*}

確認問題1の解答・解説

複素数の表し方を思い出しましょう。

複素数の表し方

複素数 … a+biで表される数

  • a … 実数、複素数の実部
  • b … 実数、複素数の虚部
  • i … 虚数単位

複素数の定義に合うように、与式をそれぞれ変形します。

確認問題1の解答例 1⃣

複素数の定義に合うように与式を変形すると
\begin{align*} &(1) \quad 3-\sqrt{2}i = 3+\left( -\sqrt{2} \right)i \\[ 10pt ] &(2) \quad \frac{-1+i}{2} = -\frac{1}{2}+\frac{1}{2} i \\[ 10pt ] &(3) \quad 4i = 0+4i \\[ 10pt ] &(4) \quad -\frac{1}{3} = -\frac{1}{3}+0 \cdot i \end{align*}

定義の式と見比べると、実部と虚部に相等する実数が分かります。

確認問題1の解答例 2⃣

複素数の定義と与式とを比較して
\begin{align*} &(1) \quad \text{実部 $3 \quad$ 虚部 $-\sqrt{2}$} \\[ 10pt ] &(2) \quad \text{実部 $-\frac{1}{2} \quad$ 虚部 $\frac{1}{2}$} \\[ 10pt ] &(3) \quad \text{実部 $0 \quad$ 虚部 $4$} \\[ 10pt ] &(3) \quad \text{実部 $-\frac{1}{3} \quad$ 虚部 $0$} \end{align*}

(3)の複素数は純虚数を表し、(4)の複素数は実数を表しています。また、虚部について、虚数単位をつけたままにしたり、符号ミスをしたりすることが多いので気をつけましょう。

複素数の定義をしっかり覚えよう。

複素数の相等

2つの複素数について、等式が成り立つとき、実部と虚部に以下のような関係が成り立ちます。

複素数の相等 1⃣

\begin{align*} &\quad a+bi = c+di \\[ 5pt ] &\text{ならば、} \\[ 5pt ] &\quad a=c \quad \text{かつ} \quad b=d \\[ 5pt ] &\text{また、} \\[ 5pt ] &\quad a=c \quad \text{かつ} \quad b=d \\[ 5pt ] &\text{ならば、} \\[ 5pt ] &\quad a+bi = c+di \end{align*}

この関係を複素数の相等と言います。また、以下の事柄も成り立ちます。

複素数の相等 2⃣

\begin{align*} &\quad a+bi = 0 \\[ 5pt ] &\quad \Longleftrightarrow \text{$a=0$ かつ $b=0$} \end{align*}

複素数の相等については、つねに等式が成り立つことから、恒等式と捉えても良いでしょう。

確認問題2

ここで、理解度を確認するために、色々な複素数の実部や虚部を考えてみましょう。

確認問題2

\begin{align*} &\text{次の等式を満たす実数 $x \ , \ y$ の値を求めよ。} \\[ 10pt ] &(1) \quad x+2i = 9-yi \\[ 10pt ] &(2) \quad \bigl( 2x-1 \bigr)+\bigl( y+3 \bigr)i=0 \end{align*}

確認問題2の解答・解説

複素数の相等を利用して求めます。

複素数の相等

\begin{align*} &\quad a+bi = c+di \\[ 5pt ] &\quad \Longleftrightarrow \text{$a=c$ かつ $b=d$} \\[ 10pt ] &\quad a+bi = 0 \\[ 5pt ] &\quad \Longleftrightarrow \text{$a=0$ かつ $b=0$} \end{align*}

複素数の相等より、両辺の実部と虚部について、等式をそれぞれ導出できます。

確認問題2の解答例 1⃣

\begin{align*} &\text{複素数の相等を利用する。} \\[ 5pt ] &(1) \quad x+2i = 9-yi \\[ 5pt ] &\text{$x \ , \ y$ は実数であるので} \\[ 5pt ] &\quad \text{$x=9$ かつ $2=-y$} \\[ 10pt ] &(2) \quad \bigl( 2x-1 \bigr)+\bigl( y+3 \bigr)i=0 \\[ 5pt ] &\text{$2x-1 \ , \ y+3$ は実数であるので} \\[ 5pt ] &\quad \text{$2x-1=0$ かつ $y+3=0$} \end{align*}

複素数の相等を利用するには、実部と虚部がともに実数であることが条件です。きちんと断っておきましょう。等式をそれぞれ導出できたら整理します。

確認問題2の解答例 2⃣

\begin{align*} &(1) \quad \text{$x=9$ かつ $2=-y$ より、} \\[ 5pt ] &\qquad x=9 \ , \ y=-2 \\[ 10pt ] &(2) \quad \text{$2x-1=0$ かつ $y+3=0$ より、} \\[ 5pt ] &\qquad x=\frac{1}{2} \ , \ y=-3 \end{align*}

今後、色々な複素数を扱うので、実部と虚部をしっかり把握できるようにしておきましょう。

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さいごにもう一度まとめ

  • 複素数は実数と虚数の総称。
  • 実部と虚部はともに実数。
  • 複素数が実数や虚数(純虚数)になるときの条件を覚えておこう。
  • 複素数では、虚数単位を用いる。
  • 複素数の相等では恒等式をイメージしよう。