数学の公式・定理集|場合の数と確率
目次
場合の数と確率
集合の要素の個数
個数定理:U を全体集合、A, B, C をその部分集合とする。
\begin{align*}
&\quad n \left( A \cup B \right) = n \left( A \right) + n \left( B \right) – n \left( A \cap B \right) \\[10pt ]
&\text{$A \cap B= \phi$ のとき} \\[ 7pt ]
&\quad n \left( A \cup B \right) = n \left( A \right) + n \left( B \right)
\end{align*}
\begin{equation*}
n \left( \bar{A} \right) = n \left( U \right) – n \left( A \right)
\end{equation*}
\begin{align*}
& n \left( A \cup B \cup C \right) \\[ 7pt ]
= \ & \left( A \right) + n \left( B \right) + n \left( C \right) \\[ 7pt ]
& -n \left( A \cap B \right) – n \left( B \cap C \right) – n \left( C \cap A \right) \\[ 7pt ]
& + n \left( A \cap B \cap C \right)
\end{align*}
関連記事
集合の要素の個数の性質:U を全体集合、A, B, C をその部分集合とする。
\begin{equation*}
n \left( A \cup B \right) \leqq n \left( U \right)
\end{equation*}
\begin{align*}
& n \left( A \cap B \right) \leqq n \left( A \right) \\[ 5pt ]
& n \left( A \cap B \right) \leqq n \left( B \right)
\end{align*}
\begin{equation*}
n \left( A \cup B \right) \leqq n \left( A \right) + n \left( B \right)
\end{equation*}
場合の数
場合の数の数え方
主に2通りの方法を用いて、漏れなく重複することなく数え上げる。
数え方1:辞書式配列法
数え方2:樹形図
和の法則・積の法則
和の法則
事柄 A, B の起こり方が、それぞれ a, b 通りで、A と B が同時に起こらないとする。
このとき、A または B のどちらかが起こる場合の数は $(a+b)$ 通り。
積の法則
事柄 A の起こり方が a 通りあり、その各々に対して事柄 B の起こり方が b 通りずつあるとする。
このとき、A と B がともに起こる場合の数は $ab$ 通り。
関連記事
順列・円順列・重複順列
順列
異なる n 個の中から異なる r 個を取り出して1列に並べる。
\begin{align*}
{}_n \mathrm{ P }_r = \ & n \left( n-1 \right) \left( n-2 \right) \cdots \left( n-r+1 \right) \\[ 10pt ]
= \ &\frac{n!}{\left( n-r \right)!} \quad (0 \leqq r \leqq n)
\end{align*}
\begin{align*}
&0! = 1 \\[ 7pt ]
&\text{特に} \\[ 7pt ]
&{}_n \mathrm{ P }_n = n!
\end{align*}
関連記事
円順列
異なる n 個のものを円形に並べる。
\begin{equation*}
\quad \left( n-1 \right)! \quad \left( = \frac{{}_n \mathrm{ P }_n}{n} \right)
\end{equation*}
関連記事
じゅず順列
異なる n 個のものを円形に並べる。
ただし、回転または裏返して一致するものは同じものとして扱う。
\begin{equation*}
\quad \frac{\left( n-1 \right)!}{2} \quad \left( = \frac{\tiny{\text{円順列}}}{2} \right)
\end{equation*}
重複順列
異なる n 個のものから重複を許して r 個を取り出して並べる。
\begin{equation*}
\quad n^{r} \ \text{(通り)}
\end{equation*}
ただし、n < r であってもよい
重複順列の例
n 個の異なるものを
● A, B の2組に分ける
\begin{equation*}
\quad 2^{n}-2 \ \text{(通り)}
\end{equation*}
● 2組に分ける
\begin{equation*}
\quad (2^{n}-2) \div 2 \ \text{(通り)}
\end{equation*}
● A, B, C の3組に分ける
\begin{equation*}
\quad 3^{n}-3(2^{n}-2)-3 \ \text{(通り)}
\end{equation*}
● 3組に分ける
\begin{equation*}
\quad \{ 3^{n}-3(2^{n}-2)-3 \} \div 3! \ \text{(通り)}
\end{equation*}
関連記事
組合せ、同じものを含む順列
組合せの数
異なる n 個のものの中から異なる r 個を取る。
\begin{align*}
\quad {}_n \mathrm{ C }_r = &\frac{{}_n \mathrm{ P }_r}{r!} \\[ 10pt ]
= &\frac{n!}{r! \left( n-r \right)!}
\end{align*}
ただし、0 ≦ r ≦ n
特に
\begin{equation*}
\quad {}_n \mathrm{ C }_n = 1
\end{equation*}
関連記事
nCr の性質
\begin{align*}
\bullet \ &{}_n \mathrm{ C }_r = {}_n \mathrm{ C }_{n-r} \quad (0 \leqq r \leqq n) \\[ 10pt ]
\bullet \ &{}_n \mathrm{ C }_r = {}_{n-1} \mathrm{ C }_{r-1} + {}_{n-1} \mathrm{ C }_r \\[ 7pt ]
&\quad (1 \leqq r \leqq {n-1} \ , \ 2 \leqq n)
\end{align*}
組分け
n 人をA組 p 人、B組 q 人、C組 r 人に分ける
\begin{equation*}
\quad {}_n \mathrm{ C }_p \times {}_{n-p} \mathrm{ C }_q
\end{equation*}
同じ人数の組に分けるときには注意。
● 3組同数のとき
\begin{equation*}
\quad \left( {}_n \mathrm{ C }_p \times {}_{n-p} \mathrm{ C }_p \right) \div 3!
\end{equation*}
● 2組同数のとき
\begin{equation*}
\quad {}_n \mathrm{ C }_p \div 2!
\end{equation*}
関連記事
同じものを含む順列
n 個のもののうち、p 個は同じもの、q 個は同じもの、r 個は同じもの、…であるとき、それら n 個のもの全部を使って作られる順列。
\begin{align*}
&{}_n \mathrm{ C }_p \times {}_{n-p} \mathrm{ C }_q \times {}_{n-p-q} \mathrm{ C }_r \cdots \\[ 10pt ]
= \ &\frac{n!}{p! q! r! \cdots}
\end{align*}
ただし、$p + q + r + \cdots = n$
関連記事
重複組合せの数
異なる n 個のものから、重複を許して r 個取る組合せ。
\begin{equation*}
\quad {}_n \mathrm{ H }_r = {}_{n+r-1} \mathrm{ C }_r
\end{equation*}
ただし、n < r であってもよい
確率とその基本性質
確率の定義
全事象 U のどの根元事象も同様に確からしいとき、事象 A の起こる確率 P(A)
\begin{align*}
P(A) = &\frac{n(A)}{n(U)} \\[ 10pt ]
= &\frac{\scriptsize{\text{事象 $A$ の起こる場合の数}}}{\scriptsize{\text{起こりうるすべての場合の数}}}
\end{align*}
関連記事
基本性質
\begin{align*}
&\bullet \ 0 \leqq P(A) \leqq 1 \\[ 10pt ]
&\bullet \ P(\varnothing) = 0 \\[ 10pt ]
&\bullet \ P(U) = 1
\end{align*}
関連記事
加法定理
事象 A, B が互いに排反のとき
\begin{equation*}
P(A \cup B) = P(A) + P(B)
\end{equation*}
余事象の確率
\begin{equation*}
P(\bar{A}) = 1 – P(A)
\end{equation*}
独立な試行・反復試行の確率
独立な試行の確率
2つの独立な試行 S, T において、S では事象 A が起こり、T では事象 B が起こるという事象を C とする。
\begin{equation*}
\quad P(C) = P(A) P(B)
\end{equation*}
関連記事
反復試行の確率
1回の試行で事象 A が起こる確率が p であるとする。
この試行を n 回繰り返すとき、事象 A がちょうど r 回起こる確率
\begin{equation*}
\quad {}_n \mathrm{ C }_r \ p^{r} \ {\left( 1-p \right)}^{n-r}
\end{equation*}
関連記事
条件付き確率
条件付き確率
事象 A が起こったときに事象 B が起こる条件付き確率 PA(B)
\begin{align*}
\quad P_{A}(B) = &\frac{n(A \cap B)}{n(A)} \\[ 10pt ]
= &\frac{P(A \cap B)}{P(A)}
\end{align*}
関連記事
確率の乗法定理
\begin{equation*}
P(A \cap B) = P(A) \ P_{A}(B)
\end{equation*}
おすすめの数学辞典
公式や定理をまとめた数学辞典です。1冊あると便利です。
おすすめ その1
導出が丁寧に記載されている公式集を1冊もっておくと困ったときに辞書代わりになります。 ポケットサイズのものと違いサイズが少し大きいので、図が豊富です。
おすすめ その2
公式・定理・定義は左ページ、活用例・解説・証明は右ページの見開き構成になっているので、使いやすいです。
おすすめ その3
難関大を志望している人向けです。大学に進学してからも使えます。