2次関数|2次関数のグラフとx軸との位置関係について
今回は2次関数のグラフとx軸との位置関係について学習しましょう。
今回の内容を学習すれば、2次方程式の解が2次関数のグラフとどのように関係するのかを知ることができます。
また、2次不等式の解を求めるには、2次方程式と2次関数の知識を必要とします。
特に、2次不等式を解くために、2次方程式を解いたり、2次関数のグラフを用いたりするので互いの関係を理解しておく必要があります。
グラフとx軸との位置関係は3パターン
2次方程式の解のことや、その判別の方法を学習しました。これらの知識を利用すると、グラフとx軸との位置関係を知ることができます。
グラフとx軸との位置関係は、グラフとx軸との交点を調べることで分かります。交点の個数は3パターンあります。
2次関数のグラフとx軸との交点の個数
- グラフがx軸と異なる2点で交わる = 交点が2個のとき
- グラフがx軸と1点で接する = 交点が1個のとき
- グラフがx軸と交わらない = 交点が0個のとき
※今後、交点のことを「共有点」と言うことが多くなる。
それぞれの場合になるには、どのような条件が必要なのかを考えてみましょう。
2次関数の式と2次方程式との関係
2次関数の式と2次方程式との関係を考えてみましょう。
2次関数の式と2次方程式との関係
$2$ 次関数
\begin{align*} \quad y = a{x}^{2} +bx +c \end{align*}$2$ 次方程式
\begin{align*} \quad a{x}^{2} +bx +c = 0 \end{align*}2次関数は変数yが変数xの2次式で表される式です。2つの変数x,yの関係を表すのが関数です。
この2次関数の式において、y=0のときの式が変数xについての2次方程式です。
つまり、2次方程式は2次関数の式から得られる式の1つということです。
2次関数では、 2次方程式はy=0のときの式。
2次関数のグラフと2次方程式の解との関係
2次関数において、y=0のときの式が2次方程式です。この2次方程式を解くと、解を得ることができます。
この解は2次関数とどのような関係があるのでしょうか?
2次方程式の解は、2次関数ではy=0のときの変数xの値です。この変数xの値は、2次関数のグラフで考えると、グラフ上、かつx軸上にある点、つまりグラフとx軸との交点のx座標です。
2次関数のグラフと2次方程式との関係
2次方程式の解
⇔ 2次関数ではy=0のときの変数xの値
⇒ グラフでは、グラフとx軸との交点のx座標
特に、解が実数解であればy=0のときの変数xの値が実数の範囲で存在することを意味します。
y=0のときの変数xの値は、グラフ上、かつx軸上の点のx座標を表します。このような点のx座標が得られることから、グラフがx軸と交点をもつように可視化することができます。
ちなみに、交点のことを共有点と言います。グラフとx軸が同じ点を共有しているからです(以下、交点のことを共有点と言う)。
2次方程式の実数解に応じて、x軸と共有点をもつかどうかを判別できます。また、実数解の個数に応じて、共有点の個数も判別できます。
グラフとx軸の交点のことを共有点と言う。2次方程式の実数解の個数は、共有点の個数に等しい。
実数解と共有点との関係
- 2次方程式の実数解 = 2次関数のグラフとx軸との共有点のx座標
- 2次方程式の実数解の個数 = 2次関数のグラフとx軸との共有点の個数
実数解の有無や個数は、2次方程式の解の判別式によって判別できます。ここで、実数解と共有点とは連動していることが分かっています。ですから、共有点の有無や個数も2次方程式の解の判別式によって判別できることが分かります。
たとえば、2次方程式の判別式Dの値がD>0であれば、2次方程式は異なる2つの実数解をもちます。
この実数解は共有点のx座標のことです。x座標が2つ得られるということは、グラフとx軸との共有点が2個できるということです。
このように、判別式は、実数解の個数だけでなく、共有点の個数も教えてくれます。共有点の個数が分かれば、x軸に対するグラフの位置も分かるので、作図に利用できるようになります。
2次関数のグラフとx軸との位置関係
2次関数のグラフとx軸との位置関係は、判別式の値によって場合分けできます。2次方程式の実数解の個数が共有点の個数に等しいからです。
位置関係は凸の向きに関わらず3パターンです。
式や言葉だけでなく、グラフとセットで覚えることが大切です。
注意したいのは、2次方程式が重解をもつときです。
グラフとx軸との位置関係は「接する」という言葉で表現します。
一覧表にすると以下のようになります。図表を活用して、2次関数・2次方程式・グラフの関係を把握しましょう。
実数解の個数と判別式との関係はもちろんですが、グラフとx軸との位置関係も併せて覚えることが大切です。
覚えるときは、判別式の値で場合分けして、それぞれの場合ごとに2次関数・2次方程式・グラフの関係を覚えよう。
次は、グラフとx軸との位置関係を扱った問題を解いて、理解度を確かめてみましょう。