物理の要点|波

公式・定理,物理

物理の要点

波の性質

波の速さ・波長・振動数・周期

振動数と周期
波の振動数 $f \ \mathrm{[Hz]}$ と周期 $T \ \mathrm{[s]}$ の間には、次の関係が成り立つ。
\begin{equation*} \quad f=\frac{1}{T} \end{equation*}
振動数、波長、速さの関係
振動数 $f \ \mathrm{[Hz]}$、波長 $\lambda \ \mathrm{[m]}$ の波が速さ $\upsilon \ \mathrm{[m/s]}$ で伝わるとき、次の関係が成り立つ。
\begin{equation*} \quad \upsilon =f \lambda \end{equation*}

波の式

振幅 $A \ \mathrm{[m]}$、周期 $T \ \mathrm{[s]}$、波長 $\lambda \ \mathrm{[m]}$ の波が $+x$ 方向に速さ $\upsilon \ \mathrm{[m/s]}$ で伝わっているとき、原点( $x=0$ )における時刻 $t \ \mathrm{[s]}$ の媒質の変位を表す式は、次のように表される。
\begin{equation*} \quad y =A \sin {2 \pi \frac{t}{T}} \end{equation*}
また、このとき、位置 $x \ \mathrm{[m]}$ における時刻 $t \ \mathrm{[s]}$ の媒質の変位は、次のように表される。
\begin{equation*} \quad x =A \sin {\frac{2 \pi}{T} \left(t-\frac{x}{\upsilon} \right)} =A \sin {2 \pi \left(\frac{t}{T} -\frac{x}{\lambda} \right)} \end{equation*}

波の反射・屈折

反射の法則
波が反射するとき、入射角と反射角は等しい。
屈折の法則
波が媒質Iから媒質IIへ伝わるとき、入射角を $i$、屈折角を $r$ とすると、媒質Iに対する媒質IIの屈折率 $n_{\scriptsize{12}}$ は、次のようになる。
\begin{equation*} \quad n_{\scriptsize{12}}=\frac{\sin i}{\sin r}=\frac{\upsilon_{\scriptsize{1}}}{\upsilon_{\scriptsize{2}}}=\frac{\lambda_{\scriptsize{1}}}{\lambda_{\scriptsize{2}}} \end{equation*}
ただし、$\upsilon_{\scriptsize{1}} \ , \ \upsilon_{\scriptsize{2}}$ は波の速さ、$\lambda_{\scriptsize{1}} \ , \ \lambda_{\scriptsize{2}}$ は波の波長

波の干渉

2つの波源から波長 $\lambda \ \mathrm{[m]}$ の波が同じ位相で送り出されているとき、それぞれの波源から距離 $r_{\scriptsize{1}} \ \mathrm{[m]} \ , \ r_{\scriptsize{2}} \ \mathrm{[m]}$ 離れた点で、2つの波が重なり合って強め合ったり弱め合ったりする条件は、$m=0 \ , \ 1 \ , \ 2 \ , \ \cdots$ とすると、
\begin{equation*} \quad \left| r_{\scriptsize{1}}-r_{\scriptsize{2}} \right|=m \lambda \end{equation*}
ならば、強め合う。また、
\begin{equation*} \quad \left| r_{\scriptsize{1}}-r_{\scriptsize{2}} \right|=\left(m+\frac{1}{2} \right) \lambda \end{equation*}
ならば、弱め合う。

音波

空気中の音速

気温 $t \ \mathrm{[^{\circ} C]}$ の空気中を伝わる音の速さ $V \ \mathrm{[m/s]}$ は、次の式で表される。
\begin{equation*} \quad V=331.5+0.6 \ t \end{equation*}

うなり

振動数 $f_{\scriptsize{1}} \ \mathrm{[Hz]} \ , \ f_{\scriptsize{2}} \ \mathrm{[Hz]}$ の2つの音源から同時に音を発したときに観測されるうなりの振動数(1秒間のうなりの回数)を $N \ \mathrm{[Hz]}$ とすると、次のように表される。
\begin{equation*} \quad N=\left| f_{\scriptsize{1}}-f_{\scriptsize{2}} \right| \end{equation*}

弦の振動

弦を伝わる波の速さ
線密度 $\rho \ \mathrm{[kg/m]}$ の弦を $S \ \mathrm{[N]}$ の張力で張ったとき、弦を伝わる波の速さ $\upsilon \ \mathrm{[m/s]}$ は、次の式で表される。
\begin{equation*} \quad \upsilon=\sqrt{\frac{S}{\rho}} \end{equation*}
弦の固有振動数
長さ $l \ \mathrm{[m]}$、線密度 $\rho \ \mathrm{[kg/m]}$ の弦を張力 $S \ \mathrm{[N]}$ で張ったときの弦の固有振動数 $f \ \mathrm{[Hz]}$ は、次の式で表される。
\begin{equation*} \quad f=\frac{m}{2l} \sqrt{\frac{S}{\rho}} \quad (m=1, \ 2, \ 3, \ \cdots) \end{equation*}

気柱の振動

開管の固有振動数
空気中の音速を $V \ \mathrm{[m/s]}$ とすると、長さ $l \ \mathrm{[m]}$ の開管の固有振動数 $f \ \mathrm{[Hz]}$ は、次の式で表される。
\begin{equation*} \quad f=\frac{m}{2l} \ V \quad (m=1, \ 2, \ 3, \ \cdots) \end{equation*}
閉管の固有振動数
空気中の音速を $V \ \mathrm{[m/s]}$ とすると、長さ $l \ \mathrm{[m]}$ の閉管の固有振動数 $f \ \mathrm{[Hz]}$ は、次の式で表される。
\begin{equation*} \quad f=\frac{2m-1}{4l} \ V \quad (m=1, \ 2, \ 3, \ \cdots) \end{equation*}

ドップラー効果

振動数 $f_{\scriptsize{0}} \ \mathrm{[Hz]}$ の音を出す音源が速さ $\upsilon \ \mathrm{[m/s]}$ で観測者に向かって進み、観測者が速さ $u \ \mathrm{[m/s]}$ で音源から遠ざかっているとき、観測者が聞く音の振動数 $f \ \mathrm{[Hz]}$ は、音速を $V \ \mathrm{[m/s]}$ として次の式で表される。
\begin{equation*} \quad f=\frac{V-u}{V-\upsilon} \ f_{\scriptsize{0}} \end{equation*}

光波

屈折率

絶対屈折率
真空(または空気)中からある媒質に光が入射するときの屈折率をその媒質の絶対屈折率という。
相対屈折率
絶対屈折率 $n_{\scriptsize{1}}$ の媒質Iから絶対屈折率 $n_{\scriptsize{2}}$ の媒質IIへ光が入射するとき、媒質Iに対する媒質IIの相対屈折率 $n_{\scriptsize{12}}$ は、次のように表される。
\begin{equation*} \quad n_{\scriptsize{12}}=\frac{n_{\scriptsize{2}}}{n_{\scriptsize{1}}} \end{equation*}

全反射

臨界角
屈折角が $90^{\circ}$ になるときの入射角を臨界角という。
全反射
臨界角より大きい入射角で入射した光はすべて反射する。これを全反射といい、光学的に密な(屈折率の大きい)媒質から光学的に疎な(屈折率の小さい)媒質へ光が進むときにのみ起こる。

薄いレンズがつくる像

写像公式
レンズの焦点距離を $f \ \mathrm{[m]}$、レンズの中心から、物体までの距離を $a \ \mathrm{[m]}$、像までの距離を $b \ \mathrm{[m]}$ とすると、次の式が成り立つ。
\begin{equation*} \quad \frac{1}{a}+\frac{1}{b}=\frac{1}{f} \end{equation*}
ただし、
\begin{align*} &\text{実像:$b \gt 0$} \\[ 5pt ] &\text{虚像:$b \lt 0$} \\[ 5pt ] &\text{凸レンズ:$f \gt 0$} \\[ 5pt ] &\text{凹レンズ:$f \lt 0$} \end{align*}
レンズの倍率
上の場合と同じ記号を用いると、レンズの倍率 $m$ は、次のように表される。
\begin{equation*} \quad m=\left| \ \frac{ b }{ a } \ \right| \end{equation*}

光の干渉

光学距離
物質中の距離を物質中の光の波長をもとにして測り、それを同じ光の真空中の波長で測った距離に換算した値を光学距離という。絶対屈折率 $n$ の媒質中の距離 $l \ \mathrm{[m]}$ は光学距離では $nl \ \mathrm{[m]}$ となる。
反射光の位相
光学的に密な物質から疎な物質へ向かうときの反射では、位相の変化は起こらないが、光学的に疎な物質から密な物質へ向かうときの反射では、反射光の位相が $\pi \ \mathrm{[rad]}$ ずれる
光の干渉
2つの光線の経路の光学距離の差を光路差という。
  • 同位相の場合、光路差が波長の整数倍ならば、光は強め合う
  • 同位相の場合、光路差が波長の整数倍+半波長ならば、光は弱め合う

物理・物理基礎のオススメ本

おすすめ その1
  • 宇宙一わかりやすい高校物理(力学・波動)
  • 宇宙一わかりやすい高校物理(電磁気・熱・原子)

物理入門者や、物理を苦手にしている人に導入書としておすすめです。教科書が学習の中心であるべきですが、どうしても教科書で理解できない箇所が出てきたら本書で補完すると良いでしょう。イラストが豊富なので独学でも使えます。

分冊になっているので、力学と波動以外の分野はもう1冊の方になります。

おすすめ その2
  • 秘伝の物理講義[力学・波動]
  • 秘伝の物理講義[電磁気・熱・原子]

YouTubeで完全公開されている講義を再現したのが本冊です。また、別冊の「動画テキスト兼ポイント集」で物理の「わからない」を解決できます。公開模試、学校平均点全国No.1を取らせた実力派教師の講義は一読の価値あり。独学にも向き、標準以上も対応可能です。

分冊になっているので、力学と波動以外の分野はもう1冊の方になります。

おすすめ その3

物理教室(河合塾series)

所有していますが、これ1冊で基礎から応用まで十分対応できます。理系志望者は一読してほしいのが本書です。

物理の内容が分野ごとに章立てされており、各分野ごとに筋道を通した理解ができます。網羅性が高いのは当然ですが、「物理的な見方や考え方」が自然に身につくように丁寧に解説されています。

また、入試を意識して問題を多く扱っているのも特徴で、問題集代わりにも使えます。基礎を身に着けたい人は参考書として、応用力を養いたい人は問題集として、実力に応じて使いこなせる構成になっています。

問題集の『物理のエッセンス』は有名ですが、同じ河合塾seriesなので相性も良いです。

おすすめ その4

Newton大図鑑シリーズ 物理大図鑑

高校までに学校で習う物理には、主に5つの分野(力学・熱力学・波動・電磁気・原子)があります。本書では、これら5分野に加えて、相対性理論や超ひも理論の基本的なエッセンスも網羅されています。物理に興味がある人はもちろん、物理を学びなおしたい人にもおすすめです。