複素数と方程式|重解や虚数解をもつ条件について
重解や虚数解をもつ条件を扱った問題を解いてみよう
次の問題を解いてみましょう。
問
$2$ 次方程式 $x^{\scriptsize{2}}+2(k-1)x-k^{\scriptsize{2}}+3k-1 = 0$( $k$ は定数)について
$(1) \quad$実数解をもつような $k$ の値の範囲を求めよ。
$(2) \quad$重解をもつような $k$ の値と、そのときの重解を求めよ。
問題文を注意深く読み、与式をよく観察しましょう。
問(1)の解答・解説
問(1)
$2$ 次方程式 $x^{\scriptsize{2}}+2(k-1)x-k^{\scriptsize{2}}+3k-1 = 0$( $k$ は定数)について
実数解をもつような $k$ の値の範囲を求めよ。
2次方程式の係数や定数項を用いて、判別式を表します。やや複雑なので、ミスをしないように数式を丁寧に扱いましょう。
問(1)の解答例 1⃣
判別式は、kについての2次式で表されます。次に、実数解をもつための条件を考えます。
問(1)の解答例 2⃣
実数解をもつための条件は、判別式の値が0以上(D≧0)であることです。このことから、kについての2次不等式を導くことができます。
この2次不等式の解を求めれば、定数kの値の範囲を得ることができます。
問(1)の解答例 3⃣
実数解と言う場合、解は異なる2つの実数解でも良いし、重解でも良いです。よく間違えるので注意しましょう。
2次方程式が実数解をもつ=判別式D≧0
問(2)の解答・解説
問(2)
$2$ 次方程式 $x^{\scriptsize{2}}+2(k-1)x-k^{\scriptsize{2}}+3k-1 = 0$( $k$ は定数)について
重解をもつような $k$ の値と、そのときの重解を求めよ。
(1)と同じように、2次方程式の係数や定数項を用いて、判別式を表します。
問(2)の解答例 1⃣
(1)ですでに判別式を求めています。(1)の結果を利用して簡単に記述します。
次に、重解をもつための条件を考えます。
問(2)の解答例 2⃣
重解をもつための条件は、判別式の値が0(D=0)であることです。このことから、Kについての2次方程式を導くことができます。
この2次方程式の解を求めれば、定数kの値を得ることができます。
問(2)の解答例 3⃣
判別式の値の条件から、定数kの値を得ることができました。これが重解をもつための条件となります。
最後に、重解を求めます。定数kの値は複数あるので、場合分けします。また、重解の公式を利用します。
問(2)の解答例 4⃣
もちろん、求めたkの値を与式に代入して、方程式を解いても構いません。別解で解く場合、解答例3⃣の続きが別解例5⃣となります。
問(2)の別解例 5⃣
重解となることは分かっているので、2次方程式を因数分解すると、必ず(1次式)2の形に変形できます。もしできなければ、代入を間違っていたり、因数分解を間違っていたりする可能性があります。
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さいごにもう一度まとめ
- 重解や虚数解をもつ条件と判別式の値との関係をしっかり覚えよう。
- 実数解をもつとき、解は異なる2つの実数解でも良いし、重解でも良い。
- 重解を求めるとき、重解の公式を利用しよう。
- 重解をもつとき、2次方程式を因数分解すると、必ず1次式の2乗の形で表せる。