お勧めの学習教材|英語嫌いや英文法初学者に優しい英語入門シリーズ
英語嫌いや英文法初学者向けの英語入門シリーズ
あくまでも個人的に使ってみて感じた感想です。参考にはしても鵜呑みにはせず、必ず自分で吟味しましょう。
英語が苦手な人や英文法初学者に向いた教材を紹介します。英語の学習教材はとても多いので、どれを選べば良いのか迷ってしまいます。
教材を選ぶときに注目するのは、自分の学力に合っているか、そして教材を使う目的が自分の目的と合っているかです。ここを押さえておけば、本棚の肥やしになることはないでしょう。
問題精講シリーズはレベルに気を付けよう
ここで紹介するのは、有名な『問題精講シリーズ』です。このシリーズで注意したいのは、入門・基礎・標準があることです。しかも、言葉通りに受け取ると大変な目に遭います。
たとえば、基礎シリーズは、基礎と言っても入試基礎レベルの題材を扱った教材です。ですから、「基礎だと思ったから購入したのに難しすぎた」という人もいるかもしれません。基礎シリーズや標準シリーズは、明らかに人を選ぶ教材です。このような失敗をしないように、自分で中身をよく吟味しましょう。
それに対して、入門シリーズは人を選ばない、間口の広い教材だと感じます。だからと言って易しすぎるわけではありません。過去問から近年の入試傾向に合わせて、英文が採用されています。文のレベル的には、読みやすかったり、短かったりする入試入門レベルだということです。
旧版と新版の違い
個人的に所有しているのは旧版(上画像)です。新版のカバーデザインが大きく変わったので、旧版とは全く別物のようです(下画像)。
個人的には新版の方がシンプルで好きです。見た目は大きく変わりましたが、中身の丁寧な解説は新版でも健在です。
『入門英語長文問題精講』の旧版と新版の違いを見てみましょう。新版でも旧版と同じ英文を扱っていますが、重要な語句や構文がより目立つような仕様に変更されています。たとえば、四角で囲まれていただけのものが、色付きで囲まれています。
また、新版ではディスコースマーカーにも配慮されています。
旧版は中身がいい意味で地味だったので、意外と読みやすく使いやすい教材でした。それに対して、新版の方は、少しだけ派手になりましたが、重要語句が目に入りやすくなっています。ただ、色付きが増えたので、自分好みに色付けしたい人には少し残念な変更かもしれません。
また、1文ごとに丁寧に要素分解されているので、教材に慣れてくれば、学校の予習や復習だけでなく、課題などでも真似できるようになるのも利点です。
文の要素について、1文ごとに分解されている教材は意外と多くありません。たとえば、基礎シリーズや標準シリーズになると、すべての文で要素分解されているわけではありません。
しかし、決して不親切というわけではありません。というのも、必要なところ以外は解説なしで問題ない人が対象であったり、解説の趣旨に合わなくて割愛されていたりするからです。
教材選びに失敗しないためには、教材の趣旨や中身をよく確認して、自分に合うかどうかを考えることが大切です。そういう意味では、入門シリーズでは全文が要素分解されているので、人を選ばず取り組みやすい教材です。
個人的には入門英語長文問題精講がおすすめ
個人的にお勧めなのは、『入門英語長文問題精講』です。新版では、長文の音声データが付いたことでリスニング対策に使えるようになりました。音声データが付いたことで、『速読英単語 必修編[改訂第7版]』のタイプに近づいたと考えられます。
ただ、『速読英単語 必修編[改訂第7版]』の方は、少し難易度が高く、テーマを意識した教材です。丁寧さや親切さを考えると、1冊目は『入門英語長文問題精講』で、2冊目は『速読英単語 必修編[改訂第7版]』の順番で取り組んだ方がスムーズにいくでしょう。
英語は時間のかかる科目
高校によっては、予習で訳してきたところを授業で確認するだけで、英文法や長文読解についてほとんど解説しないところがあるようです。
そうなると、授業があてにならない可能性があります。自分で調べながら学習する比率が大きいので、授業があてにならないのは困ります。そういうのが嫌で、英語嫌いになる人もいるかもしれません。
英語の学習では、単語や文法など覚えることに時間を取られ、仕上げるのに時間が掛かります。ですから、できるだけ早く、しかし丁寧に取り組む必要があります。これは文型科目全般に言えることです。英語の場合、入門シリーズであれば、高校1年生からでも自力で取り組みやすいでしょう。
高校1,2年生のうちに入門シリーズを周回して仕上げましょう。1,2年生のうちに3冊とも仕上げることができれば、入試過去問などの実践的な教材であってもスムーズに取り組めるでしょう。英語を得点源にすることも夢ではありません。
入門英文法問題精講 | 入門英文問題精講 | 入門英語長文問題精講 | |
---|---|---|---|
レベル | 入門 | 入門 | 入門 |
入試基礎 | 〇 | 〇 | 〇 |
共通テスト | 〇 | 〇 | 〇 |
私大標準 | 〇 | 〇 | 〇 |
著者 | 小崎充 | 竹岡広信 | 三浦淳一 |
判型 | A5版 | A5版 | A5版 |
『入門英文問題精講』は、英文解釈や精読を主目的とした教材で、『入門英文法問題精講』とは異なるので注意しましょう。また、入門シリーズの新版では、著者が変わっていることにも注意しましょう。
入門シリーズをやり込もう
これら3冊を同時にやるのは難しいので、下表の左から右へ順に1冊ずつ取り組んでいくのが進め方としては無難かもしれません。同時進行していくなら、『入門英文法問題精講』と『入門英文問題精講』を合わせて取り組んだ後に、『入門英語長文問題精講』に取り組む進め方が考えられます。
入門シリーズのこなし方の一例
- 『入門英文法問題精講』⇒『入門英文問題精講』⇒『入門英語長文問題精講』の順に取り組む
- 『入門英文法問題精講』+『入門英文問題精講』⇒『入門英語長文問題精講』の順に取り組む
- 『入門英文法問題精講』+『入門英語長文問題精講』⇒『入門英文問題精講』の順に取り組む
『入門英文法問題精講』は 21 章からなり、問題数は 600 問あります。1章あたりに約 30 問の短文がある計算になります。1章あたりに1週間とすると、1日4~5問をこなせば、5か月ほどで終わります。
『入門英語長文問題精講』は 24 の演習問題からなります。演習問題の長文1つにつき1週間とすると、6か月ほどで終わります。『入門英文法問題精講』と『入門英語長文問題精講』の両方とも約半年で1周できるので、1年間では2周できます。
『入門英文問題精講』は6章と章の数は少ないですが、問題数で言えば 72 題です。長文とも短文とも言えない分量の1題を同じペースでやるとすれば、他の2冊よりも時間がかかります。複数の問題をこなす必要がありそうなので、先に他の2冊を済ませてしまった方がスムーズに取り組めるかもしれません。
あくまでも予定なので、上のように進めていけるとは限りません。中・長期的に進めていく場合、モチベーションの維持が難しくなります。それを防ぐために、集中的に取り組んで短期間で済ませるのも良いかもしれません。
中・長期的に継続できることはとても価値のあること。どうしても中・長期的な計画実行が難しい場合、短期で済ませることを考えよう。
どんな計画にせよ、きちんと計画を実行できれば、周回を重ねることができます。どの教材を選ぶにしても、徹底的にやり込むことが大切です。
ゲームと同じように、学習にはやり込み要素があるので、やり込んだ人が絶対的に有利です。自分が「コレだ!」と思った教材があれば、とにかく周回を重ねてやり込みましょう。2度目、3度目でも必ず何らかの気付きがあります。