複素数と方程式|割られる式や余りの決定について

数学2余り,割り算,複素数と方程式,剰余の定理,高次式

割られる式や余りの決定を扱った問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。


\begin{align*}
&\text{$n$ を2以上の自然数とする。$x^{\scriptsize{n}}+ax+b$ が $(x-1)^{\scriptsize{2}}$ で割り切れるとき、} \\[ 7pt ]
&\text{定数 $a \ , \ b$ の値を求めよ。}
\end{align*}

問の解答・解説

問は、割られる式を決定する問題です。与えられた n 次式は割られる整式です。またこの n 次式を2次式 $(x-1)^{\scriptsize{2}}$ で割ると割り切れる、言い換えると余りが0となるという情報が与えられています。

与えられた n 次式を2次式 $(x-1)^{\scriptsize{2}}$ で割ったときの余りが0となるということは、n 次式は2次式 $(x-1)^{\scriptsize{2}}$ を因数にもつということです。言い換えると、n 次式は2個の $x-1$ を因数にもつと言えます。つまり、n 次式は、1次式 $x-1$ で割ると割り切れることが分かります。

1次式 $x-1$ で割ったときの余りが分かったので、剰余の定理を利用します。

問の解答例①
\begin{align*}
&\quad f(x)=x^{\scriptsize{n}}+ax+b \\[ 7pt ]
&\text{とする。} \\[ 5pt ]
&\text{$f(x)$ が $(x-1)^{\scriptsize{2}}$ で割り切れるとき、} \\[ 5pt ]
&\text{$f(x)$ は $x-1$ で割り切れるので} \\[ 5pt ]
&\quad f(1)=0 \\[ 7pt ]
&\text{より} \\[ 5pt ]
&\quad 1+a+b=0 \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad b=-a-1 \quad \text{…①}
\end{align*}

定数 b を定数 a を用いて表すことができました。これを割られる n 次式に代入して、文字の種類を減らします

問の解答例②
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\quad b=-a-1 \quad \text{…①} \\[ 7pt ]
&\text{①を $f(x)$ に代入すると} \\[ 5pt ]
&\quad f(x)=x^{\scriptsize{3}}+ax-a-1
\end{align*}

割られる式は、1次式 $x-1$ で割り切れるので、因数定理が成り立ちます。つまり、因数分解できるはずです。

残念ながら、割られる式が n 次式なので、項がいくつあるのか分からないので、組立除法で割り算するのは難しいです。ですから、少し工夫して因数分解します。

問の解答例③
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\quad f(x)=x^{\scriptsize{n}}+ax-a-1 \\[ 7pt ]
&\text{これを因数分解すると} \\[ 5pt ]
&\quad f(x)=a\bigl(x-1 \bigr)+x^{\scriptsize{n}}-1 \\[ 7pt ]
&\text{より} \\[ 5pt ]
&\quad f(x)=a\bigl(x-1 \bigr)+\bigl(x-1 \bigr)\bigl(x^{\scriptsize{n-1}}+x^{\scriptsize{n-2}}+x^{\scriptsize{n-3}}+ \cdots \cdots +x+1 \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad f(x)=\bigl(x-1 \bigr) \bigl(x^{\scriptsize{n-1}}+x^{\scriptsize{n-2}}+x^{\scriptsize{n-3}}+ \cdots \cdots +x+1+a \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{ここで} \\[ 5pt ]
&\quad g(x)=x^{\scriptsize{n-1}}+x^{\scriptsize{n-2}}+x^{\scriptsize{n-3}}+ \cdots \cdots +x+1+a \quad \text{…②}
\end{align*}

文字の種類を減らすことで、割られる式を因数が分かる形で表せました。

また、最後の行では、商の( n -1)次式だけを取り出しています。商の( n -1)次式は、項を n 個もつ多項式です。

割られる n 次式は、2個の1次式 $x-1$ を因数にもちます。2個のうち1個は割る式として出てきましたが、残り1個はまだ出てきていません。残り1個は商の中にあります。ですから、商の( n -1)次式は1次式 $x-1$ で割り切れるはずです。

商について剰余の定理を利用します。

問の解答例④
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\quad g(x)=x^{\scriptsize{n-1}}+x^{\scriptsize{n-2}}+x^{\scriptsize{n-3}}+ \cdots \cdots +x+1+a \quad \text{…②} \\[ 7pt ]
&\text{$f(x)$ が $(x-1)^{\scriptsize{2}}$ で割り切れるとき、} \\[ 5pt ]
&\text{$g(x)$ は $x-1$ で割り切れるので} \\[ 5pt ]
&\quad g(1)=0 \\[ 7pt ]
&\text{より} \\[ 5pt ]
&\quad 1+1+ \cdots \cdots +1+a=0 \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad a=-n
\end{align*}

定数 a の値が分かったので、残りの定数 b の値を求めます。

例題(1)の解答例⑤
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\quad a=-n \\[ 7pt ]
&\text{これと①より} \\[ 5pt ]
&\quad b=n-1 \\[ 7pt ]
&\text{したがって} \\[ 5pt ]
&\quad \therefore a=-n \ , \ b=n-1
\end{align*}

例題(2)のように、「余りを求めよ」という問題であれば、割り算の基本公式を用いて等式を導く解法を採用します。それに対して、例題(1)や問のように、割られる式の係数を求める問題であれば、割り算の基本公式を用いる必要はありません。

どちらのパターンにも共通なのは、割る式が2次式であるということで、つまり、この2次式をどのように使うのかが重要です。2次式のままでは行き詰ってしまいますが、2個の1次式と捉えることで問題の見え方が変わります。

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さいごにもう一度まとめ

  • 割る式が2次式の場合、2個の1次式に分けて考えよう。
  • 1次式での割り算であれば、剰余の定理や因数定理を利用しよう。
  • 整式の割り算では、割り算の基本公式で等式を作ろう。
  • 割られる式を決定する問題では、剰余の定理を活用しよう。
  • 余りを決定する問題では、割り算の基本公式で作った等式を活用しよう。