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式と証明|整式の割り算について

数学2

数学2 式と証明

整式の割り算を扱った問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。

次の整式 A を整式 B で割った商と余りを求めよ。

また、その結果を A=BQ+R の形に書け。

(1)A=6x27x20 , B=2x5(2)A=(2x23x+1)(x+1) , B=x2+4(3)A=x42x3x+8 , B=2x2x2

整式によっては、計算ミスをしやすい割り算があります。自分なりに工夫しながら、丁寧に計算しましょう。

問(1)の解答・解説

問(1)

次の整式 A を整式 B で割った商と余りを求めよ。

また、その結果を A=BQ+R の形に書け。

A=6x27x20 , B=2x5

どちらの整式も降べきの順に並んでおり、また、欠けている次数の項もありません。最高次数の項に注目しながら商を決め、計算していきます。

割り算の結果は以下の通りです。

問(1)の筆算
問(1)の割り算
問(1)の筆算(注釈付き)
問(1)のポイント

筆算によって、整式Aを整式Bで割った商と余りが分かりました。割り算の基本公式で表します。

問(1)の解答例

整式 A を 整式 B で割った商と余りは

 3x+4余り 0よって6x27x20=(2x5)(3x+4)

問(1)は、欠けた次数がなく、降べきの順に整理された整式の割り算でした。基本レベルですが、ポイントを押さえるまではこのレベルの問題をこなすと良いでしょう。

問(2)の解答・解説

問(2)

次の整式 A を整式 B で割った商と余りを求めよ。

また、その結果を A=BQ+R の形に書け。

A=(2x23x+1)(x+1) , B=x2+4

問(2)は、一瞬、戸惑う問題かもしれません。整式Aが因数分解された状態です。このような場合、降べきの順に並んでいないものとして、展開しましょう。

問(2)の解答例 1⃣

整式 A を展開すると

A=(2x23x+1)(x+1)=2x3x22x+1

次に、整式Bで割り算しますが、整式Bには1次の項がありません。欠けていることが分かるように、1次の項を空けて記述します。

問(1)のときよりも注意深く計算しましょう。割り算の結果は以下の通りです。

問(2)の筆算
問(2)の割り算
問(2)の筆算(注釈付き)
問(2)のポイント

筆算によって、整式Aを整式Bで割った商と余りが分かりました。割り算の基本公式で表します。

問(2)の解答例 2⃣

整式 A を 整式 B で割った商と余りは

 2x1余り 10x+5よって(2x23x+1)(x+1)=(x2+4)(2x1)10x+5

欠けている次数の項があると、意外と計算ミスしやすくなります。スペースをきちんと空けて、その項がないことを意識できるようにしましょう。

問(3)の解答・解説

問(3)

次の整式 A を整式 B で割った商と余りを求めよ。

また、その結果を A=BQ+R の形に書け。

A=x42x3x+8 , B=2x2x2

整式Bを見ると、降べきの順に並んでいません。これを並べ替えて整理します。

問(3)の解答例 1⃣

整式 B を降べきの順に整理すると

B=2x2x2=2x2x+2

次に、割り算を行いますが、整式Aには2次の項がありません。欠けた項があることが分かるように、2次の項を空けて記述します。

引き算で計算ミスをしやすいので、細心の注意を払って計算しましょう。割り算の結果は以下の通りです。

問(3)の筆算
問(3)の割り算
問(3)の筆算(注釈付き)
問(3)のポイント

筆算によって、整式Aを整式Bで割った商と余りが分かりました。割り算の基本公式で表します。

問(3)の解答例 2⃣

整式 A を 整式 B で割った商と余りは

 12x2x+54x98余り 378x+414よってx42x3x+8=(2x2x2)(12x2x+54x98)378x+414

分数が出てきたので、筆算をしていて不安に思ったかもしれませんが、間違っているわけではありません。

割られる式や割る式はどちらも整式なので、係数は整数となります。しかし、商や余りの係数に分数が出てくることもあります。

等式の右辺を展開して整理すると、ちゃんと左辺と同じ式になるはずです。計算結果が不安であれば、検算してみると良いでしょう。

整式の割り算では、上下に次数を揃えないせいでおかしな計算をしたり、係数の引き算を間違えたりすることが意外と起こります。自分がミスしやすそうな箇所に注意しながら演習を繰り返しましょう。

商や余りの係数が必ず整数になるとは限らない。

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計算力は重要な要素となります。試験では考える時間を多く取るために、いかに計算を手早く行うかが重要です。

計算力の有無は、数学2・Bや数学3では顕著になります。計算に時間がかかりすぎては解けるものも解けません。後悔しないためにも日頃からしっかり鍛えておきましょう。

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大事なことは、自分に合った教材を徹底的に活用することです。どの教材を選ぶにしても、自分の目で中身を確認し、納得してから購入することが大切です。

さいごにもう一度まとめ

  • 整式の割り算では、次数に注意しよう。
  • 整式の割り算では、次数の高い項から処理していこう。
  • 割り算の終了は、割る整式と余りの次数を比べて判断しよう。
  • 欠けている項があるときの割り算では、計算ミスが多いので注意しよう。
  • 商や余りの係数が分数を含むことがあるので注意しよう。