図形と計量|正弦定理について
正弦定理の使える状況を知っておこう
正弦定理の式を覚えても、どんな状況で使えるのかを知らなければ、苦労して覚えた知識が無駄になってしまいます。
1つにまとめた等式を観察してみると、正弦の角と辺の長さが対角と対辺の関係にあることに気付きます。
このことから、正弦定理を用いる状況がある程度予想できそうです。たとえば、外接円の半径が話題に出たら、正弦定理を疑ってみると良いでしょう。
また、対角と対辺の関係にある角や辺が話題に出ても正弦定理を使う可能性が高そうです。
外接円の半径を求める問題なら正弦定理一択。また、対角と対辺が1組でも分かっていれば、正弦定理を使う可能性が高い。
正弦定理の使い方
正弦定理を使えそうな状況であれば、次は立式になります。注意したいのは、4つの数量を1つにまとめた等式は、あくまでも便宜上の表記で、そのまま使うわけではありません。
実際には、4つの数量のうち、問題で与えられたヒントをもとに2つの数量を選んで等式を作ります。
この等式に求めたい数量(未知数)が含まれるので、その数量についての方程式になります。そのためにも、求めたい数量以外はすべて数値が分かっていることが条件になります。
たとえば、外接円の半径を求める問題であれば、対角と対辺の関係にある角の大きさと辺の長さが、必ず1組は分かっているはずです。
正弦定理の6パターンを使い分けよう
正弦定理は組み合わせによって、6通りの等式を作ることができます。問題で与えられた条件からどの組み合わせにするかを考える必要があります。
以下の式のどれかを使う場合、外接円の半径、対辺の長さ、対角の大きさのうち、どれか2つは分かっていることが条件です。
正弦定理の式
\begin{align*} &\quad \frac{a}{\sin A} = 2R \\[ 7pt ] &\quad \frac{b}{\sin B} = 2R \\[ 7pt ] &\quad \frac{c}{\sin C} = 2R \end{align*}以下のどれかを使う場合、対角2つと対辺1つ、または対角1つと対辺2つが分かっていることが条件です。
2組の対角・対辺を用いた場合
\begin{align*} &\quad \frac{a}{\sin A} = \frac{b}{\sin B} \\[ 7pt ] &\quad \frac{b}{\sin B} = \frac{c}{\sin C} \\[ 7pt ] &\quad \frac{c}{\sin C} = \frac{a}{\sin A} \end{align*}このように与えられる条件によって、等式を使い分けて方程式を導出しましょう。
何かの数量を求める問題では、公式を利用して方程式(条件式)を作ることが多い。公式がどんな数量を用いて導出されているかを知っておこう。
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さいごに、もう一度、頭の中を整理しよう
- 正弦定理は三角形と外接円との関係から得られる定理。
- 対角と対辺の組に注目する。
- 正弦定理の式は、4つの数量から2つを選んで使う。
- 外接円を扱った問題では、まず正弦定理を意識する。