2次関数|2次関数のグラフとx軸との位置関係について
グラフとx軸との位置関係を扱った問題を解いてみよう
次の問題を解いてみましょう。
第1問の解答・解説
第1問
$2$ 次関数のグラフと $x$ 軸との共有点の $x$ 座標を求めよ。
\begin{align*} \quad y = {x}^{2} -3x -4 \end{align*}第1問は、グラフとx軸との共有点のx座標を求める問題です。グラフとx軸との共有点は、グラフ上にあり、かつx軸上にもある点のことです。
このような点のx座標は、与式においてy=0のときの変数xの値です。与式にy=0を代入すると、xについての2次方程式が得られます。
第1問の解答例 1⃣
\begin{align*} \quad y = {x}^{2} -3x -4 \end{align*}$y=0$ のとき、与式は
\begin{align*} \quad x^{2} -3x -4 =0 \end{align*}得られた2次方程式を解きます。2次方程式の解が共有点のx座標です。
第1問の解答例 2⃣
\begin{align*} \quad \vdots \end{align*} \begin{align*} \quad x^{2} -3x -4 =0 \end{align*}これを解くと
\begin{align*} \quad \left(x+1 \right)\left(x-4 \right) &=0 \\[ 7pt ] \therefore \ x &= -1 \ , \ 4 \end{align*}よって、求める $x$ 座標は
\begin{align*} \quad -1 \ , \ 4 \end{align*}第1問のポイントと解答例をまとめると以下のようになります。
(2次方程式の実数解)=(グラフとx軸との共有点のx座標)
第2問の解答・解説
第2問
$2$ 次関数のグラフと $x$ 軸との共有点の個数を求めよ。
\begin{align*} \quad y = 2{x}^{2} -3x -6 \end{align*}x軸との共有点の話なので、与式でy=0とおいて、xについての2次方程式を導出します。
第2問の解答例 1⃣
\begin{align*} \quad y = 2{x}^{2} -3x -6 \end{align*}$y=0$ のとき、与式は
\begin{align*} \quad 2x^{2} -3x -6 =0 \end{align*}2次方程式を導出してからが第1問とは異なります。
x軸との共有点の個数は、共有点のx座標に注目します。共有点のx座標は、先ほど導出した2次方程式から得られます。
しかし、第2問ではxの値そのものを知る必要はありません。知りたいのは、2次方程式からxの値、つまり実数解が何個得られるかです。
実数解の個数を調べるには、2次方程式の解の判別式を利用します。判別式の値によって、実数解の個数、すなわち共有点のx座標の個数を知ることができます。
第2問の解答例 2⃣
\begin{align*} \quad \vdots \end{align*} \begin{align*} \quad 2x^{2} -3x -6 =0 \end{align*}ここで、$2$ 次方程式の判別式を $D$ とすると
\begin{align*} \quad D &={\left( -3 \right)}^{2} -4 \cdot 2 \cdot \left( -6 \right) \\[ 7pt ] &= 9+48 \\[ 7pt ] &= 57 \gt 0 \end{align*}$D \gt 0$ より、$2$ 次方程式は異なる $2$ つの実数解をもつ。
したがって、$2$ 次関数のグラフと $x$ 軸との共有点は $2$ 個。
判別式Dの値を調べるとD>0となったので、2次方程式は異なる2つの実数解をもつことが分かります。
言い換えると、2次方程式から共有点のx座標を2つ得ることができるということです。つまり、共有点の個数は2個あります。
第2問のポイントと解答例をまとめると以下のようになります。
(2次方程式の実数解の個数)=(グラフとx軸との共有点の個数)
第3問の解答・解説
第3問
$2$ 次関数のグラフが $x$ 軸と接するときの定数 $k$ の値を求めよ。
\begin{align*} \quad y = x^{2} +2x -k \end{align*}第1,2問と同様に、x軸との共有点の話です。与式でy=0とおいて、xについての2次方程式を導出します。
第3問の解答例 1⃣
\begin{align*} \quad y = x^{2} +2x -k \end{align*}$y=0$ のとき、与式は
\begin{align*} \quad x^{2} +2x -k =0 \end{align*}グラフがx軸と接するので、グラフとx軸との共有点は1個だけです。
共有点が1個だけになるには、与式においてy=0のときの2次方程式が重解をもつ、という条件を満たさなければなりません。
実数解の個数を調べるには、2次方程式の解の判別式を利用します。
第3問の解答例 2⃣
\begin{align*} \quad \vdots \end{align*} \begin{align*} \quad x^{2} +2x -k =0 \end{align*}ここで、判別式を $D$ とすると
\begin{align*} \quad D &= 2^{2} -4 \cdot 1 \cdot \left( -k \right) \\[ 7pt ] &= 4 + 4k \end{align*}2次方程式が重解をもつかどうかは、判別式の値で決まります。重解をもつとき、判別式はD=0が成り立ちます。
この条件から、kについての方程式を導出することができます。
第3問の解答例 3⃣
\begin{align*} \quad \vdots \end{align*} \begin{align*} \quad D &= 2^{2} -4 \cdot 1 \cdot \left( -k \right) \\[ 7pt ] &= 4 + 4k \end{align*}グラフが $x$ 軸と接するには、共有点を1個だけもてばよい。
このとき、$2$ 次方程式は重解をもつので $D=0$ が成り立つ。
よって
\begin{align*} \quad D &=0 \\[ 7pt ] \quad 4 + 4k &=0 \end{align*}これを解くと
\begin{align*} \quad k = -1 \end{align*}定数kについての方程式を導出できたら、kについて解きましょう。このkの値が、グラフがx軸と接するときの値です。
k=-1のとき、グラフがx軸と接することを確認してみましょう。
グラフがx軸と接することの確認
$k=-1$ のとき、与式は
\begin{align*} \quad y &= x^{2} +2x -\left(-1 \right) \\[ 7pt ] &= x^{2} +2x+1 \end{align*}これを平方完成すると
\begin{align*} \quad y = \left(x+1 \right)^{2} \end{align*}この関数のグラフは、頂点が $\left(-1 \ , \ 0 \right)$ の放物線となる。
頂点の座標から、グラフがx軸と接することが分かります。
第3問のポイントと解答例をまとめると以下のようになります。
第3問は応用的な問題です。2次関数・2次方程式・グラフの関係が相互に繋がっていないと解くのが難しいでしょう。入試レベルになると頻繁に出題されるので、しっかりマスターしましょう。
3者の立場に応じて言い換えるので、感覚としては伝言ゲームのような感じ。一方向の関係だけでなく、双方向の関係で理解しておこう。
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さいごに、もう一度、頭の中を整理しよう
- 実数解の個数は共有点の個数に等しい。
- 判別式の値が分かれば、実数解の個数だけでなく、共有点の個数も分かる。
- 判別式は、2次方程式を導出してから使う。
- 実数解の個数や共有点の個数は、判別式の条件と関連付けておく。