図形の性質|多面体について

今回は多面体について学習しましょう。
この単元も直接的に出題されることが少ない単元です。この単元からの出題であれば、知識だけで解ける問題がほとんどではないかと思います。ただ、実際は面積や体積などに派生した問題に発展するので、知らなくて良いわけではありません。
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数学1・A|2017センター試験・第5問を解いてみよう
多面体
多面体とは、立方体や三角錐のように、いくつかの平面で囲まれた立体のことです。この単元では、主に正多面体とオイラーの多面体定理について学習します。
正多面体の定義
へこみのない多面体(凸多面体と言う)のうち、各面が合同な正多角形で、各頂点に集まる面の数が同じであるものを正多面体と言います。
へこみのない多面体において、以下の条件を満たす立体のこと。
- すべての面が合同な正多角形である
- すべての頂点に集まる面の数が同じある
正多面体の種類
正多面体には、正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体の5種類あります。
正六面体は立方体の方が分かりやすいかもしれません。また、正四面体から正八面体までは、空間図形の問題でも扱うので、馴染みのある立体かもしれません。
このような正多面体では、面の形や面の数などがすでに分かっています。
種類 | 面の形 | 面の数 | 頂点の数 | 辺の数 |
---|---|---|---|---|
正4面体 | 正3角形 | 4 | 4 | 6 |
正6面体 | 正方形 | 6 | 8 | 12 |
正8面体 | 正3角形 | 8 | 6 | 12 |
正12面体 | 正5角形 | 12 | 20 | 30 |
正20面体 | 正3角形 | 20 | 12 | 30 |
似たような数字が出てくるので間違えないようにしましょう。セットにして覚えるのは、正六面体と正八面体、正十二面体と正二十面体です。
正多面体についての一覧は以下のようになります。
オイラーの多面体定理
多面体の頂点、辺、面の数について以下の関係が成り立ちます。
\begin{align*}
&\quad \bigl( \text{頂点の数} \bigr) \ – \bigl( \text{辺の数} \bigr) + \bigl( \text{面の数} \bigr) = 2 \\[ 5pt ]
&\text{または} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl( \text{頂点の数} \bigr) + \bigl( \text{面の数} \bigr) = \bigl( \text{辺の数} \bigr) + 2
\end{align*}
このような関係、または関係式をオイラーの多面体定理と言います。オイラーの多面体定理は、オイラーの多面体公式とも言われます。確認してみると分かりますが、どの正多面体でもオイラーの多面体定理が成り立っています。
あとでオイラーの多面体定理を扱った問題を解いてみますが、この式を使うだけなのですぐに慣れると思います。
これまでのまとめです。
次は多面体を扱った問題を実際に解いてみましょう。