2次関数|2次不等式の解法について(基本編)
2次不等式を扱った問題を解いてみよう
次の問題を解いてみましょう。
問1の解答・解説
問1
次の $2$ 次不等式を解け。
\begin{align*} \quad \left(x-2 \right)\left(x-3 \right) \gt 0 \end{align*}2次不等式の左辺を良く観察しましょう。すでに左辺が因数分解されています。
また、2次の項の係数は正の数(展開してみよう)なので、下に凸のグラフを作図して考えます。
グラフ・値域・共有点のx座標の情報をもとに定義域、すなわち2次不等式の解を求めます。
問1の解答例
\begin{align*} \quad \left(x-2 \right)\left(x-3 \right) \gt 0 \end{align*}より、求める解は
\begin{align*} \quad x \lt 2 \ , \ x \lt 3 \end{align*}図示なしでも解けそうな易しい問題ですが、グラフとの関係を意識するために図示してから解きましょう。
問2の解答・解説
問2
次の $2$ 次不等式を解け。
\begin{align*} \quad x^{2}-3x-4 \leqq 0 \end{align*}2次不等式の左辺をよく観察しましょう。
左辺を見ると、2次の項の係数は正の数(展開すると分かる)なので、下に凸のグラフで考えます。また、左辺を因数分解できるか確認します。
左辺を因数分解できるので、与式をそのまま利用して解きます。
問2の解答例
\begin{align*} \quad x^{2}-3x-4 \leqq 0 \end{align*}与式の左辺を変形して
\begin{align*} \quad \left(x+1 \right)\left(x-4 \right) \leqq 0 \end{align*}よって、求める解は
\begin{align*} \quad -1 \leqq x \leqq 4 \end{align*}左辺を因数分解できれば、問1と同じ流れで解くことができます。
式を見て、因数分解できるかどうかを素早く判断しよう。
問3の解答・解説
問3
次の $2$ 次不等式を解け。
\begin{align*} \quad x^{2}-3x+1 \geqq 0 \end{align*}2次不等式の左辺をよく観察しましょう。2次の項の係数が正の数であるので、下に凸のグラフを用いて考えます。
また、左辺を因数分解できるか確認します。残念ながら、左辺を因数分解できないようです。
因数分解が無理であれば、2次方程式を作りましょう。そして、解の公式を利用して2次方程式を解き、グラフとx軸との共有点のx座標を求めます。
問3の解答例 1⃣
\begin{align*} \quad x^{2}-3x+1 \geqq 0 \end{align*}与式より
\begin{align*} \quad x^{2}-3x+1 = 0 \end{align*}とおいて、これを解くと
\begin{align*} \quad x &= \frac{-(-3) \pm \sqrt{\left(-3 \right)^{2}-4 \cdot 1 \cdot 1}}{2 \cdot 1} \\[ 7pt ] &=\frac{3 \pm \sqrt{5}}{2} \end{align*}解の公式が使えるのは、2次方程式の解を求めるときです。解の公式を利用すると2次方程式の解が得られるので、グラフと共有点のx座標が分かります。
2次不等式の左辺を因数分解できないときは、2次方程式を作って解の公式を利用。
グラフ・値域・共有点のx座標の情報をもとに定義域、すなわち2次不等式の解を求めます。もちろん、一般化された関係が分かっているので慣れたらそちらで解きましょう。
問3の解答例 2⃣
\begin{align*} \quad x^{2}-3x+1 \geqq 0 \end{align*} \begin{align*} \quad \vdots \end{align*} \begin{align*} \quad x &= \frac{-(-3) \pm \sqrt{\left(-3 \right)^{2}-4 \cdot 1 \cdot 1}}{2 \cdot 1} \\[ 7pt ] &=\frac{3 \pm \sqrt{5}}{2} \end{align*}よって、求める解は
\begin{align*} \quad x \leqq \frac{3 – \sqrt{5}}{2} \ , \ \frac{3 + \sqrt{5}}{2} \leqq x \end{align*}問3のポイントと解答例をまとめると以下のようになります。
ここでで扱った2次不等式の解法は、基本的な解法です。基本的な解法では、不等式の左辺を因数分解できるかどうかがポイントです。
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2次関数は、高校数学で学習する関数の中で最も基本的なものです。ですから、苦手意識をもたないようにしっかりと取り組んでおいた方が良いでしょう。
参考書や問題集を上手に利用しましょう。その他にも以下のような教材があります。
大事なことは、自分に合った教材を徹底的に活用することです。どの教材を選ぶにしても、自分の目で中身を確認し、納得してから購入することが大切です。
さいごに、もう一度、頭の中を整理しよう
- 2次不等式は2次関数と値域に置き換えて解く。
- 2次不等式の解は、2次関数に置き換えたときの値域に対応する定義域になる。
- 定義域は、グラフとx軸との共有点のx座標が関わっている。
- グラフとx軸との共有点のx座標は、関数においてy=0のときの2次方程式の解。