複素数と方程式|余りの決定について

今回は、余りの決定について学習しましょう。ここでは、整式の割り算で出てくる余りについて考えます。この余りを決定するときにも剰余の定理を利用します。
整式の割り算
整式に限りませんが、割り算の問題では、割り算の基本公式を利用することがほとんどです。割り算の基本公式とは、商や余りを用いてもとの数や式を表した式です。
割り算の基本公式
割られる整式Aは、割る整式B、商Q、余りRの3つを用いて表されます。特に、余りの条件は、余りを決定する問題では必須なので、きちんと覚えておきましょう。
余りと割る式の次数の関係
たとえば、割る式が2次式であれば、余りは1次式または定数、つまり1次式以下となります。
余りを決定してみよう
次の例題を考えてみましょう。
例題
例題の解答・解説
整式がないと式の値を求めることができません。そうなると、剰余の定理を利用して、1次式で割った余りを調べることができません。
最初にすべきことは、割り算の基本公式を利用して、整式を商や余りで表すことです。
例題の解答例 1⃣
求めるものは2次式で割ったときの余りです。ですから、余りは1次式以下となるように定義します。
定義した余りには、2つの定数a,bが用いられています。これらの値を求めることが、余りを求めることになります。そのためには、定数a,bについての方程式が2つ必要です。
整式を1次式で割ったときの余りについて、2つの情報が与えられています。上手に活用すれば方程式を2つ用意できそうです。これらについて剰余の定理を利用します。
剰余の定理から、整式を1次式x-1で割ったときの余りは、整式にx=1を代入した式の値に等しくなります。
例題の解答例 2⃣
同じように剰余の定理から、整式を1次式2x+1で割ったときの余りは、整式にx=-1/2を代入した式の値に等しくなります。
例題の解答例 3⃣
定数a,bについての方程式を2つ導くことができました。これらを連立して解きます。
例題の解答例 4⃣
余りを決定する問題は、割り算の基本公式と剰余の定理を組み合わせた問題です。剰余の定理を利用するために、整式を商や余りを用いて表せるようになっておきましょう。
次は、余りの決定を扱った問題を実際に解いてみましょう。