運用力を鍛える英文法基礎【第10回】
問10の訂正例
【問10】日本語訳を参考に、次の英文の文法的な誤りを直しなさい。
The children were happy because they were taken good care.
「子供たちは面倒をよく見てもらったので幸せだった」
※英文には文法的な誤りがあります
日本語訳をもう少し英文に合わせた形に言い換えてみます。
日本語訳を英文に合わせる
「子供たちは面倒をよく見てもらっていたので幸せだった」
⇒「子供たちは幸せだった。なぜなら、彼らは面倒をよく見てもらったからだ。」
本来ならば、英文を見て要素を考えていくのがふつうですが、せっかく日本語訳があるので上手に利用します。
言い換えた日本語訳から分かるように、主述関係が2組、言い換えると主語と述語動詞をもつ節が2つあることが分かります。
2つの節は接続詞「because」によってつながれています。because以下の節を従属節、他方の節を主節と言います。2つの節の要素を確認すると、従属節の方が句動詞を用いた受動態になっています。ここに注目すれば、間違いに気付くことができるでしょう。
問10の英文を文法的に正しい英文に直すと以下のようになります。
【問10】の訂正例
× they were taken good care
〇 they were taken good care of
訂正例の要素は以下の通りです。
訂正例の要素
【主節】
The children / were / happy
子供たちは / だった / 幸せ
- S+Vi+C:第2文型(SVC)
- 主語(S):The children
- 述語動詞(Vi):were
- 補語(C):happy
【理由を表す従属節】
[ because ] they / were taken ( good ) care of.
[ なぜなら ] / 彼らは / 面倒を(よく)見てもらったからだ
- because+S+Vi:because+第1文型(SV)
- 従位接続詞:because
- 主語(S):they
- 述語動詞(Vi):were taken ( good ) care of
- 形容詞的修飾語句:good【care を修飾】
前置詞を伴う句動詞の場合、受動態の文にするとよく前置詞を忘れてしまいます。問10はそこをついた問題です。「take care of」という前置詞までが句動詞なので、前置詞を忘れないようにしましょう。
第9回と第10回のまとめ
第9回と第10回には共通のテーマがあります。動詞と文型の関係の中でも「句動詞とそのタイプについて知る」ということです。
知識が定着しているかの確認のために、以下の事柄について確認しましょう。
- 句動詞【第9回】
- 「自動詞+前置詞」と「他動詞+副詞」の区別【第9回】
- 「他動詞+名詞句+前置詞」の句動詞【第10回】
- 名詞を含む句動詞の受動態【第10回】
- 他動詞の自動詞用法【第10回】
他にも色々ありましたが、テーマに沿った内容が定着していれば最初のステップはクリアしたと考えて良いでしょう。
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