図形と方程式|円と直線の位置関係について

数学2

図形と方程式 円、円と直線、2つの円

円と直線の位置関係を扱った問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。

\begin{align*} &\text{円} \ x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}}-4x-6y+9=0 \ \cdots \text{①} \\[ 5pt ] &\text{直線} \ y=kx+2 \ \cdots \text{②} \\[ 5pt ] &\text{円①と直線②が共有点をもつような、定数 $k$ の値の範囲を求めよ。} \end{align*}

問の解答・解説

円と直線が共有点をもつことが条件です。共有点の個数が言及されていません。つまり、共有点は1個でも2個でも良いということです。

例題と同じ要領で解きましょう。円と直線の方程式を連立させて2次方程式を導出します。

問の解答例 1⃣

\begin{align*} &\text{円} \ x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}}-4x-6y+9=0 \ \cdots \text{①} \\[ 5pt ] &\text{直線} \ y=kx+2 \ \cdots \text{②} \\[ 5pt ] &\text{②を①に代入して整理すると} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}+\left( kx+2 \right)^{\scriptsize{2}}-4x-6 \left( kx+2 \right)+9=0 \\[ 5pt ] &\quad \left( k^{\scriptsize{2}}+1 \right)x^{\scriptsize{2}}-2\left( k+2 \right)x+1=0 \end{align*}

文字xについての2次方程式を導出できました。係数を整理するときにミスがないようにしましょう。次に、2次方程式の判別式を導出します。

問の解答例 2⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 5pt ] &\quad \left( k^{\scriptsize{2}}+1 \right)x^{\scriptsize{2}}-2\left( k+2 \right)x+1=0 \\[ 5pt ] &\text{判別式を $D$ とすると} \\[ 5pt ] &\quad \frac{D}{4}=\bigl\{-\left(k+2 \right) \bigr\}^{\scriptsize{2}}-\left( k^{\scriptsize{2}}+1 \right) \cdot 1 \\[ 5pt ] &\text{整理すると} \\[ 5pt ] &\quad \frac{D}{4}=\left(k+2 \right)^{\scriptsize{2}}-\left( k^{\scriptsize{2}}+1 \right) \\[ 5pt ] &\qquad =4k+3 \end{align*}

判別式の値が0以上であれば、2次方程式が重解、または異なる2つの実数解をもちます。このとき、円と直線は共有点を1個または2個もつ、言い換えると円と直線は1点で接する、または異なる2点で交わります

円と直線が共有点をもつ

=円と直線が共有点を1個、または2個もつ

=2次方程式が1つ、または2つの実数解をもつ

=2次方程式の判別式の値は0以上(D≧0)

判別式の値が0以上であることを条件にして、定数kについての不等式を導出します。

問の解答例 3⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 5pt ] &\quad \frac{D}{4}=4k+3 \\[ 5pt ] &\text{円①と直線②が共有点をもつための条件は} \\[ 5pt ] &\quad D \geqq 0 \\[ 5pt ] &\text{であるので、} \\[ 5pt ] &\quad 4k+3 \geqq 0 \\[ 5pt ] &\text{よって、} \\[ 5pt ] &\quad k \geqq -\frac{3}{4} \end{align*}

2次方程式や判別式をミスなく導出できれば、作図なしでも解けます。

問の別解例

別解では、円の中心と直線の距離と円の半径との大小関係を利用します。円の中心と半径が必要なので、円の方程式を一般形から基本形に変形します。

問の別解例 1⃣

\begin{align*} &\quad x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}}-4x-6y+9=0 \ \cdots \text{①} \\[ 5pt ] &\text{①を変形すると} \\[ 5pt ] &\quad \left(x-2 \right)^{\scriptsize{2}}-4+\left(y-3 \right)^{\scriptsize{2}} -9+9=0 \\[ 5pt ] &\quad \left(x-2 \right)^{\scriptsize{2}}+\left(y-3 \right)^{\scriptsize{2}}=4 \\[ 5pt ] &\text{よって、} \\[ 5pt ] &\text{円の中心 $( 2 \ , \ 3 )$} \\[ 5pt ] &\text{円の半径 $2$} \end{align*}

余談になりますが、作図のために直線が通る定点も調べておきます。定数kについて整理して、恒等式の性質を利用します。

直線②が通る定点を調べる

\begin{align*} &\quad y=kx+2 \ \cdots \text{②} \\[ 5pt ] &\text{直線②の方程式を $k$ について整理すると} \\[ 5pt ] &\quad kx+(-y+2)=0 \\[ 5pt ] &\text{この等式が $k$ の値にかかわらず成り立つには} \\[ 5pt ] &\quad x=0 \ \text{かつ} \ -y+2=0 \\[ 5pt ] &\text{よって、} \\[ 5pt ] &\quad x=0 \ , \ y=2 \\[ 5pt ] &\text{したがって、直線②はつねに} \\[ 5pt ] &\quad (0 \ , \ 2) \\[ 5pt ] &\text{を通る。} \end{align*}

少し堅苦しくなりましたが、この点のy座標は、実は切片です。式から分かるように、切片が一定で傾きが変わるのが直線②です。ですから、直線②は、傾きが変わっても点(0,2)をつねに通ります。

図は以下のようになります。

円と直線の位置関係 問の図1
問の図1

本題に戻ります。点と直線の距離の公式を利用して、中心と直線の距離を求めます。この距離が半径に等しくなるか、あるいは半径よりも小さくなるかすれば、円と直線が共有点をもちます。

問の別解例 2⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 5pt ] &\text{②を変形すると} \\[ 5pt ] &\quad kx-y+2=0 \\[ 5pt ] &\text{また、円①の中心と直線②の距離を $d$ とする。} \\[ 5pt ] &\text{円①と直線②が共有点をもつための条件は} \\[ 5pt ] &\quad d \leqq 2 \\[ 5pt ] &\text{距離 $d$ は} \\[ 5pt ] &\quad d=\frac{|k \cdot 2-3+2|}{\sqrt{k^{\scriptsize{2}}+\left( -1 \right)^{\scriptsize{2}}}} \\[ 5pt ] &\quad \ =\frac{|2k-1|}{\sqrt{k^{\scriptsize{2}}+1}} \\[ 5pt ] &\text{であるので、} \\[ 5pt ] &\quad \frac{|2k-1|}{\sqrt{k^{\scriptsize{2}}+1}} \leqq 2 \end{align*}

あとは、不等式を変形して、定数kの値の範囲を求めます。

問の別解例 3⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 5pt ] &\quad \frac{|2k-1|}{\sqrt{k^{\scriptsize{2}}+1}} \leqq 2 \\[ 5pt ] &\text{ここで、} \\[ 5pt ] &\quad \sqrt{k^{\scriptsize{2}}+1} \gt 0 \\[ 5pt ] &\text{であるので、これを両辺に掛けると} \\[ 5pt ] &\quad |2k-1| \leqq 2 \cdot \sqrt{k^{\scriptsize{2}}+1} \\[ 5pt ] &\text{両辺は負ではないので $2$ 乗して} \\[ 5pt ] &\quad \left( 2k-1 \right)^{\scriptsize{2}} \leqq 4 \left( k^{\scriptsize{2}}+1 \right) \\[ 5pt ] &\text{整理すると、} \\[ 5pt ] &\quad 4k^{\scriptsize{2}}-4k+1 \leqq 4k^{\scriptsize{2}}+4 \\[ 5pt ] &\quad -4k-3 \leqq 0 \\[ 5pt ] &\text{よって、} \\[ 5pt ] &\quad k \geqq -\frac{3}{4} \end{align*}

不等式の変形では不等号の向きに注意しましょう。両辺に掛けるものの正負も重要です。

定数kの値の範囲が閉じていないのは理由があります。作図すると分かるように、円に接する直線にはy軸があります。例題のように、円と直線が共有点をもつ範囲は、2つの接線の間になります。ですから、定数kの値の範囲も閉じた範囲になると考えたくなります。

そこで、与えられた直線の式でy軸(x=0)を表すことができるのかを考えてみましょう。

円と直線の位置関係 問の図2
問の図2

定数kの値を大きくしていくと、直線の傾きが大きくなります。すると、直線は点(0,2)を中心にして右下がりから右上がりの直線になります。これを続けていくと、直線は徐々にy軸に近づいていきます。

直線がy軸に近づいていきますが、それでもy軸と重なることはありません。それに加えて、定数kの値をどこまで大きくして良いか言えないので、定数kの最大値を決めることができません。ですから、定数kの値の範囲は閉じた範囲にならず、最小値以上であれば良いということになります。

与えられた直線の式y=kx+2では、どんなに頑張ってもy軸(x=0)を表すことはできない。

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さいごにもう一度まとめ

  • 円と直線の位置関係は3パターン。
  • 作図して円と直線の位置関係を把握しよう。
  • 円と直線の位置関係は直線が円に接するときを考えよう。
  • 円と直線の共有点の個数は、円と直線の方程式から得た2次方程式の判別式の値で決まる。
  • 円の中心と直線の距離と円の半径との大小関係でも良い。計算の負担が比較的少ない。