複素数と方程式|2次方程式の係数と2つの解の符号について

2次方程式の係数と2つの解の符号を扱った問題を解いてみよう
次の問題を解いてみましょう。
問
定数 a は2次方程式の係数や定数項に含まれています。問では、解の符号が条件となっています。解と係数をつなぐのは、解と係数の関係です。
問(1)の解答・解説
問(1)
2次方程式の解が異なる2つの正の解となる条件を書き出します。
問(1)の解答例 1⃣
重解を含まないことに注意しましょう。3つの条件から、定数aについての式を導きます。②,③式では、解と係数の関係を利用します。
問(1)の解答例 2⃣
定数aについての式を3つ導くことができました。定数aは、これらをすべて満たさなければなりません。そこで、3つの範囲の共通部分を求めます。範囲の共通部分を探すときは、数直線を利用しましょう。
3つの範囲の共通部分なので、横線が3つ重なる範囲を探します。
問(1)の解答例 3⃣
問(1)の別解例
2次関数のグラフを利用すると、以下のようになります。
図示したグラフを見ながら、2次方程式の解が異なる2つの正の解となる条件を書き出します。
2次方程式の解が異なる2つの正の解となるのは、グラフがx軸の正の部分と異なる2点で交わるときです。
問(1)の別解例
2つの解の和と積を見かけたら、解と係数の関係を利用しよう。
問(2)の解答・解説
問(2)
問(1)と同じ要領で解きます。2次方程式の解が異符号の解となる条件を書き出します。
問(2)の解答例 1⃣
この条件から、定数aについての式を導きます。式が1つだけなので、ミスなく変形しましょう。
問(2)の解答例 2⃣
問(2)は、実数解の符号に関する問題の中でも解きやすいので、必ず完答しましょう。
問(2)の別解例
2次関数のグラフを利用すると、以下のようになります。
図示したグラフを見ながら、2次方程式の解が異符号の解となる条件を書き出します。
2次方程式の解が異符号の解となるのは、グラフがy軸の負の部分と交わるときです。y軸の負の部分と交わりさえすれば、グラフはx軸の正の部分と負の部分とで1点ずつ交わります。
問(2)の別解例
2次方程式は、2次関数においてy=0のときの式です。つまり、2次方程式は、2次関数の一部であると言えます。ですから、グラフを用いることは、決して無駄なことではありません。
可視化されるので、イメージが湧きやすく、内容読解の助けにもなります。問題を解く見通しが立たないときには、グラフを利用しながら考えてみましょう。
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さいごにもう一度まとめ
- 2次方程式の係数と2つの解の符号では、解と係数の関係を利用しよう。
- 2次方程式の2つの解の符号についての条件は、2つの解の和と積から導こう。
- 2次方程式の2つの解の符号についての条件は、グラフを用いると書き出しやすい。
- 2次方程式の2つの解の符号の組み合わせは全部で3通り。