複素数と方程式|2次方程式の係数と2つの解の符号について

09/05/2019数学2判別式,係数,複素数と方程式,2次方程式,解の符号

2次方程式の係数と2つの解の符号を扱った問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。


\begin{align*}
&\text{2次方程式 $x^{\scriptsize{2}}+2(a-3)x+a+3=0$ の解が次の条件を} \\[ 5pt ]
&\text{満たすような定数 $a$ の値の範囲をそれぞれ求めよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad \text{異なる2つの正の解をもつ} \\[ 7pt ]
&(2) \quad \text{異符号の解をもつ}
\end{align*}

定数 a は2次方程式の係数や定数項に含まれています。問では、解の符号が条件となっています。解と係数をつなぐのは、解と係数の関係です。

問(1)の解答・解説

問(1)
\begin{align*}
&\text{2次方程式 $x^{\scriptsize{2}}+2(a-3)x+a+3=0$ の解が次の条件を} \\[ 5pt ]
&\text{満たすような定数 $a$ の値の範囲をそれぞれ求めよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad \text{異なる2つの正の解をもつ}
\end{align*}

2次方程式の解が異なる2つの正の解となる条件を書き出します。

問(1)の解答例①
\begin{align*}
&\text{2次方程式の2つの解を $\alpha \ , \ \beta$、判別式を $D$ とする。} \\[ 5pt ]
&\text{2次方程式が異なる2つの正の解をもつためには} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{D}{4} \gt 0 \quad \text{…①} \\[ 7pt ]
&\quad \alpha+\beta \gt 0 \quad \text{…②} \\[ 7pt ]
&\quad \alpha \beta \gt 0 \quad \text{…③} \\[ 7pt ]
&\text{が成り立てばよい。}
\end{align*}

重解を含まないことに注意しましょう。3つの条件から、定数 a についての式を導きます。②式と③式では、解と係数の関係を利用します。

問(1)の解答例②
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\text{①より} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl(a-3 \bigr)^{\scriptsize{2}}-\bigl(a+3 \bigr) \gt 0 \\[ 7pt ]
&\text{これを解くと} \\[ 5pt ]
&\quad a^{\scriptsize{2}}-7a+6 \gt 0 \\[ 7pt ]
&\quad \bigl(a-1 \bigr) \bigl(a-6 \bigr) \gt 0 \\[ 7pt ]
&\quad a \lt 1 \ , \ 6 \lt a \quad \text{…④} \\[ 7pt ]
&\text{②より} \\[ 5pt ]
&\quad -2\bigl(a-3 \bigr) \gt 0 \\[ 7pt ]
&\text{これを解くと} \\[ 5pt ]
&\quad a \lt 3 \quad \text{…⑤} \\[ 7pt ]
&\text{③より} \\[ 5pt ]
&\quad a+3 \gt 0 \\[ 7pt ]
&\text{これを解くと} \\[ 5pt ]
&\quad -3 \lt a \quad \text{…⑥} \\[ 7pt ]
\end{align*}

定数 a についての式を3つ導くことができました。定数 a は、これらをすべて満たさなければならないので、範囲の共通部分を求めます。範囲の共通部分を探すときは、数直線を利用すると良いでしょう。

3つの範囲の共通部分なので、共通部分は横線が3つ重なる範囲です。

問(1)の解答例③
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\text{④,⑤,⑥より共通範囲を求めると、定数 $a$ の値の範囲は} \\[ 5pt ]
&\quad -3 \lt a \lt 1
\end{align*}

問(1)の別解例

2次関数のグラフを利用すると、以下のようになります。

図示したグラフを見ながら、2次方程式の解が異なる2つの正の解となる条件を書き出します。

問(1)の別解例
\begin{align*}
&\text{$f(x)=x^{\scriptsize{2}}+2(a-3)x+a+3$ のグラフを利用すると} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{D}{4}=\bigl(a-1 \bigr) \bigl(a-6 \bigr) \gt 0 \quad \text{…①} \\[ 7pt ]
&\quad \text{軸} \quad x=-2\bigl(a-3 \bigr) \gt 0 \quad \text{…②} \\[ 7pt ]
&\quad f(0)=a+3 \gt 0 \quad \text{…③} \\[ 7pt ]
&\text{が成り立てばよい。} \\[ 5pt ]
&\text{①,②,③より共通範囲を求めると、定数 $a$ の値の範囲は} \\[ 5pt ]
&\quad -3 \lt a \lt 1
\end{align*}
2つの解の和と積を見かけたら、解と係数の関係を利用しよう。

問(2)の解答・解説

問(2)
\begin{align*}
&\text{2次方程式 $x^{\scriptsize{2}}+2(a-3)x+a+3=0$ の解が次の条件を} \\[ 5pt ]
&\text{満たすような定数 $a$ の値の範囲をそれぞれ求めよ。} \\[ 5pt ]
&(2) \quad \text{異符号の解をもつ}
\end{align*}

問(1)と同じ要領で解きます。2次方程式の解が異符号の解となる条件を書き出します。

問(2)の解答例①
\begin{align*}
&\text{2次方程式が異符号の解をもつためには} \\[ 5pt ]
&\quad \alpha \beta \lt 0 \quad \text{…⑦} \\[ 7pt ]
&\text{が成り立てばよい。}
\end{align*}

この条件から、定数 a についての式を導きます。式が1つだけなので、ミスなく変形しましょう。

問(2)の解答例②
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\text{⑦より} \\[ 5pt ]
&\quad a+3 \lt 0 \\[ 7pt ]
&\text{これを解くと} \\[ 5pt ]
&\quad a \lt -3 \\[ 7pt ]
&\text{したがって、定数 $a$ の値の範囲は} \\[ 5pt ]
&\quad a \lt -3
\end{align*}

問(2)は、実数解の符号に関する問題の中でも解きやすいので、必ず完答しましょう。

問(2)の別解例

2次関数のグラフを利用すると、以下のようになります。

図示したグラフを見ながら、2次方程式の解が異符号の解となる条件を書き出します。

問(2)の別解例
\begin{align*}
&\text{$f(x)=x^{\scriptsize{2}}+2(a-3)x+a+3$ のグラフを利用すると} \\[ 5pt ]
&\quad f(0)=a+3 \lt 0 \quad \text{…⑦} \\[ 7pt ]
&\text{が成り立てばよい。} \\[ 5pt ]
&\text{⑦より、定数 $a$ の値の範囲は} \\[ 5pt ]
&\quad a \lt -3
\end{align*}

2次方程式は、2次関数の式において、y =0 のときの式です。つまり、2次関数の一部であると言えます。ですから、グラフを用いることは、決して無駄なことではありません。可視化されるので、イメージが湧きやすく、内容の読解の助けにもなります。問題を解く見通しが立たないときには、グラフを利用しながら考えてみましょう。

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さいごにもう一度まとめ

  • 2次方程式の係数と2つの解の符号では、解と係数の関係を利用しよう。
  • 2次方程式の2つの解の符号についての条件は、2つの解の和と積から導こう。
  • 2次方程式の2つの解の符号についての条件は、グラフを用いると書き出しやすい。
  • 2次方程式の2つの解の符号の組み合わせは全部で3通り。