複素数と方程式|2つの解の関係をもとにした係数の決定について(応用)

09/03/2019数学2複素数と方程式,2次方程式,解と係数の関係

今回は、2つの解の関係をもとにした係数の決定について学習しましょう。すでに学習済みの単元ですが、先の内容を基本とすると、こちらは応用となります。

応用になると、複数の2次方程式や複数組の解を扱うようになります。方程式と解の対応関係を整理しながら解くことが大切です。

2次方程式の解と係数の関係

2次方程式の解を扱った問題になると、解と係数の関係をよく利用します。解と係数の関係とは、2次方程式の解と係数の関係を表す式のことです。

解と係数の関係

\begin{align*} &\text{$2$ 次方程式} \\[ 5pt ] &\quad ax^{\scriptsize{2}}+bx+c=0 \\[ 7pt ] &\text{の $2$ つの解を} \\[ 5pt ] &\quad \alpha \ , \ \beta \\[ 7pt ] &\text{とおくと} \\[ 5pt ] &\quad \alpha + \beta = -\frac{b}{a} \\[ 7pt ] &\quad \alpha \beta = \frac{c}{a} \\[ 7pt ] &\text{これは、$\alpha \neq \beta$ に限らず、$\alpha = \beta$} \\[ 5pt ] &\text{(重解)のときも成り立つ。} \end{align*}

2つの解の和や積は、2次方程式の係数や定数項を用いて表されます。このことは2次式の因数分解の内容も合わせれば、より理解が進むでしょう。

上述のように、2次方程式の解には、一般的にαとβが用いられます。ですから、αやβの文字を見かけたり、2次方程式の解が係数や定数項と関わる内容だったりすれば、解と係数の関係を強く意識しましょう。

例題を解いてみよう

それではさっそく例題を解いてみましょう。

例題

\begin{align*} &\text{$a \lt b$ とする。$2$ 次方程式} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}+ax+b=0 \\[ 7pt ] &\text{の $2$ つの解の和と積が、$2$ 次方程式} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}+bx+a=0 \\[ 7pt ] &\text{の $2$ つの解である。} \\[ 5pt ] &\text{このとき、定数 $a \ , \ b$ の値を求めよ。} \end{align*}

例題では、2つの2次方程式が与えられています。また、それぞれの方程式の解も与えられています。

注意したいのは、与えられた方程式と解の対応関係を間違わないことです。

例題の解答・解説

応用的な問題になると、内容を正しく読み取る読解力も必要になります。これは数学というよりも国語の力になります。国語の力はどの科目にも影響を与えるので、しっかり学習しましょう。

問題を解く前に、内容をしっかりと整理しておきましょう。

与えられた情報を整理しよう

  • 2次方程式が2つある。
  • 2次方程式x2+ax+b=0は2つの解(α,βとする)をもつ。
  • 2次方程式x2+bx+a=0も2つの解をもつ。
  • 2つの解は、先の2つの解α,βの和と積、つまりα+β,αβ。
  • 求めたいのは、定数a,bの値。

自分なりに箇条書きにしてみると、頭の中がクリアになります。2次方程式を2つ扱っているので、それぞれに対応する解を間違わないようにしましょう。

定数a,bは2次方程式の係数や定数項です。また、2つの2次方程式は、2つの解でつながっています。

解と係数が話題になっているので、それぞれの程式について、解と係数の関係を書き出してみましょう。

例題の解答例 1⃣

\begin{align*} &\quad x^{\scriptsize{2}}+ax+b=0 \quad \cdots \text{①} \\[ 7pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}+bx+a=0 \quad \cdots \text{②} \\[ 7pt ] &\text{①の解を $\alpha \ , \ \beta$ とおく。} \\[ 5pt ] &\text{①について、解と係数の関係より} \\[ 5pt ] &\quad \alpha+\beta=-a \quad \cdots \text{③} \\[ 7pt ] &\quad \alpha \beta=b \quad \cdots \text{④} \\[ 7pt ] &\text{また、②の解は、$\alpha+\beta \ , \ \alpha \beta$ となるので} \\[ 5pt ] &\text{解と係数の関係より} \\[ 5pt ] &\quad \left(\alpha+\beta \right)+\alpha \beta=-b \quad \cdots \text{⑤} \\[ 7pt ] &\quad \left(\alpha+\beta \right) \cdot \alpha \beta=a \quad \cdots \text{⑥} \end{align*}

それぞれの方程式について、解と係数の関係を書き出しました。ここで、求めたいのは定数a,bの値です。

③~⑥式をよく観察すると、αとβを消去できそうです。それができれば、定数a,bについての方程式を導けそうです。

例題の解答例 2⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad \alpha+\beta=-a \quad \cdots \text{③} \\[ 7pt ] &\quad \alpha \beta=b \quad \cdots \text{④} \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad \left(\alpha+\beta \right)+\alpha \beta=-b \quad \cdots \text{⑤} \\[ 7pt ] &\quad \left(\alpha+\beta \right) \cdot \alpha \beta=a \quad \cdots \text{⑥} \\[ 7pt ] &\text{③,④を⑤に代入すると} \\[ 5pt ] &\quad -a+b=-b \\[ 7pt ] &\text{すなわち} \\[ 5pt ] &\quad a-2b=0 \quad \cdots \text{⑦} \\[ 7pt ] &\text{③,④を⑥に代入すると} \\[ 5pt ] &\quad -ab=a \\[ 7pt ] &\text{すなわち} \\[ 5pt ] &\quad a \left(b+1 \right)=0 \quad \cdots \text{⑧} \end{align*}

③~⑥式から定数a,bについての方程式を2つ導くことができました(⑦,⑧式)。

これらを連立して解き、定数a,bの値を求めます。ここでは、代入法ではなく、等式の性質を利用します。

例題の解答例 3⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad a-2b=0 \quad \cdots \text{⑦} \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad a \left(b+1 \right)=0 \quad \cdots \text{⑧} \\[ 7pt ] &\text{⑧より} \\[ 5pt ] &\quad a=0 \quad \text{または} \quad b=-1 \\[ 7pt ] &[1] \ a=0 \ \text{のとき、⑦より} \\[ 5pt ] &\quad b = 0 \\[ 7pt ] &\text{これは $a \lt b$ を満たさないので不適。} \\[ 5pt ] &[2] \ b=-1 \ \text{のとき、⑦より} \\[ 5pt ] &\quad a=-2 \\[ 7pt ] &\text{これは $a \lt b$ を満たす。} \\[ 5pt ] &[1] \ , \ [2] \ \text{から} \\[ 5pt ] &\quad a=-2 \ , \ b=-1 \end{align*}

定数a,bには大小関係(a<b)があります。条件を満たすかどうかを確認しましょう。

等式の性質

\begin{align*} &AB=0 \ \text{のとき} \\[ 5pt ] &\quad A=0 \quad \text{ならば} \quad B=0 \end{align*}

どの問題でもそうですが、難しく感じるのは、情報を整理できていないからです。

そんなときは、問題文を焦らずに何度も読み返しましょう。場合によっては、内容を箇条書きにしてまとめることも必要です。

問題文を眺めているだけではなく、与えられた数や式の対応関係を書き出したり、作図したりなど、情報を整理できるように手を動かすことが大切です。

次は、2つの解の関係をもとにした係数の決定を扱った問題を実際に解いてみましょう。