複素数と方程式|2つの解の関係をもとにした係数の決定について(基本)

08/23/2019数学2複素数と方程式,2次方程式,解と係数の関係

今回は、2つの解の関係をもとにした係数の決定について学習しましょう。

2次方程式が2つの解をもちますが、解自体の具体的な数値は与えられていません。しかし、2つの解の関係が分かっているとします。このような情報をもとにして、2次方程式の係数を決定します。

解と係数を扱うので、やはり解と係数の関係についての知識は必要になります。忘れている人は、先に確認しておきましょう。

2次方程式の解と係数の関係

解と係数の関係とは、2次方程式の2つの解の和と積が、方程式の係数や定数項で表される関係のことです。

解と係数の関係

\begin{align*} &\text{$2$ 次方程式} \\[ 5pt ] &\quad ax^{\scriptsize{2}}+bx+c=0 \\[ 7pt ] &\text{の $2$ つの解を} \\[ 5pt ] &\quad \alpha \ , \ \beta \\[ 7pt ] &\text{とおくと} \\[ 5pt ] &\quad \alpha + \beta = -\frac{b}{a} \\[ 7pt ] &\quad \alpha \beta = \frac{c}{a} \\[ 7pt ] &\text{これは、$\alpha \neq \beta$ に限らず} \\[ 5pt ] &\quad \alpha = \beta \quad \text{(重解)} \\[ 7pt ] &\text{のときも成り立つ。} \end{align*}

2つの解の和や積は、2次方程式の係数や定数項を用いて表されます。また、2つの解とありますが、解と係数の関係は重解でも成り立ちます。

例題を解いてみよう

それではさっそく例題を解いてみましょう。

例題

\begin{align*} &\text{$2$ 次方程式} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}-12x+k=0 \\[ 7pt ] &\text{が次のような解をもつとき、定数 $k$ の} \\[ 5pt ] &\text{値と方程式の解を求めよ。} \\[ 5pt ] &(1) \quad \text{$1$ つの解が他の解の $2$ 倍} \\[ 7pt ] &(2) \quad \text{$1$ つの解が他の解の $2$ 乗} \end{align*}

各問では、2つの解の関係が情報として与えられています。この情報をもとにして、2次方程式の係数や定数項を決定します。

例題では、定数kの値を求めます。定数kは2次方程式の定数項です。

例題(1)の解答・解説

例題(1)

\begin{align*} &\text{$2$ 次方程式} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}-12x+k=0 \\[ 7pt ] &\text{が次のような解をもつとき、定数 $k$ の} \\[ 5pt ] &\text{値と方程式の解を求めよ。} \\[ 5pt ] &\quad \text{$1$ つの解が他の解の $2$ 倍} \end{align*}

2つの解を定義します。一方の解を決めてしまえば、他方の解も決まります。

例題(1)の解答例 1⃣

\begin{align*} &\quad x^{\scriptsize{2}}-12x+k=0 \\[ 7pt ] &\text{$1$ つの解が他の解の $2$ 倍} \\[ 5pt ] &\text{であるので、$2$ つの解は} \\[ 5pt ] &\quad \alpha \ , \ 2\alpha \\[ 7pt ] &\text{と表せる。} \end{align*}

2つの解を定義できたので、解と係数の関係を利用します。すると、α,kについての方程式を2つ導くことができます。

例題(1)の解答例 2⃣

\begin{align*} &\quad x^{\scriptsize{2}}-12x+k=0 \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad \alpha \ , \ 2\alpha \\[ 7pt ] &\text{解と係数の関係より、} \\[ 5pt ] &\left\{ \begin{array}{l} \alpha+2\alpha=-\frac{-12}{1} \\[ 5pt ] \alpha \cdot 2\alpha=\frac{k}{1} \end{array} \right. \\[ 7pt ] &\text{よって} \\[ 5pt ] &\left\{ \begin{array}{l} 3\alpha = 12 \quad \cdots \text{①} \\ 2{\alpha}^{\scriptsize{2}} =k \quad \cdots \text{②} \end{array} \right. \end{align*}

①,②式を連立して解いて、α,kの値を求めます。①式の方から解きます。

例題(1)の解答例 3⃣

\begin{align*} &\quad x^{\scriptsize{2}}-12x+k=0 \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\left\{ \begin{array}{l} 3\alpha = 12 \quad \cdots \text{①} \\ 2{\alpha}^{\scriptsize{2}} =k \quad \cdots \text{②} \end{array} \right. \\[ 7pt ] &\text{①より} \\[ 5pt ] &\quad \alpha = 4 \\[ 7pt ] &\text{これと②より} \\[ 5pt ] &\quad k = 2 \cdot 4^{\scriptsize{2}} = 32 \\[ 7pt ] &\text{また、他の解は} \\[ 5pt ] &\quad 2 \alpha = 2 \cdot 4 = 8 \\[ 7pt ] &\text{よって、$k=32$、$2$ つの解は $4 \ , \ 8$} \end{align*}

他の解は、一方の解の2倍であることに注意しましょう。自分で定義した2つの解を確認しましょう。

また、解と係数の関係は等式で表されるので、これを利用すると方程式を導くことができます。求めたいのはα,kの値なので、方程式が2つ必要です。

例題(2)の解答・解説

例題(2)

\begin{align*} &\text{$2$ 次方程式} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}-12x+k=0 \\[ 7pt ] &\text{が次のような解をもつとき、定数 $k$ の} \\[ 5pt ] &\text{値と方程式の解を求めよ。} \\[ 5pt ] &\quad \text{$1$ つの解が他の解の $2$ 乗} \end{align*}

2つの解の関係が変わっただけなので、例題(1)と同じ要領で解きます。

2つの解を定義します。一方の解が決まれば、他方の解も決まります。

例題(2)の解答例 1⃣

\begin{align*} &\quad x^{\scriptsize{2}}-12x+k=0 \\[ 7pt ] &\text{$1$ つの解が他の解の $2$ 乗} \\[ 5pt ] &\text{であるので、$2$ つの解は} \\[ 5pt ] &\quad \alpha \ , \ {\alpha}^{\scriptsize{2}} \\[ 7pt ] &\text{と表せる。} \end{align*}

2つの解を定義できたので、解と係数の関係を利用します。α,kについての方程式を2つ導くことができます。

例題(2)の解答例 2⃣

\begin{align*} &\quad x^{\scriptsize{2}}-12x+k=0 \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad \alpha \ , \ {\alpha}^{\scriptsize{2}} \\[ 7pt ] &\text{解と係数の関係より、} \\[ 5pt ] &\left\{ \begin{array}{l} \alpha + {\alpha}^{\scriptsize{2}} =-\frac{-12}{1} \\[ 5pt ] \alpha \cdot {\alpha}^{\scriptsize{2}}=\frac{k}{1} \end{array} \right. \\[ 7pt ] &\text{よって} \\[ 5pt ] &\left\{ \begin{array}{l} {\alpha}^{\scriptsize{2}}+\alpha-12 =0 \quad \cdots \text{①} \\ {\alpha}^{\scriptsize{3}} =k \quad \cdots \text{②} \end{array} \right. \end{align*}

①,②式を連立して解いて、α,kの値を求めます。①式の方から解きます。

①式は2次方程式であるので、因数分解したり、解の公式を利用したりして解きます。

例題(2)の解答例 3⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\left\{ \begin{array}{l} {\alpha}^{\scriptsize{2}}+\alpha-12 =0 \quad \cdots \text{①} \\ {\alpha}^{\scriptsize{3}} =k \quad \cdots \text{②} \end{array} \right. \\[ 7pt ] &\text{①より} \\[ 5pt ] &\quad \left(\alpha+4 \right) \left(\alpha-3 \right) = 0 \\[ 7pt ] &\text{よって} \\[ 5pt ] &\quad \alpha = -4 \ , \ 3 \end{align*}

①式を満たすαの値には、-4,3の2通りあります。それぞれの場合に分けて、定数kの値と他の解を求めます。

例題(2)の解答例 4⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\left\{ \begin{array}{l} {\alpha}^{\scriptsize{2}}+\alpha-12 =0 \quad \cdots \text{①} \\ {\alpha}^{\scriptsize{3}} =k \quad \cdots \text{②} \end{array} \right. \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad \alpha = -4 \ , \ 3 \\[ 7pt ] &\text{$\alpha = -4$ のとき、②より} \\[ 5pt ] &\quad k = (-4)^{\scriptsize{3}} = -64 \\[ 7pt ] &\text{$\alpha = 3$ のとき、②より} \\[ 5pt ] &\quad k = 3^{\scriptsize{3}} = 27 \\[ 7pt ] &\text{また、他の解は} \\[ 5pt ] &\quad \alpha = -4 \ \text{のとき} \ {\alpha}^{\scriptsize{2}} = (-4)^{\scriptsize{2}} = 16 \\[ 7pt ] &\quad \alpha = 3 \ \text{のとき} \ {\alpha}^{\scriptsize{2}} = 3^{\scriptsize{2}} = 9 \\[ 7pt ] &\text{よって、} \\[ 5pt ] &\quad k=-64 \ \text{のとき、$2$ つの解は} \ -4 \ , \ 16 \\[ 7pt ] &\quad k=27 \ \text{のとき、$2$ つの解は} \ 3 \ , \ 9 \end{align*}

2つの解の関係を満たすのは、1組だけとは限りません。2つの解の組合せに応じて、定数kの値も変わるので注意しましょう。

2つの解の関係を満たす場合は1組だけとは限らない。

2つの解の表し方

2つの解の関係には色々なパターンがあります。例えば、以下のようなパターンです。

2つの解の関係のパターン

  • 1つが他の平方になっている(例題(2))
  • 2つの解の比が分かっている
  • 2つの解の差が分かっている

どんなパターンであっても、例題のように一方の解を決めると、他方の解も決まります。例えば、2つの解の表し方は以下のようになります。

2つの解の表し方

  • 1つが他の平方になっている …… α,α2
  • 2つの解の比がp:q …… pα,qα
  • 2つの解の差がp …… α,α±p

2つの解をα,βの2種類の文字で表すのではなく、1種類の文字αだけで表します

一般に、文字の種類が増えると、数式の扱いが面倒になるからです。この考え方は、座標の定義でも利用されるので覚えておきましょう。

次は、2つの解の関係をもとにした係数の決定を扱った問題を実際に解いてみましょう。