複素数と方程式|高次式の因数分解について

高次式の因数分解を扱った問題を解いてみよう
次の問題を解いてみましょう。
問
問(1)の解答・解説
問(1)
与式の3次式は、展開や因数分解の公式に当てはまる式ではありません。ですから、与式の因数となる1次式を見つけます。剰余の定理を利用して、余りが0となるxの値を見つけます。
問(1)の解答例 1⃣
x=1のとき式の値が0となるので、剰余の定理から与式を1次式x-1で割った余りが0になります。このとき、因数定理が成り立つので、1次式x-1は与式の因数になります。
因数である1次式が分かったので、組立除法で割り算して商を調べます。組立除法で割り算すると以下のようになります。
組立除法を用いると、与式が3次式なので、2次式の商が得られます。因数定理が成り立つので、余りが0になっていることも分かります。
組立除法の結果から、与えられた整式は、割る1次式と商の積で表されます。
問(1)の解答例 2⃣
商も与式の因数です。商は2次式であるので、もしかすると因数分解できるかもしれません。因数分解できれば、忘れずに因数分解します。
問(1)の解答例 3⃣
2次式以上の整式があれば、因数分解できるかどうかを必ず調べましょう。
問(2)の解答・解説
問(2)
与式の因数となる1次式を見つけます。剰余の定理を利用して、余りが0となるxの値を見つけます。
問(2)の解答例 1⃣
x=1/2のとき式の値が0となるので、剰余の定理から与式を1次式x-1/2で割った余りが0になります。このとき、因数定理が成り立つので、1次式x-1/2は与式の因数になります。
因数である1次式が分かったので、組立除法で割り算して商を調べます。組立除法で割り算すると以下のようになります。ただし、割られる整式には1次の項がないので、その係数は0とします。
組立除法を用いると、与式が3次式なので、2次式の商が得られます。因数定理が成り立つので、余りが0になっていることも分かります。
組立除法の結果から、与えられた整式は、割る1次式と商の積で表されます。
問(2)の解答例 2⃣
商も与式の因数です。商は2次式であるので、もしかすると因数分解できるかもしれません。因数分解できるかを必ず確認しましょう。
問(2)の解答例 3⃣
組立除法では、割る1次式の係数は1です。ですから、因数を考えるとき、割る1次式を2x-1としないように気を付けましょう。
また、有理数の範囲では、商の2次式から共通因数でくくること以外に因数分解できません。
組立除法を用いる解法では、割る1次式の係数は1であることに注意しよう。
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さいごにもう一度まとめ
- 剰余の定理は、整式を1次式で割ったときの余りについての定理。
- 余りが0となるとき、割る1次式は整式の因数(因数定理)。
- 整式の因数の1つが分かれば、その他の因数も分かる。
- 割る式が1次式のとき、組立除法で商と余りを調べることができる。
- 組立除法では、割る1次式の係数は1であることに注意。