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複素数と方程式|高次式の因数分解について

数学2

高次式の因数分解を扱った問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。

次の式を因数分解せよ(1)x3+4x2+x6(2)2x39x2+2

問(1)の解答・解説

問(1)

次の式を因数分解せよx3+4x2+x6

与式の3次式は、展開や因数分解の公式に当てはまる式ではありません。ですから、与式の因数となる1次式を見つけます。剰余の定理を利用して、余りが0となるxの値を見つけます。

問(1)の解答例 1⃣

P(x)=x3+4x2+x6とするとP(1)=13+412+16=0よって、P(x) は x1 を因数にもつ。

x=1のとき式の値が0となるので、剰余の定理から与式を1次式x-1で割った余りが0になります。このとき、因数定理が成り立つので、1次式x-1は与式の因数になります。

因数である1次式が分かったので、組立除法で割り算して商を調べます。組立除法で割り算すると以下のようになります。

組立除法による整式の割り算(3)
問(1)の組立除法

組立除法を用いると、与式が3次式なので、2次式の商が得られます。因数定理が成り立つので、余りが0になっていることも分かります。

組立除法の結果から、与えられた整式は、割る1次式と商の積で表されます。

問(1)の解答例 2⃣

よって、P(x) は x1 を因数にもつ。P(x) を因数分解するとP(x)=(x1)(x2+5x+6)

商も与式の因数です。商は2次式であるので、もしかすると因数分解できるかもしれません。因数分解できれば、忘れずに因数分解します。

問(1)の解答例 3⃣

P(x)=(x1)(x2+5x+6)よってP(x)=(x1)(x+2)(x+3)したがってx3+4x2+x6=(x1)(x+2)(x+3)

2次式以上の整式があれば、因数分解できるかどうかを必ず調べましょう。

問(2)の解答・解説

問(2)

次の式を因数分解せよ2x39x2+2

与式の因数となる1次式を見つけます。剰余の定理を利用して、余りが0となるxの値を見つけます。

問(2)の解答例 1⃣

P(x)=2x39x2+2とするとP(12)=2(12)39(12)2+2=0よって、P(x) は x12 を因数にもつ。

x=1/2のとき式の値が0となるので、剰余の定理から与式を1次式x-1/2で割った余りが0になります。このとき、因数定理が成り立つので、1次式x-1/2は与式の因数になります。

因数である1次式が分かったので、組立除法で割り算して商を調べます。組立除法で割り算すると以下のようになります。ただし、割られる整式には1次の項がないので、その係数は0とします。

組立除法による整式の割り算(4)
問(2)の組立除法

組立除法を用いると、与式が3次式なので、2次式の商が得られます。因数定理が成り立つので、余りが0になっていることも分かります。

組立除法の結果から、与えられた整式は、割る1次式と商の積で表されます。

問(2)の解答例 2⃣

よって、P(x) は x12 を因数にもつ。P(x) を因数分解するとP(x)=(x12)(2x28x4)

商も与式の因数です。商は2次式であるので、もしかすると因数分解できるかもしれません。因数分解できるかを必ず確認しましょう。

問(2)の解答例 3⃣

P(x)=(x12)(2x28x4)よってP(x)=(x12)2(x24x2)よりP(x)=(2x1)(x24x2)したがって2x39x2+2=(2x1)(x24x2)

組立除法では、割る1次式の係数は1です。ですから、因数を考えるとき、割る1次式を2x-1としないように気を付けましょう。

また、有理数の範囲では、商の2次式から共通因数でくくること以外に因数分解できません。

組立除法を用いる解法では、割る1次式の係数は1であることに注意しよう。

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さいごにもう一度まとめ

  • 剰余の定理は、整式を1次式で割ったときの余りについての定理。
  • 余りが0となるとき、割る1次式は整式の因数(因数定理)。
  • 整式の因数の1つが分かれば、その他の因数も分かる。
  • 割る式が1次式のとき、組立除法で商と余りを調べることができる。
  • 組立除法では、割る1次式の係数は1であることに注意。