2次関数|関数の表し方について

今回は関数の表し方についてです。以前の記事で少し取り上げましたが、もう少し詳しく学習しましょう。高校数学で一般的に使う表し方なので、できるだけ早く慣れましょう。
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2つの変数 $x \ , \ y$ の値をセットで扱える表し方がなぜ必要か
関数は2つの変数の関係を表します。2つの変数を扱うので、基本的に式の中には2種類の文字があります。
関数の式で表される変数 $x \ , \ y$ の間には、「変数 $x$ の値が決まると、変数 $y$ の値がただ1つに決まる」という関係がありました。ですから、変数 $x \ , \ y$ の値は2つで1つとして扱う必要があります。
また、そんな関係を利用してグラフを描くこともできます。グラフでは2つの変数 $x \ , \ y$ の値の変化が分かるので、グラフを描くことは関数を扱うときにとても有効な作業です。
たとえば以下のような式が、2つの変数 $x \ , \ y$ の関係を表す関数の式です。
y = {x}^{2} +6x +5
\end{equation*}
式から得られる2つの変数 $x \ , \ y$ の値は、セットで扱われます。セットで扱うときは一般に「 $x= \cdots$ のとき $y= \cdots$ 」という表現で表します。グラフであれば座標で表します。
y = &{x}^{2} +6x +5 \text{において} \\[ 5pt ]
x = &-1 \ \text{のとき} \\[ 5pt ]
&y = {\left( -1 \right)}^{2} +6 \cdot \left( -1 \right) +5 = 0 \\[ 5pt ]
x= &-1 \ \text{のとき} \ y= 0
\end{align*}
しかし、2つの変数 $x \ , \ y$ をセットで扱うとはいえ、いつも「 $x= \cdots$ のとき $y= \cdots$ 」という表し方をするのは煩雑になります。
だからと言って、変数 $x$ の値だけ、あるいは変数 $y$ の値だけではほとんど意味がありません。たとえば、$y=0$ だけでは $x$ がどんな値のときに得られるのか分からないからです。
ですから、式だけで変数 $x$ の値とそれに対する変数 $y$ の値とをセットで扱える表し方が必要になってきます。
変数 $y$ の代わりに $f(x)$ を使う
2つの変数 $x \ , \ y$ の値の関係がより分かるように、$y=f(x)$ とおくことがあります。このようにすると、変数 $y$ の代わりに $f(x)$ を使って表すことができます。
この表し方を使うと、たとえば $x=-1 \ , \ y=0$ であれば、$f(-1)=0$ と表せます。
f(x) = &{x}^{2} +6x +5 \text{において} \\[ 5pt ]
x= &-1 \ \text{のとき} \\[ 5pt ]
&f(-1) = {\left( -1 \right)}^{2} +6 \cdot \left( -1 \right) +5 = 0 \\[ 5pt ]
\therefore \ f(-1) &= 0
\end{align*}
この表し方は、対応する2つの変数 $x \ , \ y$ の値を1つの式で表すことができるのが大きな利点です。また、「 $x= \cdots$ のとき $y= \cdots$ 」という表し方よりも直接的で分かりやすくなります。慣れると、この表し方が手軽で、記述でも楽なのが分かってきます。
$f(x)$ を実際に使ってみよう
解答・解説
変数 $y$ の代わりに $f(x)$ を使っています。たとえば $f(4)$ は、$x=4$ のときの $y$ の値を表します。
右辺の式に $x=4$ を代入すると、$x=4$ のときの $y$ の値、すなわち $f(4)$ の値を求めることができます。他も同様です。
f(x) = &3x-1 \text{において} \\[ 5pt ]
x= &4 \ \text{のとき} \\[ 5pt ]
&f(4) = 3 \times 4 -1\\[ 10pt ]
x= &-2 \ \text{のとき} \\[ 5pt ]
&f(-2) = 3 \times \left( -2 \right) -1 \\[ 10pt ]
x= &-2 \ \text{のとき} \\[ 5pt ]
&f \left( – \frac{1}{2} \right) = 3 \times \left( – \frac{1}{2} \right) -1
\end{align*}
このように $f(x)$ を使うことによって、「 $x=4$ のとき、$y=11$ 」という表し方が「 $f(4)=11$ 」という式だけで済んでしまいます。とても便利な表し方なので、どんどん使っていきましょう。
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関数を上手に扱えるようになると、高校での数学はとてもラクになると思います。中学でも関数を扱いましたが、方程式や不等式との関係までは学習していません。
関数単体でなら何とかなっていても、方程式や不等式との関係性を理解しないと、高校では厳しくなります。逆に関係性が掴めれば、今までの苦労が何だったのかと思えるようになるでしょう。
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書籍の紹介にもあるように、身近な現象を例に挙げて話が進むので、イメージしやすいかと思います。興味のある人は一読してみてはいかがでしょうか。
さいごに、もう一度、頭の中を整理しよう
- 変数 $y$ の代わりに $f(x)$ を使うことがある。
- $f(x)$ を使うと、2つの変数 $x \ , \ y$ の値を1つの式で扱える。
- 「 $f(4)=11$ 」は「 $x=4$ のとき、$y=11$ 」の意味。