図形と方程式|三角形の面積について

三角形の面積を扱った問題を解いてみよう
次の問題を解いてみましょう。
問
問(1)の解答・解説
問(1)
例題と問を比較してみましょう。問では、例題(1),(2)が省略されています。
入試レベルになると、必要な作業があるにも関わらず、その作業を省略したような問題が出題されます。小問どうしの関係をしっかりと把握しておきましょう。
点Aと直線BCの距離を求めるには、直線BCの方程式が必要でした。2点を通る直線の方程式に代入して、直線BCの方程式を求めます。
問(1)の解答例 1⃣
図に直線の方程式を追記しておきましょう。
点Aと直線BCの距離を求めます。点と直線の距離の式に代入します。
問(1)の解答例 2⃣
問(2)の解答・解説
問(2)
三角形の面積を底辺の長さと高さを用いて求めるのであれば、問(1)を解いただけでは足りません。底辺の長さを求めていないからです。
2点間の距離の式に代入して、底辺である線分BCの長さを求めます。
問(2)の解答例 1⃣
△ABCの底辺の長さ、高さが分かったので、面積を求めます。
問(2)の解答例 2⃣
問(2)の別解例
問(1)を無視して、問(2)を単独で解くこともできます。
点Aが原点に重なるように平行移動させると、2点B,Cはそれぞれx軸方向に4、y軸方向に-3だけ平行移動します。
平行移動後の2点B’,C’の座標を用いて、三角形の面積を求めます。
問(2)の別解例
頂点の座標を用いた三角形の面積の式は、かなり便利な式です。時間短縮だけでなく、検算にも使えるので、ぜひともマスターしておきたい式です。
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さいごにもう一度まとめ
- 底辺の長さを求めるときには、2点間の距離を利用しよう。
- 三角形の高さを求めるときには、点と直線の距離を利用しよう。
- 頂点の1つが原点であれば、残りの2点の座標で三角形の面積が決まる。
- 頂点がどれも原点にないときは、三角形を平行移動しよう。