整数の性質|n進法の小数について

数学A

数学A 整数の性質

n進法の小数を扱った問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。

(1) $21.201_{\scriptsize{(5)}}$ を $10$ 進数で表わせ。
(2) $10$ 進数 $0.375$ を $5$ 進数で表わせ。
(3) $\frac{7}{9}$ を $3$ 進法、$8$ 進法の小数でそれぞれ表わせ。

問(1)の解答・解説

問(1)

$21.201_{\scriptsize{(5)}}$ を $10$ 進数で表わせ。

問(1)は、5進数から10進数への変換を扱った問題です。基本的な問題なので、しっかり解けるようにしておきましょう。

21.201(5)は、ある10進数を底5で位取りして得られる数字の配列を表します。10進数で表すには、底5で位取りしたときの式に戻します。

21.201(5)から底5で位取りした式を導出します。通分するとき、計算ミスをしないように気をつけましょう。

問(1)の解答例

\begin{align*} &\text{$21.201_{\scriptsize{(5)}}$ は} \\[ 5pt ] &\quad 2 \cdot 5^{\scriptsize{1}} + 1 \cdot 5^{\scriptsize{0}} + \frac{2}{5^{\scriptsize{1}}} + \frac{0}{5^{\scriptsize{2}}} + \frac{1}{5^{\scriptsize{3}}} \\[ 5pt ] &\text{を意味する。} \\[ 5pt ] &\text{これを整理すると、} \\[ 5pt ] &\quad \frac{2 \cdot 5^{\scriptsize{4}} + 1 \cdot 5^{\scriptsize{3}} + 2 \cdot 5^{\scriptsize{2}} + 1 }{5^{\scriptsize{3}}} = \frac{1426}{125} \\[ 5pt ] &\text{よって、求める小数は、} \\[ 5pt ] &\quad 21.201_{\scriptsize{(5)}} = 11.408 \end{align*}

解答例にもあるように、21.201(5)には小数部分だけでなく整数部分もあるので注意しましょう。また、分数の分母125は、5だけを素因数にもつので、有限小数が得られます。

10進数を底5で位取りし、各位の数字を抜き出した。抜き出した結果が5進数21.201(5)

⇒5進数の各位の数をもとに、位取りしたときの式に戻して整理すると10進数。

問(2)の解答・解説

問(2)

$10$ 進数 $0.375$ を $5$ 進数で表わせ。

問(2)は、10進数から5進数へ変換する問題です。これも問(1)と同じく基本的な問題なので、しっかり解けるようにしておきましょう。

10進数から5進数へ変換するには、手早く行う解法であれば、5を掛ける掛け算を繰り返す解法があります。この解法では、2回目以降の掛け算では小数部分に5を掛けることに注意しましょう。

問(2)の解答例 1⃣

\begin{align*} \quad 0.375 \times 5 &= 1.875 \\[ 5pt ] \quad 0.875 \times 5 &= 4.375 \\[ 5pt ] \quad 0.375 \times 5 &= 1.875 \\[ 5pt ] \quad 0.875 \times 5 &= 4.375 \\[ 5pt ] \quad \vdots \end{align*}

掛け算を繰り返しても、小数部分が0になることはありません。このような場合、循環小数になっているはずです。慌てずに整数部分を上から順に確認してみましょう。

問(2)の解答例 2⃣

\begin{align*} &\text{積の整数部分は上から順に} \\[ 5pt ] &\quad 1 \ , \ 4 \ , \ 1 \ , \ 4 \ \cdots \\[ 5pt ] &\text{を繰り返すので、} \\[ 5pt ] &\quad 0.375 = 0.\dot{1} \dot{4}_{\scriptsize{(5)}} \end{align*}

筆算でやると以下のようになります。2回目以降の掛け算では、整数部分と掛け算しないように注意しましょう。

n進法の小数を扱った問題問(2)の解答例
問(2)の計算

ちなみに、数学Aの範囲では、底が10以外の記数法(n進数)で表される循環小数を、10進数に変換する問題は出題されません。

また、以下の検算では、変換後の5進数がもとの10進数に戻るかどうかを調べています。検算するには、数学3の知識(数列の極限)が必要です。

問(2)の検算

\begin{align*} &\text{$0.\dot{ 1 } \dot{ 4 }_{\scriptsize{(5)}}$ は} \\[ 5pt ] &\quad \frac{1}{5^{\scriptsize{1}}} + \frac{4}{5^{\scriptsize{2}}} + \frac{1}{5^{\scriptsize{3}}} + \frac{4}{5^{\scriptsize{4}}} + \ \cdots \\[ 5pt ] &\text{を意味する。} \\[ 5pt ] &\text{これより} \\[ 10pt ] &\quad \frac{1}{5^{\scriptsize{1}}} + \frac{4}{5^{\scriptsize{2}}} + \frac{1}{5^{\scriptsize{3}}} + \frac{4}{5^{\scriptsize{4}}} + \ \cdots = \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ \infty } \biggr(\frac{1}{5^{\scriptsize{2k-1}}} \biggl) + \sum_{ k = 1 }^{ \infty } \biggr(\frac{4}{5^{\scriptsize{2k}}} \biggl) \\[ 10pt ] &\text{ここで、} \\[ 5pt ] &\quad \frac{1}{5^{\scriptsize{2k-1}}} = \frac{1}{5} {\biggr( \frac{1}{25} \biggl)}^{\scriptsize{k-1}} \\[ 10pt ] &\quad \frac{4}{5^{\scriptsize{2k}}} = \frac{4}{25} {\biggr( \frac{1}{25} \biggl)}^{\scriptsize{k-1}} \\[ 10pt ] &\text{より、} \\[ 5pt ] &\quad \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ \infty } \biggr(\frac{1}{5^{\scriptsize{2k-1}}} \biggl) + \sum_{ k = 1 }^{ \infty } \biggr(\frac{4}{5^{\scriptsize{2k}}} \biggl) \\[ 10pt ] &\quad = \frac{\frac{1}{5}}{1-\frac{1}{25}} + \frac{\frac{4}{25}}{1-\frac{1}{25}} \\[ 10pt ] &\quad = \frac{5}{24} + \frac{4}{24} \\[ 10pt ] &\quad = \frac{3}{8} \\[ 10pt ] &\quad = 0.375 \\[ 10pt ] &\text{よって、$0.\dot{ 1 } \dot{ 4 }_{\scriptsize{(5)}}$ を $10$ 進法で表すと、} \\[ 5pt ] &\quad 0.\dot{ 1 } \dot{ 4 }_{\scriptsize{(5)}} = 0.375 \end{align*}

ちゃんと10進数0.375に戻りました。一応、検算の様子を紹介しましたが、参考程度で構いません。

問(3)の解答・解説

問(3)

$\frac{7}{9}$ を $3$ 進法、$8$ 進法の小数でそれぞれ表わせ。

問(3)は、10進法の分数を3進法や8進法の小数へ変換する問題です。

ところで、与えられた分数の分母9は、2,5以外の素因数をもつので、有限小数にならず、循環小数になります。もし、有限小数になるのであれば、先に小数にしてから掛け算を繰り返した方が良いでしょう。

分数のまま底3,8を掛ける掛け算を繰り返しますが、小数とは異なり、整数部分と少数部分が分かりにくくなります。ですから、掛け算した後に少し工夫を施します。

まず、3進法の小数への変換です。底3を掛ける掛け算を繰り返します。

問(3)の解答例 1⃣

\begin{align*} &\text{$\frac{7}{9}$ を $3$ 進法の小数で表す。} \\[ 5pt ] &\quad \frac{7}{9} \times 3 = \frac{7}{3} = 2 + \frac{1}{3} \\[ 5pt ] &\text{より、整数部分は $2$。} \\[ 5pt ] &\text{また、小数部分から} \\[ 5pt ] &\quad \frac{1}{3} \times 3 = 1 \\[ 5pt ] &\text{より、整数部分は $1$。} \\[ 5pt ] &\text{小数部分が $0$ になったので、} \\[ 5pt ] &\quad \frac{7}{9} = 0.21_{\scriptsize{(3)}} \end{align*}

2回目以降の掛け算では、小数部分に底3を掛ける掛け算を繰り返します。ですから、整数部分と小数部分の区別がついていないと困ります。

次は、8進法の小数への変換も同じ要領で行います。

問(3)の解答例 2⃣

\begin{align*} &\text{$\frac{7}{9}$ を $8$ 進法の小数で表す。} \\[ 5pt ] &\quad \frac{7}{9} \times 8 = \frac{56}{9} = 6 + \frac{2}{9} \\[ 5pt ] &\text{より、整数部分は $6$。} \\[ 5pt ] &\text{また、小数部分から} \\[ 5pt ] &\quad \frac{2}{9} \times 8 = \frac{16}{9} = 1 + \frac{7}{9} \\[ 5pt ] &\text{より、整数部分は $1$。} \\[ 5pt ] &\text{同様に小数部分から} \\[ 5pt ] &\quad \frac{7}{9} \times 8 = \frac{56}{9} = 6 + \frac{2}{9} \\[ 5pt ] &\text{より、整数部分は $6$。} \\[ 5pt ] &\text{これ以後は同じ計算が繰り返されるので、} \\[ 5pt ] &\quad \frac{7}{9} = 0.\dot{6} \dot{1}_{\scriptsize{(8)}} \end{align*}

問(3)では、与えられた分数が循環小数になるので、返還後も循環する数になりそうです。しかし、記数法の底によって、有限の数で表されたり、循環する数で表されたりします。

小数や分数であっても、記数法の変換では決まった手順があります。仮に手順を忘れても、位取りするための式を導出できれば、変換することができます。最低限、覚えておかなければならない事柄をしっかり見極め、確実に覚えましょう。

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さいごにもう一度まとめ

  • 10進法で表される分数や小数をn進法へ変換するとき、底nを掛ける掛け算を繰り返す。
  • 底を掛ける掛け算の2回目以降では、小数部分に底を掛ける。
  • n進法で表される分数や小数を10進法へ変換するとき、位取りしたときの式に戻す。
  • 位取りしたときの式に戻したら、通分して1つの分数にまとめる。
  • 有限小数になるには、分母の素因数が2と5だけからなれば良い。
  • 循環小数になるには、分母の素因数が2と5以外のものがあれば良い。