整数の性質|n進法の小数について

12/23/2018数学A循環小数,整数の性質,n進法

n進法の小数を扱った問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。


(1) $21.201_{\scriptsize{(5)}}$ を $10$ 進数で表わせ。
(2) $10$ 進数 $0.375$ を $5$ 進数で表わせ。
(3) $\frac{7}{9}$ を $3$ 進法、$8$ 進法の小数でそれぞれ表わせ。

問(1)の解答・解説

問(1)
(1) $21.201_{\scriptsize{(5)}}$ を $10$ 進数で表わせ。

問(1)は、5進法から10進方への変換を扱った問題です。基本的な問題なので、しっかり解けるようにしておきましょう。

$21.201_{\scriptsize{(5)}}$ は、各位の数字を上の位から順に抜き出して並べた(位取りした)数字の配列を表します。10進数で表すには、5を用いて位取りしたときの式に戻します。

$21.201_{\scriptsize{(5)}}$ を、5の累乗を用いた式で表します。通分するとき、計算ミスをしないように気をつけましょう。

問(1)の解答例
\begin{align*}
&\text{$21.201_{\scriptsize{(5)}}$ は} \\[ 5pt ]
&\quad 2 \cdot 5^{\scriptsize{1}} + 1 \cdot 5^{\scriptsize{0}} + \frac{2}{5^{\scriptsize{1}}} + \frac{0}{5^{\scriptsize{2}}} + \frac{1}{5^{\scriptsize{3}}} \\[ 5pt ]
&\text{を意味する。} \\[ 5pt ]
&\text{これを整理すると、} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{2 \cdot 5^{\scriptsize{4}} + 1 \cdot 5^{\scriptsize{3}} + 2 \cdot 5^{\scriptsize{2}} + 1 }{5^{\scriptsize{3}}} = \frac{1426}{125} \\[ 5pt ]
&\text{よって、求める小数は、} \\[ 5pt ]
&\quad 21.201_{\scriptsize{(5)}} = 11.408
\end{align*}

$21.201_{\scriptsize{(5)}}$ には小数部分だけでなく整数部分もあるので注意しましょう。

$10$ 進数を $5$ で位取りし、各位の数字を抜き出した。抜き出した結果が $21.201_{\scriptsize{(5)}}$
⇒$5$ 進数表示をもとに、位取りしたときの式に戻して整理すると $10$ 進数。

問(2)の解答・解説

問(2)
(2) $10$ 進数 $0.375$ を $5$ 進数で表わせ。

問(2)は、10進法から5進法へ変換する問題です。これも問(1)と同じく基本的な問題なので、しっかり解けるようにしておきましょう。

10進法から5進法へ変換するには、手早く行うために5を掛ける掛け算を繰り返します。ただし、2回目以降の掛け算では小数部分に5を掛ける掛け算です。もちろん、5を用いて位取りしても変換できます。

n進法の小数を扱った問題問(2)の解答例

問(2)では、掛け算を繰り返しても、小数部分が0になることはありません。このような場合、循環小数になっているはずです。慌てずに整数部分を上から順に確認してみましょう。

ちなみに、数学Aの範囲では、底が10以外の記数法で表される循環小数を、10進数に変換する問題は出題されません。なお、変換後の5進数がもとの10進数に戻るかどうかの検算は、数学3の知識(数列の極限)が必要です。

問(2)の検算
\begin{align*}
&\text{$0.\dot{ 1 } \dot{ 4 }_{\scriptsize{(5)}}$ は} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{1}{5^{\scriptsize{1}}} + \frac{4}{5^{\scriptsize{2}}} + \frac{1}{5^{\scriptsize{3}}} + \frac{4}{5^{\scriptsize{4}}} + \ \cdots \\[ 5pt ]
&\text{を意味する。} \\[ 5pt ]
&\text{これより} \\[ 10pt ]
&\quad \frac{1}{5^{\scriptsize{1}}} + \frac{4}{5^{\scriptsize{2}}} + \frac{1}{5^{\scriptsize{3}}} + \frac{4}{5^{\scriptsize{4}}} + \ \cdots = \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ \infty } \biggr(\frac{1}{5^{\scriptsize{2k-1}}} \biggl) + \sum_{ k = 1 }^{ \infty } \biggr(\frac{4}{5^{\scriptsize{2k}}} \biggl) \\[ 10pt ]
&\text{ここで、} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{1}{5^{\scriptsize{2k-1}}} = \frac{1}{5} {\biggr( \frac{1}{25} \biggl)}^{\scriptsize{k-1}} \\[ 10pt ]
&\quad \frac{4}{5^{\scriptsize{2k}}} = \frac{4}{25} {\biggr( \frac{1}{25} \biggl)}^{\scriptsize{k-1}} \\[ 10pt ]
&\text{より、} \\[ 5pt ]
&\quad \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ \infty } \biggr(\frac{1}{5^{\scriptsize{2k-1}}} \biggl) + \sum_{ k = 1 }^{ \infty } \biggr(\frac{4}{5^{\scriptsize{2k}}} \biggl) \\[ 10pt ]
&\quad = \frac{\frac{1}{5}}{1-\frac{1}{25}} + \frac{\frac{4}{25}}{1-\frac{1}{25}} \\[ 10pt ]
&\quad = \frac{5}{24} + \frac{4}{24} \\[ 10pt ]
&\quad = \frac{3}{8} \\[ 10pt ]
&\quad = 0.375 \\[ 10pt ]
&\text{よって、$0.\dot{ 1 } \dot{ 4 }_{\scriptsize{(5)}}$ を $10$ 進法で表すと、} \\[ 5pt ]
&\quad 0.\dot{ 1 } \dot{ 4 }_{\scriptsize{(5)}} = 0.375
\end{align*}

ちゃんと10進数0.375に戻りました。一応、検算の様子を紹介しましたが、参考程度で構いません。

問(3)の解答・解説

問(3)
(3) $\frac{7}{9}$ を $3$ 進法、$8$ 進法の小数でそれぞれ表わせ。

問(3)は、10進法で表される分数を $3$ 進数や $8$ 進数の小数へ変換する問題です。小数が分数になっただけですが、筆算だと分かりにくいので、式変形で変換します。

問(2)と同じように、底を掛ける掛け算を繰り返しますが、このとき、整数部分と小数部分が分かるように式変形します。

問(3)の解答例
\begin{align*}
&\text{$\frac{7}{9}$ を $3$ 進法の小数で表す。} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{7}{9} \times 3 = \frac{7}{3} = 2 + \frac{1}{3} \\[ 5pt ]
&\text{より、整数部分は $2$。} \\[ 5pt ]
&\text{また、} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{1}{3} \times 3 = 1 \\[ 5pt ]
&\text{より、整数部分は $1$。} \\[ 5pt ]
&\text{小数部分が $0$ になったので、} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{7}{9} = 0.21_{\scriptsize{(3)}}
\end{align*}

2回目の掛け算からは小数部分に底を掛ける掛け算を繰り返します。ですから、整数部分と小数部分を分けるように式変形します。8進法の小数への変換も同じ要領で行います。

問(3)の解答例つづき
\begin{align*}
&\text{$\frac{7}{9}$ を $8$ 進法の小数で表す。} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{7}{9} \times 8 = \frac{56}{9} = 6 + \frac{2}{9} \\[ 5pt ]
&\text{より、整数部分は $6$。} \\[ 5pt ]
&\text{また、} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{2}{9} \times 8 = \frac{16}{9} = 1 + \frac{7}{9} \\[ 5pt ]
&\text{より、整数部分は $1$。} \\[ 5pt ]
&\text{さらに、} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{7}{9} \times 8 = \frac{56}{9} = 6 + \frac{2}{9} \\[ 5pt ]
&\text{より、整数部分は $6$。} \\[ 5pt ]
&\text{これ以後は同じ計算が繰り返されるので、} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{7}{9} = 0.\dot{6} \dot{1}_{\scriptsize{(8)}}
\end{align*}

問(3)のように、記数法の底によって、分数は有限小数で表されたり、循環小数で表されたりします。

小数や分数であっても、記数法の変換では決まった手順があります。仮に手順を忘れても、位取りするときの式を立式できれば、変換することができます。最低限、覚えておかなければならない事柄をしっかり見極め、確実に覚えましょう。

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さいごにもう一度まとめ

  • 10進法で表される分数や小数をn進法へ変換するとき、底nを掛ける掛け算を繰り返す。
  • 底を掛ける掛け算の2回目以降では、小数部分に底を掛ける。
  • n進法で表される分数や小数を10進法へ変換するとき、位取りしたときの式に戻す。
  • 位取りしたときの式に戻したら、通分して1つの分数にまとめる。
  • 有限小数になるには、分母の素因数が2と5だけからなれば良い。
  • 循環小数になるには、分母の素因数が2と5以外のものがあれば良い。