整数の性質|n進法について
n進法を扱った問題を解いてみよう
次の問題を解いてみましょう。
問
$(1) \quad 10$ 進数 $47$ を $2$ 進数と $5$ 進数でそれぞれ表わせ。
$(2) \quad 101_{(2)} \ , \ 12021_{(3)}$ をそれぞれ $10$ 進数で表わせ。
$(3) \quad n$ は $3$ 以上の整数とする。$10$ 進法で $(n+1)^{2}$ と表される数を $n$ 進法で表わせ。
問(1)の解答・解説
問(1)
$10$ 進数 $47$ を $2$ 進数と $5$ 進数でそれぞれ表わせ。
問(1)は、10進数から2進数や5進数への変換で、基本的な問題の1つです。手順通りに割り算を繰り返します。
47を2で割る割り算を繰り返し、商が0になったら終了します。また、余りを逆順に並べると、2進数が得られます。
また、47を5進数に変換するときも同じ手順で行います。底となる5で割る割り算を繰り返します。
きちんと変換できたか不安なときは検算しましょう。変換後の2進数や5進数がもとの10進数に戻るか検算すると、以下のようになります。
問(1)の検算
$101111_{(2)}$ を $10$ 進数に戻すと
\begin{align*} &\quad 1 \cdot 2^{5} + 0 \cdot 2^{4} + 1 \cdot 2^{3} + 1 \cdot 2^{2} + 1 \cdot 2^{1} + 1 \cdot 2^{0} \\[ 7pt ] &= 32 + 8 + 4 + 2 + 1 \\[ 7pt ] &= 47 \end{align*}$142_{(5)}$ を $10$ 進数に戻すと
\begin{align*} &\quad 1 \cdot 5^{2} + 4 \cdot 5^{1} + 2 \cdot 5^{0} \\[ 7pt ] &= 25 + 20 + 2 \\[ 7pt ] &= 47 \end{align*}ちゃんと10進数である47に戻りました。10進数への戻し方も覚えておきましょう。
問(2)の解答・解説
問(2)
$101_{(2)} \ , \ 12021_{(3)}$ をそれぞれ $10$ 進数で表わせ。
問(2)は、2進数や3進数を10進数へ変換する問題です。これも基本的な問題なので、しっかり解けるようにしておきましょう。
101(2)は、各位の数字を上の位から順に抜き出して並べた(位取りした)配列を表します。10進数に変換するには、2を用いて位取りしたときの式に戻します。
問(2)の解答例 1⃣
$101_{(2)}$ を $10$ 進数に戻すと
\begin{align*} &\quad 1 \cdot 2^{2} + 0 \cdot 2^{1} + 1 \cdot 2^{0} \\[ 7pt ] &= 4 + 1 \\[ 7pt ] &= 5 \\[ 7pt ] &\therefore \ 101_{(2)} = 5 \end{align*}10進数を2で位取りし、各位の数字を抜き出した。抜き出した結果が101(2)
⇒ 2進数表示をもとに、位取りしたときの式(各位の数字を抜き出すための式)に戻して整理すると10進数。
12021(3)も同じようにして10進数に変換します。
問(2)の解答例 2⃣
$12021_{(3)}$ を $10$ 進数に戻すと
\begin{align*} &\quad 1 \cdot 3^{4} + 2 \cdot 3^{3} + 0 \cdot 3^{2} + 2 \cdot 3^{1} + 1 \cdot 3^{0} \\[ 7pt ] &= 81 + 54 + 6 + 1 \\[ 7pt ] &= 142 \\[ 10pt ] &\therefore \ 12021_{(3)} = 142 \end{align*}10進数を3で位取りし、各位の数字を抜き出した。抜き出した結果が12021(3)
⇒ 3進数表示をもとに、位取りしたときの式(各位の数字を抜き出すための式)に戻して整理すると10進数。
問(3)の解答・解説
問(3)
$n$ は $3$ 以上の整数とする。$10$ 進法で $(n+1)^{2}$ と表される数を $n$ 進法で表わせ。
問(3)は、10進数をn進数へ変換する問題です。具体的な数ではありませんが、このような抽象的な問題を解きこなせるようになりたいものです。
n進数に変換するには、底となるnで位取りすれば良いので、10進数をnの累乗を用いて表します。そのために与式を展開します。
問(3)の解答例
与式を展開すると
\begin{align*} \quad (n+1)^{2} = n^{2} + 2n + 1 \end{align*}これを $n$ で位取りしたことが分かるようにすると
\begin{align*} \quad \text{(与式)} = 1 \cdot n^{2} + 2 \cdot n^{1} + 1 \cdot n^{0} \end{align*}これは、$n$ が $3$ 以上の整数であることを満たす。
よって、与式を $n$ 進法で表すと
\begin{align*} \therefore \ (n+1)^{2} = 121_{(n)} \end{align*}各位の数字には条件がありました。n進法であれば、各位の数字はn-1以下でなければなりません。
ここでは、nは3以上の整数という条件なので、各項の係数は2以下の整数でなければなりません。
展開後の式を見ると、各項の係数は2以下(左から順に1,2,1)になっており、条件をしっかり満たしています。
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さいごにもう一度まとめ
- 10進法で表される数は、0~9の数字の配列からなる数。
- 10進数以外では、底を表記する。
- 位取り記数法によって、10進数からn進数へ変換することができる。
- 記数法の変換では、基礎となる底で割る割り算を繰り返し、余りを逆順に並べる。
- 10進数から2進数への変換をマスターしよう。