複素数と方程式|2次方程式の整数解について
2次方程式の整数解を扱った問題を解いてみよう
次の問題を解いてみましょう。
問
問の解答・解説
例題と同じ要領で進めていきます。「文字aの値をすべて求めよ」とあるので、求める文字aの値は複数あると考えましょう。
2次方程式の解についての条件があり、求めたいのは係数や定数項にある文字aの値です。2次方程式の解と係数の関係を利用します。
問の解答例 1⃣
解と係数の関係から、2つの整数解α,βについての式が2つ得られました。これらは文字aを共通にもちます。このことに注目して、α,βについての方程式を新たに導きます。
問の解答例 2⃣
α,βについての方程式を変形して、「(整数)×(整数)=(整数)」の形にします。
問の解答例 3⃣
「(整数)×(整数)=(整数)」、すなわち「(αの1次式)×(βの1次式)=(整数)」の形を得ることができました。α-1とβ-1は、その積が6となる組合せであることが分かります。
解と係数の関係の式から、(αの1次式)×(βの1次式)=(整数)の形を導こう。
ここから例題と少し異なります。2次方程式の解α,βは整数ですが、正負や大小関係が不明です。ここに注意しましょう。α-1,β-1の組合せを考えるための条件を考えましょう。
問の解答例 4⃣
α,βが整数であるという条件では、例題のようにα-1,β-1がともに0以上であるとは言えません。注意しましょう。また、αとβに大小関係をつけたのは、解の組合せが同じであれば文字aの値も同じになるからです。
α-1,β-1の組を書き出します。右辺が6なので、6の約数を考えましょう。
問の解答例 5⃣
α,βが整数であるので、α-1,β-1は負の整数となることもあります。
整数:負の整数、0、正の整数(自然数)
α-1,β-1の組合せからα,βの組を求めます。
問の解答例 6⃣
最後に、文字aの値を忘れずに求めます。
問の解答例 7⃣
①式ではなく、②式を利用して文字aの値を求めても構いません。なお、蛇足ですが、文字aの値と2次方程式の解との関係は以下のようになります。
文字aの値と2次方程式の解との関係
問のα,βが整数という条件は、例題の正の整数に比べると広い条件です。ですから、別解の解法では0で割る変形が含まれてしまい、aについて変形できません。また、不等式で範囲を絞り込む解法(判別式の利用)も上手くいきません。
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さいごにもう一度まとめ
- 2次方程式の解や係数の問題では、解と係数の関係を利用してみよう。
- 解と係数の関係から得られた2つの式から、新たな式を導こう。
- (整数)×(整数)=(整数)の形を導こう。
- 左辺や右辺の値についての条件も忘れずに考慮しよう。
- 整数の組は約数を考えよう。