複素数と方程式|余りの決定について

余りの決定を扱った問題を解いてみよう
次の問題を解いてみましょう。
問
問(1)の解答・解説
問(1)
例題と同じ要領で解きましょう。剰余の定理を利用するために、割り算の基本公式を用いて整式を作ります。
問(1)の解答例 1⃣
求めるのは2次式で割ったときの余りです。余りは1次式または定数ですが、1次式になるように表します。
問題では、整式を1次式で割ったときの余りについて、3つの情報が与えられています。割る2次式に注目すると、2つの1次式x-2,x+3で割ったときの余りを利用すれば良いことが分かります。
剰余の定理から、整式を1次式x-2で割った余りは、整式にx=2を代入した式の値に等しくなります。
問(1)の解答例 2⃣
同じように剰余の定理から、整式を1次式x+3で割ったときの余りは、整式にx=-3を代入した式の値に等しくなります。
問(1)の解答例 3⃣
定数a,bについての方程式を2つ導くことができました。これらを連立して解きます。
問(1)の解答例 4⃣
余りを決定する問題では、余りの表し方が大切です。どのように表せば良いかを知っておきましょう。
問(2)の解答・解説
問(2)
例題と同じ要領で解きましょう。剰余の定理を利用するために、割り算の基本公式を用いて整式を作ります。
問(2)の解答例 1⃣
解答例を見ると分かるように、問(1)とは割る式が変わっているので、商や余りは同じになるとは限りません。ですから、用いる文字を変えています。同じ文字であれば、添え字を変えるなどして区別しましょう。
問(1)の商や余りと、問(2)の商や余りは異なるので、同じ文字を使わない。同じ文字を使う場合、添え字を変えたり、ダッシュを付けるなどして区別しよう。
求めるのは2次式で割ったときの余りです。余りは1次式または定数ですが、1次式になるように表します。
問題では、整式を1次式で割ったときの余りについて、3つの情報が与えられています。割る2次式に注目すると、2つの1次式x-2,x-4で割ったときの余りを利用すれば良いことが分かります。
剰余の定理から、整式を1次式x-2で割った余りは、整式にx=2を代入した式の値に等しくなります。すでに問(1)で結果が分かっているので、上手に利用しましょう。
問(2)の解答例 2⃣
同じように剰余の定理から、整式を1次式x-4で割ったときの余りは、整式にx=4を代入した式の値に等しくなります。
問(2)の解答例 3⃣
定数c,dについての方程式を2つ導くことができました。これらを連立して解きます。
問(2)の解答例 4⃣
与えられる整式や割る式が変われば、それに伴って商や余りも変わります。同じ文字なら、同じ値や式という意味になってしまいます。商や余りの中身は異なるので、同じ文字を使い回さないように気を付けましょう。
Recommended books
チャート式と言えば有名ですが、学校で配布されるのは、ほとんどが黄色か青色のどちらかです。数学を苦手にしている人にとっては、扱い辛く感じるかもしれません。ページ数も多いので尚更です。
オススメ その1
日常学習では辞書的に利用できる参考書があると助かります。有名なのは、チャート式でしょう。
チャート式は、色別にレベル分けされています。学校で配布されるのは、青や黄のチャート式が多いと思います。ただし、青や黄の内容が高度だと感じるのであれば、いっそのこと白のチャート式の方が良いかもしれません。
『チャート式基礎と演習数学1+A 増補改訂版』や『チャート式基礎と演習数学2+B 増補改訂版』では、より基礎的な内容が扱われています。教科書の内容を補完してくれるので、予習や復習を進めやすくなるでしょう。
基礎固めには白チャート。数学の苦手な生徒でも,安心して学習を進められます。教科書と併用しながらの学習や、基礎固めには最適の参考書。中堅私立大学の受験対策や、大学入学共通テストの準備にも役立つ一冊。本冊巻末に、大学入学共通テストの対策ができる「実践編」を追加。
オススメ その2
白チャートと同じように基礎的な内容を扱っているのが、スカイチャートと言われる『チャート式 絶対に身につけたい数学1+Aの基本』や『チャート式 絶対に身につけたい数学2+Bの基本』です。速習型の参考書なので、たとえば、受験勉強を何から始めれば良いのか分からない人向けの教材です。
白チャート『チャート式基礎と演習数学1+A 増補改訂版』は、560ページ(別冊解答編368ページ)あります。青チャートだと640ページ(別冊解答編404ページ)なので、白チャートも少ない方です。これらに対して、スカイチャート『チャート式 絶対に身につけたい数学1+Aの基本』は160ページ(別冊解答編88ページ)なので、かなりコンパクトにまとめられています。
使い方としては、予習や復習の際に類題をこなしたり、定期考査前の確認や仕上げに使ったりできます。また、受験勉強の準備にあたって、自分の基礎学力を短期間で確認することができます。
対象 … 教科書の内容を効率的に総復習したい人や、基礎知識を総整理したい人
特長 … 絶対に身につけたい基礎知識が詰まった良問を精選しました。「極意」では,問題を解くとき、効果的にアプローチするための手順や考え方をコンパクトにまとめました。例題と同等のレベルである練習問題を解くことで,例題の解法や基礎知識の理解度を確認できます。
参考書は紹介した教材だけではありません。大事なことは、自分に合った教材を徹底的に活用することです。どの教材を選ぶにしても、自分の目で中身を確認し、納得してから購入することが大切です。
さいごにもう一度まとめ
- 剰余の定理は、整式を1次式で割ったときの余りについての定理。
- 整式がなければ、剰余の定理を利用できない。
- 整式は、割り算の基本公式を用いて表すことができる。
- 余りは割る式の次数よりも低くなるようにしよう。
- 2次式で割ったときの余りは、1次式または定数。