中学数学|正負の数の乗除算を解いてみよう

06/28/2016中学数学正負の数,累乗,乗除算

分数でも小数でも符号の扱いは変わらない

3つ以上の数の乗除算

正負の数の乗除算では、扱う数が3つ以上になると計算をラクにするために符号の規則性に注目する必要があります。次の乗除算を解いてみます。

\begin{align*}
1.\ &\left( -2 \right) \times \left( +3 \right) \times \left( -4 \right) \\[ 10pt ]
2.\ &{ \left( -5 \right) }^{ 2 } \\[ 10pt ]
3.\ &-{ 5 }^{ 2 }
\end{align*}

第1問は3つの数の乗算になっています。それに対して、第2,3問は3つ以上の数を扱っていませんが、符号の規則性についての演習問題だと思って下さい。

第1問の解答・解説

第1問
\begin{equation*}
1.\ \left( -2 \right) \times \left( +3 \right) \times \left( -4 \right)
\end{equation*}

3つ以上の乗除算は、2数の乗除算の繰り返し

3つ以上の乗除算は2数の乗除算の繰り返しで解くことができます。

基本的な流れは加算が乗算になっただけで、加算のときと変わりません。

  1. 除算を乗算に置き換えて、乗除算を乗算に統一。
  2. 交換法則や結合法則を利用して、同符号の2数の乗算を先に行う。
  3. さいごに異符号の2数の乗算を行う。

基本的な流れで計算すると過程が長くなりますが、以降の解き方につながるので、この考え方を覚えておいて損はありません。

符号の規則性を利用する

3つ以上の数を乗算するときでもできるだけ簡単に解くには、符号の規則性を利用します。

乗算では、乗算する数の符号の組み合わせで、答え(積)の符号が決まってしまう、という規則性があります。

式の中にあるマイナス(-)の個数に注目すると、以下のような規則性があります。

  • 式の中にあるマイナス(-)の個数が奇数個のとき、答え(積)の符号はマイナス(-)
  • 式の中にあるマイナス(-)の個数が偶数個のとき、答え(積)の符号はプラス(+)
マイナス(-)の個数が偶数個ならば、負の数どうしの積が複数組できる。その積の符号はどれもプラス(+)。

この規則性を利用した解き方が「慣れたらこちらで」の解答例です。この解き方だと、数字(絶対値)の乗算をまとめて行うことができます。

参考 マイナス(-)の符号に注目して乗算

マイナス(-)の符号に注目した乗算は、もちろん2数のときでもできます。

正負の数を扱うとき、よくあるミスが符号の扱いなので、符号に注目して計算することは良いことだと思います。

正負の数の乗算では、2数の符号の組み合わせはもちろんだが、マイナス(-)の個数にも注目しよう。

計算過程は以下のようになります。

3つ以上の数の乗算

第2問と第3問の解答・解説

上述のように、3つ以上の数を乗算するときには符号の規則性を利用すれば良いのですが、第2,3問のような計算になるとよくミスをします。

第2,3問
\begin{align*}
2.\ &{ \left( -5 \right) }^{ 2 } \\[ 10pt ]
3.\ &-{ 5 }^{ 2 }
\end{align*}

累乗について

第2問は「-5の累乗」、第3問は「5の累乗」と呼び、これだけで同じ数や文字の乗算を表す式です。

「累」は累計や累加といった言葉のように、重ねるや繰り返すなどの意味を持つ言葉。そこから転じて、累乗は同じ数を繰り返し乗算する意味だと考えられる。

数字の右肩にある小さな数字は指数と言い、同じ数を何個(何回)掛けているかを表します。この指数を用いると、同じ数の乗算を簡略化して表記できるようになります。

累乗も数式を簡略化して表すための工夫の1つ。

累乗を乗算の計算記号を補った式に書き換えてます。どんな数を掛け合わせているのかが良く分かります。

\begin{align*}
2.\quad &{ \left( -5 \right) }^{ 2 } \\[ 5pt ]
= \ &\left( -5 \right) \times \left( -5 \right) \\[ 10pt ]
3.\quad &-{ 5 }^{ 2 } \\[ 5pt ]
= \ &-(5 \times 5)
\end{align*}

-5を2回掛け合わせたことを表す累乗が第2問の「-5の累乗」です。-5をカッコでくくり、カッコの外側に指数を付けます。

それに対して、5を2回掛け合わせたことを表す累乗が第3問の「5の累乗」です。5に直接指数を付けます。

累乗の表記は、指数の付き方で意味が全く異なるので注意しよう。符号のミスが多いものの1つ。

累乗の計算

第2問では、目に見えるマイナスの符号は1個だけですが、(-5)を2回掛け合わせるという意味なので、実際はマイナスの符号が2個あります。ですから積の符号はプラスの符号になっています。

\begin{align*}
2.\quad &{ \left( -5 \right) }^{ 2 } \\[ 5pt ]
= \ &\left( -5 \right) \times \left( -5 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+(5 \times 5) \\[ 5pt ]
= \ &+25
\end{align*}

第3問では、目に見えるマイナスの符号は1個だけですが、このマイナスの符号は乗算には関与しません。なぜなら5に直接指数が付いた5の累乗だからです。

\begin{align*}
3.\quad &-{ 5 }^{ 2 } \\[ 5pt ]
= \ &-(5 \times 5) \\[ 5pt ]
= \ &-(+25) \\[ 5pt ]
= \ &+(-25) \\[ 5pt ]
= \ &-25
\end{align*}

累乗の計算に関係がないマイナスの符号はそのままにしておきます。5の累乗を計算すると積の符号がプラスの符号になります。+25の減算になるので、負の数の加算に置き換えて、-25になります。

\begin{align*}
2.\quad &{ \left( -5 \right) }^{ 2 } \\[ 5pt ]
= \ &+25 \\[ 10pt ]
3.\quad &-{ 5 }^{ 2 } \\[ 5pt ]
= \ &-25
\end{align*}

第2問と第3問とでは目に見えているマイナスの符号は1個ですが、計算結果の符号は異なります。指数が何に付いているかで結果が変わるので、累乗の扱いには細心の注意を払いましょう。

また、累乗は乗除算だけでなく、四則計算などでも頻出です。符号ミスを起こしやすいからです。

累乗は乗算を簡略化した式なので、「マイナス(-)の個数≠目に見えている個数」。累乗を見かけたら最優先で処理。乗算の計算記号を補った式に置き換えるのが符号ミスを減らすコツ。

計算過程やコツをまとめると以下のようになります。

累乗の計算

参考 除算を分数で表す

文字を含む除算では計算記号(÷)を省略して分数の形で表すことを中学で学習します。

これは数だけでも当然成り立ちます。計算過程を書いてきた人にとっては至極当然のことですね。

図解すると以下のようになります。

整数どうしの除算

割る数は、乗算に置き換える際に逆数になります。その結果、割る数が分母、割られる数が分子になった分数が得られることが分かります。このことが理解できれば、除算を一気に分数で表すことができるようになります。

除算を分数で表して、計算をラクに進めよう。

除算を分数に置き換えてしまう解き方は、3つ以上の数を乗除算するときに非常に便利です。乗除算をまとめて1つの分数に置き換えてしまえるからです。

例題
\begin{align*}
&(-6) \times 5 \div (-3) \times 2 \\[ 10pt ]
= \ &+ \ \frac{ 6 \times 5 \times 2 }{ 3 } \\[ 10pt ]
= \ &+20
\end{align*}

例題のような乗除算では非常にラクに計算できます。

マイナスの符号(-)から答えの符号を決めつつ、数字(絶対値)だけで1つの分数を作ります。約分し、必要に応じて分母や分子を整理すれば計算終了です。

2は掛ける数であって、割る数ではありません。例題では割る数は(-3)だけです。除算の計算記号(÷)の直後の数が割る数。
  • 除算は分数に置き換える。このとき符号と数字は別々に扱う。
  • 割る数を分母に、それ以外の数を分子において分数を作る。
  • 約分して分母と分子の乗算をそれぞれ行う。

慣れると非常に素早く計算できるようになります。

さいごに、もう一度まとめ

  • 乗除算は乗算に統一。
  • 同符号の数の乗算ならば、答え(積)の符号はプラス(+)。
  • 異符号の数の乗算ならば、答え(積)の符号はマイナス(-)。
  • 答え(積)の符号はマイナス(-)の個数で判断できる。
  • 累乗を見たら最優先で計算。
  • 除算は割る数の逆数を取って乗算に。
  • 分数の乗算は1つの分数にまとめる。
  • 除算はまるごと分数に置き換える。(応用)