複素数と方程式|2つの数を解とする2次方程式の作成について

今回は、2つの数を解とする2次方程式の作成について学習しましょう。2つの数が解として与えられると、2次方程式の1つを作成できます。
また、和と積が与えられると、2次方程式を作成することによって、2つの数を求めることができます。
2つの数を解とする2次方程式の作成
2次式の因数分解で学習したように、2次方程式の解が分かっていれば、左辺の2次式を解を用いて表すことができます。
2次方程式の左辺の因数分解 1⃣
つまり、解が分かれば、左辺の2次式の因数が分かるということです。
2次方程式の左辺の因数分解 2⃣
上述のことから、2つの数を解とする2次方程式の1つは以下のように表すことができます。
2次方程式の作成 1⃣
「2つの数を解とする2次方程式の1つ」と言っているように、あくまでも一例です。係数が異なっていても題意を満たすことがあります。
以上のことから、2つの数が解として与えられている場合、2次方程式の1つを作成するには、1次の項の係数と定数項を求めてしまえば良いことが分かります。
2つの数を解とする2次方程式の作成
2つの数の和と積を求めれば良い。和が1次の項の係数で、積が定数項となる。
2次方程式を作成してみよう
例題を解いてみましょう。
例題1
例題1の解答・解説
2つの数が解として与えられています。これらの和と積を求めます。
例題1の解答例 1⃣
和が1次の項の係数、積が定数項です。
例題1の解答例 2⃣
代入するとき、符号ミスをしないように気を付けましょう。
和・積が与えられた2つの数の求め方
2つの数の値は不明ですが、それらの和と積が与えられる場合があります。この場合、和と積から、2つの数を求めるのが問題の主題です。
このような問題では、2つの数を2次方程式の解と見立てることで解決します。2次方程式の係数や定数項が、2つの解の和と積に対応することを利用しています。
2つの数の和と積から2次方程式を作って解くと、2つの解を得ることができます。この2つの解が、求めたかった2つの数となります。
2次方程式の作成 2⃣
2次方程式を作るとき、係数が分数になることがあります。このような場合、両辺に適当な数を掛けて、最も簡単な整数を係数とする方程式にするのが一般的です。
例題を解いてみましょう。
例題2
例題2の解答・解説
和と積が与えられています。和と積から2数の組合せを探すのも可能かもしれません。しかし、簡単ではない組合せもあるので、意外と時間が掛かります。
組合せを手当たり次第に探すのではなく、2次方程式を作って解を求めます。
例題2の解答例 1⃣
2つの解を得ることができました。念のために題意を満たすか確認しておきます。実際には解答例2⃣を記述せず、暗算で済ませます。
例題2の解答例 2⃣
2つの解が題意を満たすことが確認できました。この2つの解が、求めたかった2数です。
解答例1⃣に続けるとすれば、以下のように記述します。
例題2の解答例 3⃣
平方根を含む2数なので、簡単には見つからない組合せです。
例題2では、2次方程式を利用して2つの数を求めています。2次方程式を利用できるのは、2つの解の和と積が係数や定数項に関係するからです。
和と積が与えられた2数の求め方
和と積から2数を求めるには、2次方程式を作って解を求めれば良い。2つの解が求めたい2数。
次は、2つの数を解とする2次方程式の作成を扱った問題を実際に解いてみましょう。