集合と論理|命題について

05/20/2017数学1数と式,集合と論理,命題,包含関係,条件

集合と論理

命題の真偽を集合や要素を利用して判定する

条件が真となる変数を集合や要素に置き換える

命題「 $p$ ならば $q$ ( $p \Rightarrow q$ )」の真偽を調べるとき、条件 $p \ , \ q$ が真となる変数の値を考えます。このとき、変数の値は複数ある場合がほとんどなので、集合や要素に置き換えると、命題の真偽を判定しやすくなります。

条件 $p$ が真となる変数の値を要素として、その集まりを集合 $P$ とします。同じようにして、条件 $q$ が真となる変数の値を要素として、その集まりを集合 $Q$ とします。

集合や要素への置き換え
(条件が真となる変数の値) = (要素)
(変数の値の集まり) = (要素の集まり、すなわち集合)

命題「 $p$ ならば $q$ ( $p \Rightarrow q$ )」が真であるとき、集合 $P$ の要素は、集合 $Q$ の要素でもあります。つまり集合 $P$ は集合 $Q$ の部分集合となるので、「 $P \subset Q$ 」が成り立ちます。

このことから、「命題 $p$ ならば $q$ ( $p \Rightarrow q$ )が真である」と「集合 $P \ , \ Q$ について、$P \subset Q$ 」は等価であることが分かります。

命題の真偽と集合・要素の関係

今後、命題「 $p$ ならば $q$ ( $p \Rightarrow q$ )」の真偽の判定では、集合や要素を利用しましょう。特にベン図を使うと、包含関係を可視化できます。また、条件 $p \ , \ q$ が不等式で与えられていれば、ベン図よりも数直線を利用しましょう。

仮定や結論が真となる変数の値は複数あるので、集合や要素に置き換えて考えよう。その際、ベン図を上手に使おう。

条件の否定

条件 $p$ に対して、条件 $p$ でないものを条件 $p$ の否定と言います。条件 $p$ の否定は、$p$ の上に横線を引いて $\overline{p}$ と表します。

この条件の否定も集合と要素に置き換えることができます。否定の表し方が補集合と同じ表し方だと気付いた人は、良く復習していると思います。

条件 $p$ を満たす変数の値(=要素)の集合を集合 $P$ とします。条件 $p$ の否定 $\overline{p}$ が真となる変数の値は、条件 $p$ が真となる変数の値以外です。

これを集合で言えば、集合 $P$ に属さない要素の集合となります。つまり条件 $p$ の否定 $\overline{p}$ が真となる変数の値を要素とする集合は、集合 $P$ の補集合 $\overline{P}$ になります。

このことから「条件 $p$ の否定 $\overline{p}$ 」と「集合 $P$ の補集合 $\overline{P}$ 」は等価であることが分かります。

条件の否定と補集合

条件の否定でもベン図を積極的に使おう。

ド・モルガンの法則を利用した命題の書き換え

条件の否定を扱った命題では、その真偽を判定するのが面倒な場合があります。そこで、条件の否定ならば、補集合に置き換え可能なことを利用します。

補集合を扱えるということは、「ド・モルガンの法則」も利用できるということです。

ド・モルガンの法則
\begin{align*}
\overline{P \cap Q} &= \overline{P} \cup \overline{Q} \\[ 5pt ]
\overline{P \cup Q} &= \overline{P} \cap \overline{Q}
\end{align*}

参考 集合と論理|共通部分・和集合・補集合について

ド・モルガンの法則を利用すれば、命題そのものを書き換え可能になるので、命題の真偽を判定しやすくなります。命題の書き換えは、ド・モルガンの法則をそのまま利用します。

ド・モルガンの法則を利用した命題の書き換え
\begin{align*}
\overline{p \ \text{かつ} \ q} \ &= \ \overline{p} \ \text{または} \ \overline{q} \\[ 5pt ]
\overline{p \ \text{または} \ q} \ &= \ \overline{p} \ \text{かつ} \ \overline{q}
\end{align*}

注意したいのは、記号とことばの対応関係です。共通部分の記号「$\cap$」は「かつ」ということばに対応し、和集合の記号「$\cup$」は「または」ということばに対応します。

ド・モルガンの法則の利用

数学はことばを数式に置き換える(=翻訳する)科目なので、日頃からことばと数式の対応関係に注意しよう。

次は実際に問題を解いてみましょう。