図形と方程式|円の方程式の一般形と図形について

数学2

図形と方程式 円、円と直線、2つの円

円の方程式の一般形と図形を扱った問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。

(1) 方程式 $x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}}+5x-3y+6=0$ はどんな図形を表すか。
(2) 方程式 $x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}}+6px-2py+28p+6=0$ が円を表すとき、定数 $p$ の値の範囲を求めよ。

問(1)の解答・解説

問(1)

方程式 $x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}}+5x-3y+6=0$ はどんな図形を表すか。

問(1)は、この単元での最も基本的な問題です。平方完成に慣れるための問題と言っても良いでしょう。

入試レベルでは問(1)のようにわざわざ出題されることはまれです。問われていなくても基本形に変形する習慣をつけておきましょう。

平方完成を利用して基本形に変形しましょう。

問(1)の解答例 1⃣

\begin{align*} &\text{与式より} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}}+5x-3y+6=0 \\[ 5pt ] &\quad \left\{ x^{\scriptsize{2}}+5x+\left( \frac{5}{2} \right)^{\scriptsize{2}} \right\}-\left( \frac{5}{2} \right)^{\scriptsize{2}}+\left\{ y^{\scriptsize{2}}-3y+\left( \frac{3}{2} \right)^{\scriptsize{2}} \right\}-\left( \frac{3}{2} \right)^{\scriptsize{2}}+6=0 \\[ 5pt ] &\quad \left\{ x^{\scriptsize{2}}+5x+\left( \frac{5}{2} \right)^{\scriptsize{2}} \right\}+\left\{ y^{\scriptsize{2}}-3y+\left( \frac{3}{2} \right)^{\scriptsize{2}} \right\}=\left( \frac{5}{2} \right)^{\scriptsize{2}}+\left( \frac{3}{2} \right)^{\scriptsize{2}}+6 \\[ 5pt ] &\quad \left( x+\frac{5}{2} \right)^{\scriptsize{2}}+\left( y-\frac{3}{2} \right)^{\scriptsize{2}}=\frac{10}{4} \end{align*}

平方完成に慣れてきたら、定数項を初めから右辺に記述した式(解答例1⃣の4行目)から始めると良いでしょう。

このままでも良いのですが、半径がはっきりするようにもう少し手を加えます。

問(1)の解答例 2⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 5pt ] &\quad \left( x+\frac{5}{2} \right)^{\scriptsize{2}}+\left( y-\frac{3}{2} \right)^{\scriptsize{2}}=\frac{10}{4} \\[ 5pt ] &\quad \left( x+\frac{5}{2} \right)^{\scriptsize{2}}+\left( y-\frac{3}{2} \right)^{\scriptsize{2}}=\left( \frac{\sqrt{10}}{2} \right)^{\scriptsize{2}} \\[ 5pt ] &\text{よって} \\[ 5pt ] &\quad \text{中心} \ \left(-\frac{5}{2} \ , \ \frac{3}{2} \right) \\[ 5pt ] &\quad \text{半径} \ \frac{\sqrt{10}}{2} \\[ 5pt ] &\text{の円を表す。} \end{align*}

中心や半径が必ず整数になるとは限りません。分数や平方根が出てくることも多いので計算ミスに気を付けましょう。

問(1)の別解例

分数が出てくると式変形が煩雑になります。このようなときには別解例の方が良いかもしれません。

問(1)の別解例

\begin{align*} &\text{与式より} \\[ 5pt ] &\quad 5^{\scriptsize{2}}+\left( -3 \right)^{\scriptsize{2}}-4 \cdot 6 \\[ 5pt ] &=25+9-24 \\[ 5pt ] &=10 > 0 \\[ 5pt ] &\text{よって、方程式は円を表す。} \\[ 5pt ] &\text{このとき、中心の座標は} \\[ 5pt ] &\quad -\frac{5}{2} \\[ 5pt ] &\quad -\frac{-3}{2}=\frac{3}{2} \\[ 5pt ] &\text{また、半径は} \\[ 5pt ] &\quad \frac{\sqrt{10}}{2} \\[ 5pt ] &\text{よって、方程式は} \\[ 5pt ] &\quad \left( x+\frac{5}{2} \right)^{\scriptsize{2}}+\left( y-\frac{3}{2} \right)^{\scriptsize{2}}=\left( \frac{\sqrt{10}}{2} \right)^{\scriptsize{2}} \\[ 5pt ] &\text{と変形でき、} \\[ 5pt ] &\quad \text{中心} \ \left(-\frac{5}{2} \ , \ \frac{3}{2} \right) \\[ 5pt ] &\quad \text{半径} \ \frac{\sqrt{10}}{2} \\[ 5pt ] &\text{の円を表す。} \end{align*}

別解であれば、平方完成よりも簡単に基本形を求めることができます。方程式が円を表すかどうかの判定もできるので、式変形に自信のない人には良いでしょう。

問(2)の解答・解説

問(2)

方程式 $x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}}+6px-2py+28p+6=0$ が円を表すとき、定数 $p$ の値の範囲を求めよ。

問(2)は例題(2)の類題です。与えられた方程式の係数や定数項に文字pが含まれていて、方程式が決まりません。ですから、方程式が円を表すとは言い切れません。ここでは、方程式が円を表すためのpの条件を求めます。

例題(2)と同じように、基本形に変形してから考えます。係数や定数項に文字pが含まれるので、変形ミスに気を付けましょう。

問(2)の解答例 1⃣

\begin{align*} &\text{与式より} \\[ 5pt ] &\quad x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}}+6px-2py+28p+6=0 \\[ 5pt ] &\quad \left( x^{\scriptsize{2}}+6px+9p^{\scriptsize{2}} \right)+\left( y^{\scriptsize{2}}-2py+p^{\scriptsize{2}} \right) = 9p^{\scriptsize{2}}+p^{\scriptsize{2}}-28p-6 \\[ 5pt ] &\quad \left( x+3p \right)^{\scriptsize{2}}+\left( y-p \right)^{\scriptsize{2}} = 10p^{\scriptsize{2}}-28p-6 \end{align*}

基本形への変形が終わったら、円の成立条件を利用して定数pについての不等式を導きます。

問(2)の解答例 2⃣

\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 5pt ] &\quad \left( x+3p \right)^{\scriptsize{2}}+\left( y-p \right)^{\scriptsize{2}} = 10p^{\scriptsize{2}}-28p-6 \\[ 5pt ] &\text{この方程式が円をみたすための条件は} \\[ 5pt ] &\quad 10p^{\scriptsize{2}}-28p-6 \gt 0 \\[ 5pt ] &\text{これを整理して解くと} \\[ 5pt ] &\quad 5p^{\scriptsize{2}}-14p-3 \gt 0 \\[ 5pt ] &\quad \left(p-3 \right) \left(5p+1 \right) \gt 0 \\[ 5pt ] &\text{よって} \\[ 5pt ] &\quad p \lt -\frac{1}{5} \ , \ 3 \lt p \end{align*}

文字x,yの2次の項があるとき、円を表すと考えましょう。実際に円を表すかどうかは基本形に変形してみれば分かります。また、円の成立条件を利用しても分かります。

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さいごにもう一度まとめ

  • 円の方程式には、基本形と一般形がある。
  • 一般形で与えられていれば、必ず基本形に変形しよう。
  • 一般形から基本形への変形では平方完成を利用しよう。
  • 円の成立条件は半径から得られる。
  • 中心や半径を求める式を覚えておけば、基本形への変形が楽になる。