図形と方程式|平面上の2点間の距離について

12/29/2019数学2絶対値,距離,図形と方程式

今回から「平面と方程式」という新しい章になります。ここでは、方程式から図形を描いたり、図形を方程式で表したりします。図形を扱うので、積極的に作図するように心掛けましょう。作図できるかどうかは入試ではかなり重要です。

また、この章で学習したことは、後から学習する「ベクトル」とも深く関わるので、学習しているときに定着させておきましょう。

直線上の点

数直線上の点の表し方

直線に等間隔に目盛りを振って、点の位置を特定できるようにしたのが数直線です。この数直線上に点があるとき、一次元なので、位置情報は1つで済みます。位置情報は座標のことです。たとえば、数直線上の点Aがaという位置にある場合、$A(a)$ と表します。

数直線上の2点間の距離

さて、このような数直線上にある2点間の距離を考えます。原点Oと点Aとの間の距離であれば、線分OAの長さとなります。これはすでに学習した点Aの絶対値で求めることができます。

数直線上の2点間の距離①
\begin{align*}
&\text{原点 $O$ と点 $A(a)$ の距離は} \\[ 5pt ]
&\quad OA=|a|
\end{align*}

このように点の座標を用いれば、2点間の距離を求めることができます。

これは、原点からの距離ではなく、原点以外の2点間の距離であっても同じように求めることができます。たとえば、数直線上に点 $A(a)$ と点 $B(b)$ があるとします。この2点間の距離を考えてみましょう。

2点間の距離の求め方には、点A,Bの位置関係によって2通りあります。点Aが点Bの左側にあるときと右側にあるときです。

数直線上の2点間の距離

数直線では、正の向き(右向き)に進めば進むほど座標が大きくなります。ですから、右側にある点の座標から左側にある点の座標を引き算することで距離を求めることができます。

数直線上の2点間の距離②
\begin{align*}
&\text{2点 $A(a) \ , \ B(b)$ 間の距離は} \\[ 5pt ]
&\quad \text{$a \leqq b$ ならば} \quad AB=b-a \\[ 7pt ]
&\quad \text{$a \gt b$ ならば} \quad AB=a-b \\[ 7pt ]
&\text{これらをまとめると} \\[ 5pt ]
&\quad AB=|b-a| \quad \text{または} \quad AB=|a-b|
\end{align*}

座標が数値で与えられる場合は良いですが、文字で与えられる場合だと「$a \gt b$ のとき」のように断りが必要になります。いちいち断りを入れるのは面倒なので、上述のように絶対値の記号で挟んだままであれば、どちらの座標から引き算した式であっても問題ありません。無難なのは「右にある点の座標から左にある点の座標を引く」ことです。

数直線上の2点間の距離を求めてみよう

数直線上の2点間の距離を求めてみましょう。

例題
\begin{align*}
&\text{次の2点間の距離を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad A(-3) \ , \ B(2) \\[ 7pt ]
&(2) \quad A(-2) \ , \ B(-5)
\end{align*}

例題(1)の解答・解説

例題(1)
\begin{align*}
&\text{次の2点間の距離を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad A(-3) \ , \ B(2)
\end{align*}

数直線上の2点間の距離を求める問題です。点Bは点Aよりも右側にある点です。

例題(1)の解答例
\begin{align*}
&\text{2点A,Bの距離は} \\[ 5pt ]
&\quad AB=|2-(-3)|=|5|=5 \\[ 7pt ]
&\text{[ 別解 ]} \\[ 5pt ]
&\quad AB=|-3-2|=|-5|=-(-5)=5 \\[ 7pt ]
\end{align*}

絶対値の記号を用いれば、どちらの点の座標から引き算しても問題ありません。

例題(2)の解答・解説

例題(2)
\begin{align*}
&\text{次の2点間の距離を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(2) \quad A(-2) \ , \ B(-5)
\end{align*}

例題(1)と同じように、数直線上の2点間の距離を求める問題です。点Aは点Bよりも右側にある点です。

例題(2)の解答例
\begin{align*}
&\text{2点A,Bの距離は} \\[ 5pt ]
&\quad AB=|-2-(-5)|=|3|=3 \\[ 7pt ]
&\text{[ 別解 ]} \\[ 5pt ]
&\quad AB=|-5-(-2)|=|-3|=-(-3)=3 \\[ 7pt ]
\end{align*}

平面上の点

平面上の点の表し方

平面上にある点の場合だと、直線上にある場合に比べて少しだけ複雑になります。二次元になるので、位置情報が増えるからです。

互いに垂直な数直線を用いて、点の位置を表す必要があります。グラフで用いられる x 軸と yのことです。横の位置情報と縦の位置情報をセットで扱うことで、点の位置を特定します。$A(1,2)$ などがそうです。

平面上の2点間の距離

このように平面上にある2点間の距離であっても、座標を用いれば求めることができます。x 軸方向の距離と y 軸方向の距離は、先程の数直線上の2点間の距離と同じ要領で求めます。これらを用いて図形的に2点間の距離を求めます。ここで利用する図形的な知識は、三平方の定理です。

平面上の2点間の距離

平面上の2点間の距離①
\begin{align*}
&\text{座標平面上の2点A $(x_{\scriptsize{1}},y_{\scriptsize{1}})$ , B $(x_{\scriptsize{2}},y_{\scriptsize{2}})$ 間の距離を求める。} \\[ 5pt ]
&\text{x軸方向の距離は} \\[ 5pt ]
&\quad |x_{\scriptsize{2}}-x_{\scriptsize{1}}| \\[ 7pt ]
&\text{y軸方向の距離は} \\[ 5pt ]
&\quad |y_{\scriptsize{2}}-y_{\scriptsize{1}}| \\[ 7pt ]
&\text{これと三平方の定理より} \\[ 5pt ]
&\quad AB^{\scriptsize{2}}=|x_{\scriptsize{2}}-x_{\scriptsize{1}}|^{\scriptsize{2}}+|y_{\scriptsize{2}}-y_{\scriptsize{1}}|^{\scriptsize{2}} \\[ 7pt ]
&\text{すなわち} \\[ 5pt ]
&\quad AB^{\scriptsize{2}}=\bigl(x_{\scriptsize{2}}-x_{\scriptsize{1}} \bigr)^{\scriptsize{2}}+\bigl(y_{\scriptsize{2}}-y_{\scriptsize{1}} \bigr)^{\scriptsize{2}} \\[ 7pt ]
&\text{$AB \gt 0$ より} \\[ 5pt ]
&\quad AB=\sqrt{\bigl(x_{\scriptsize{2}}-x_{\scriptsize{1}} \bigr)^{\scriptsize{2}}+\bigl(y_{\scriptsize{2}}-y_{\scriptsize{1}} \bigr)^{\scriptsize{2}}}
\end{align*}

特に、原点との距離は以下の通りです。

平面上の2点間の距離②
\begin{align*}
&\text{座標平面上の2点O $(0,0)$ , B $(x_{\scriptsize{1}},y_{\scriptsize{1}})$ 間の距離を求める。} \\[ 5pt ]
&\text{x軸方向の距離は} \\[ 5pt ]
&\quad |x_{\scriptsize{1}}| \\[ 7pt ]
&\text{y軸方向の距離は} \\[ 5pt ]
&\quad |y_{\scriptsize{1}}| \\[ 7pt ]
&\text{これと三平方の定理より} \\[ 5pt ]
&\quad OA^{\scriptsize{2}}=|x_{\scriptsize{1}}|^{\scriptsize{2}}+|y_{\scriptsize{1}}|^{\scriptsize{2}} \\[ 7pt ]
&\text{すなわち} \\[ 5pt ]
&\quad OA^{\scriptsize{2}}={x_{\scriptsize{1}}}^{\scriptsize{2}}+{y_{\scriptsize{1}}}^{\scriptsize{2}} \\[ 7pt ]
&\text{$OA \gt 0$ より} \\[ 5pt ]
&\quad OA=\sqrt{{x_{\scriptsize{1}}}^{\scriptsize{2}}+{y_{\scriptsize{1}}}^{\scriptsize{2}}}
\end{align*}

式を覚えることは容易いですが、どうしてそうなるのかを理解しておくと応用が利くようになります。

平面上の2点間の距離を求めてみよう

平面上の2点間の距離を求めてみましょう。

例題
\begin{align*}
&\text{次の2点間の距離を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad \quad A(-2 \ , \ 4) \ , \ B(7 \ , \ -3) \\[ 7pt ]
&(2) \quad \quad O(0 \ , \ 0) \ , \ A(-6 \ , \ 8)
\end{align*}

例題(1)の解答・解説

例題(1)
\begin{align*}
&\text{次の2点間の距離を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad \quad A(-2 \ , \ 4) \ , \ B(7 \ , \ -3)
\end{align*}

1つの点につき、2つの座標があるので、平面上の2点間の距離を求める問題です。公式に当てはめて計算しましょう。

例題(1)の解答例
\begin{align*}
&\text{2点A,Bの距離は} \\[ 5pt ]
&\quad AB=\sqrt{\bigl\{7-(-2) \bigr\}^{\scriptsize{2}}+\bigl(-3-4 \bigr)^{\scriptsize{2}}} \\[ 7pt ]
&\text{より} \\[ 5pt ]
&\quad AB=\sqrt{81+49} \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad AB=\sqrt{130}
\end{align*}

計算ミス、特に符号のミスに注意すれば易しい計算です。

例題(2)の解答・解説

例題(2)
\begin{align*}
&\text{次の2点間の距離を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(2) \quad \quad O(0 \ , \ 0) \ , \ A(-6 \ , \ 8)
\end{align*}

例題(1)と同じように、公式に当てはめて計算しましょう。

例題(2)の解答例
\begin{align*}
&\text{2点O,Aの距離は} \\[ 5pt ]
&\quad OA=\sqrt{\bigl(-6 \bigr)^{\scriptsize{2}}+8^{\scriptsize{2}}} \\[ 7pt ]
&\text{より} \\[ 5pt ]
&\quad OA=\sqrt{100} \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad OA=10
\end{align*}

2点のうち一方が原点の場合、2点間の距離はとても簡単な計算になります。

次は、平面上の2点間の距離を扱った問題を実際に解いてみましょう。