場合の数|円順列、重複順列について

05/20/2017数学A場合の数,重複順列,円順列,積の法則

場合の数と確率

重複順列の総数の数え方

重複順列では、重複を許して並べることができます。たとえば、2つの数から重複を許して3桁の数を作る場合を考えます。

各位の数の選び方は以下のようになります。

【百の位】2つの数から選ぶので2通り
【十の位】百の位の数それぞれについて、2つの数から選ぶので2通りずつ
【一の位】十の位の数それぞれについて、2つの数から選ぶので2通りずつ

積の法則が成り立つことが分かるので、3桁の数の作り方は $2 \times 2 \times 2$ つまり $2^{\tiny{3}}$ 通りになります。

このことは異なる $n$ 個のものから重複を許す場合でも成り立ちます。ですから、異なる $n$ 個のものから重複を許して $r$ 個取って並べた重複順列の総数は $n$ を $r$ 個掛けた $n^r$ となります。

重複順列のまとめ

重複順列は円順列に比べると考え方が分かりやすいので、順列の考え方が身に付いていれば、総数を簡単に求めることができます。

次は実際に問題を解いてみましょう。

演習問題を解いてみる

次の問題を考えてみましょう。

円順列や重複順列を扱った問題

第1問の解答・解説

第1問(i)
男子4人、女子3人の7人が手をつないで輪を作るとき、何通りの輪ができるか。

第1問(i)は「輪を作る」とあるので、円形に並べる円順列の総数を求める問題です。7人の円順列は、特定の1人に対する残り6人の順列と考えることができます。

第1問(i)の解答例
\begin{equation*}
(7-1)! = 6!
\end{equation*}

公式にそのまま当てはめるだけでなく、どのように捉えるのかも確認しながら立式しましょう。

円順列は特定の1人に対する残りの順列。
第1問(ii)
男子4人、女子3人の7人が手をつないで輪を作るとき、女子3人が隣り合うような並び方は何通りあるか。

第1問(ii)は「女子3人が隣り合う」とあるので、女子3人を1人として扱う問題です。

女子3人を1人として扱うと、男女5人の円順列になります。このときの円順列の総数は $(5-1)!=4!$ 通りあります。ただし、これで終わりではないので注意しましょう。

円順列の1つの並び方について、女子3人の並び方を変えると異なる並び方として扱えます。ですから、女子3人の並び方も考える必要があります。

円順列の1つの並び方のそれぞれについて、女子3人の並び方は $3!$ 通りずつあるので、積の法則を利用して立式します。

第1問(ii)の解答例
\begin{equation*}
(5-1)! \times 3! =4! \times 3!
\end{equation*}
隣り合うときはひとまとめにして扱う。ただし、ひとまとめにした部分の扱いも忘れない。

解答例の続きは以下のようになります

円順列や重複順列を扱った問題第1問の解答例

第2問の解答・解説

第2問(i)
1~5の5つの数から重複を許して3桁の整数をつくるとき、全部でいくつの整数ができるか。

第2問(i)は「同じ数字を繰り返し使っても良い(=重複を許す)」とあるので、重複順列の総数を求める問題です。

各位の数の選び方は以下のようになります。

【百の位】5つの数から選ぶので5通り
【十の位】百の位の数それぞれについて、5つの数から選ぶので5通りずつ
【一の位】十の位の数それぞれについて、5つの数から選ぶので5通りずつ

積の法則を利用して立式します。なお、公式では $n=5 \ , \ r=3$ のときです。

第2問(i)の解答例
\begin{equation*}
5^3 = 5 \times 5 \times 5
\end{equation*}
第2問(ii)
1~5の5つの数から重複を許して3桁の整数をつくるとき、偶数はいくつできるか。

つくった整数が偶数であるためには、一の位の数が偶数でなければなりません。各位の数の選び方は以下のようになります。

【百の位】5つの数から選ぶので5通り
【十の位】百の位の数それぞれについて、5つの数から選ぶので5通りずつ
【一の位】十の位の数それぞれについて、2 , 4から選ぶので2通りずつ

積の法則を利用して立式します。なお、百の位と十の位では重複が許されるので重複順列です。

第2問(ii)の解答例
\begin{equation*}
5^2 \times 2 = 5 \times 5 \times 2
\end{equation*}

解答例の続きは以下のようになります。

円順列や重複順列を扱った問題第2問の解答例

第2問(ii)の別解

数字を並べて整数をつくるとき、高い位から順に数の選び方を考えるのが基本です。しかし、偶数や4の倍数などの条件があれば、その条件に関わる位の数から先に考える方が解きやすい場合があります。

第2問(ii)であれば、以下のように考えます。

【一の位】2,4から選ぶので2通り
【百の位】一の位の数それぞれについて、5つの数から選ぶので5通りずつ
【十の位】百の位の数それぞれについて、5つの数から選ぶので5通りずつ

樹形図を書けば、違いが良く分ります。百の位から選んだ場合、樹は5つできますが、一の位から選んだ場合、樹は2つで済みます。

このときの式は以下のようになります。答えは同じですが、過程が異なります。

第2問(ii)の解答例
\begin{equation*}
2 \times 5^2 = 2 \times 5 \times 5
\end{equation*}

今回扱った問題は、難しく感じたかもしれませんが、これでも基本レベルの問題です。今後は、公式に代入するだけで解ける単純な問題は少なくなります。公式の使い処をよく考えないと間違えてしまう問題が増えるということです。

このような問題に対応するためには、問題をしっかり読み、どのようにして場合の数を数え上げるのかを吟味する必要があります。考え方や解法は少ないので、類題を多くこなしてマスターしましょう。

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さいごに、もう一度、頭の中を整理しよう

  • 円順列では、ずれた並びは同じ扱い。
  • 円順列は、特定の1つ(1人)について残りの順列に相当。
  • 重複順列では、重複を許して並べて良い。
  • 重複順列の総数は、累乗の形で表される。
  • 条件がある場合は、まず条件を満たすことから考えよう。