複素数と方程式|複素数の相等について

今回は、複素数の相等について学習しましょう。ここでは、複素数の相等がどんなときに成り立つのかを理解するのが大切です。
複素数の相等
複素数は、実数と虚数を含む数です。ですから、複素数は実部と虚部に分けて表されます。
このような複素数を表すために、虚数単位というものを用います。
複素数と虚数単位
ここで大切なのは、「実部と虚部はともに実数である」ことです。虚数は虚数単位iを用いて表されます。
このように表される複素数が2つあるとします。2つの複素数が等しいとき、複素数の相等が成り立ちます。ただし、複素数の相等が成り立つのは、実部と虚部がともに実数であるときに限ります。
実部と虚部がともに実数であることは、複素数の相等について考えるときにとても重要な条件となります。
複素数の相等
複素数の相等に限りませんが、複素数を扱うときには、つねに (実数)+(実数)iの形を作ることを意識しましょう。
複素数は、つねに (実数)+(実数)iの形で表す。
実部と虚部が実数であることの重要性
複素数の相等を考えるとき、実部と虚部がともに実数であることがとても重要です。この条件がなければ、どのようなことが起こるのかを考えてみましょう。
実部や虚部が実数である条件がないとき
実部と虚部が実数でないとき、両辺の実部や虚部がそれぞれ等しくなくても等式が成り立つというおかしな状態になってしまいます。つまり、何でもありになって、aやbの値が一意に定まらない状況になります。
このことから、複素数の相等を考えるとき、両辺の実部や虚部をそれぞれ比較できるのは、実部と虚部がともに実数であるからこそだと分かります。そのためにも実部と虚部がともに実数であるという条件は欠かせません。
条件の断りを忘れずに記述するのは、この条件が成り立っているかを確認する上でも必要な手続きです。
複素数の相等を利用してみよう
複素数の相等について、次の例題を解いてみましょう。
例題
例題(1)の解答・解説
例題(1)
複素数の実部と虚部を区別できるように、与式の左辺を展開して整理します。
例題(1)の解答例 1⃣
等式が成り立つのは、両辺の実部と虚部がそれぞれ等しくなるときです。両辺の実部と虚部をそれぞれ比較します。
例題(1)の解答例 2⃣
両辺の実部と虚部の比較では、複素数の相等を利用します。そのためには、実部と虚部がともに実数であることが条件です。x,yは実数であるので、それらの和や差も実数となります。
複素数の相等を利用するときには、「~は実数なので、~も実数」という断りを記述しておきましょう。記述がなければ、減点対象になるので注意しましょう。
実部と虚部を比較すると、実数x,yについての方程式を2つ導くことができます。これらを連立して解きます。
例題(1)の解答例 3⃣
感覚的には、恒等式の問題と変わりません。特に注意したいのは、断りを記述することです。
例題(2)の解答・解説
例題(2)
複素数の実部と虚部を区別できるように、等式を整理します。(1)と同じように、左辺を変形しても良いですが、ここでは異なる方法で整理します。
左辺を見ると、求めたい実数x,yは2つ目のカッコ内にすべてあることに気付きます。このことに注目して変形します。
例題(2)の解答例 1⃣
右辺を整理します。分母を実数化します。このとき、共役な複素数を利用しましょう。
例題(2)の解答例 2⃣
等式が成り立つのは、両辺の実部と虚部がそれぞれ等しくなるときです。両辺の実部と虚部をそれぞれ比較します。
例題(2)の解答例 3⃣
両辺の実部と虚部の比較では、複素数の相等を利用します。そのためには、実部と虚部がともに実数であることが条件です。x,yは実数であるので、それらの倍数も実数となります。断りを忘れずに記述しましょう。
実部と虚部を比較すると、実数x,yについての方程式を2つ導くことができます。これらを連立して解きます。
例題(2)の解答例 4⃣
複素数の相等を扱った問題では、左辺や右辺を整理する必要があります。(2)のように、基本通り展開しないやり方もあります。変形の方法は複数あるので、ミスの少ない方法を選択しましょう。
次は、複素数の相等を扱った問題を実際に解いてみましょう。