図形と方程式|座標を利用した証明(垂心)について
座標を利用した証明(垂心)を扱った問題を解いてみよう
次の問題を解いてみましょう。
問
$xy$ 平面上に $3$ 点 $A(2 \ , \ -2) \ , \ B(5 \ , \ 7) \ , \ C(6 \ , \ 0)$ がある。$\triangle {ABC}$ の各辺の垂直二等分線は $1$ 点で交わることを証明せよ。
問の解答・解説
問のように、各辺の垂直二等分線は1点で交わります。この点のことを外心と言います。問は、外心ができることの証明です。
問題文を読みながら作図してみましょう。単なる垂線ではなく、各辺の中点を通る垂直二等分線を作図しなければなりません。
垂心のときと基本的な流れは変わりませんが、垂直二等分線の方程式なので、傾きだけでなく、中点の座標も必要になります。まず、直線ACの垂直二等分線を求めます。
問の解答例 1⃣
線分 $AC$ の中点の座標は
\begin{align*} \quad \left(\frac{2+6}{2} \ , \ \frac{-2+0}{2} \right) \end{align*}すなわち
\begin{align*} \quad (4 \ , \ -1) \end{align*}直線 $AC$ の傾きは
\begin{align*} \quad \frac{0-(-2)}{6-2}=\frac{1}{2} \end{align*}よって、直線 $AC$ の垂直二等分線は点 $(4 \ , \ -1)$ を通り、その傾きは $-2$ である。
したがって、直線 $AC$ の垂直二等分線の方程式は
\begin{align*} \quad y-\left(-1 \right)=-2 \left(x-4 \right) \end{align*}すなわち
\begin{align*} \quad y=-2x+7 \quad \cdots \text{①} \end{align*}次に、直線ABの垂直二等分線を求めます。
問の解答例 2⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad y=-2x+7 \quad \cdots \text{①} \end{align*}線分 $AB$ の中点の座標は
\begin{align*} \quad \left(\frac{2+5}{2} \ , \ \frac{-2+7}{2} \right) \end{align*}すなわち
\begin{align*} \quad \left(\frac{7}{2} \ , \ \frac{5}{2} \right) \end{align*}直線 $AB$ の傾きは
\begin{align*} \quad \frac{7-(-2)}{5-2}=3 \end{align*}よって、直線 $AB$ の垂直二等分線は点
\begin{align*} \quad \left(\frac{7}{2} \ , \ \frac{5}{2} \right) \end{align*}を通り、その傾きは
\begin{align*} \quad -\frac{1}{3} \end{align*}である。
したがって、直線 $AB$ の垂直二等分線の方程式は
\begin{align*} \quad y-\left(\frac{5}{2} \right)=-\frac{1}{3} \left(x-\frac{7}{2} \right) \end{align*}すなわち
\begin{align*} \quad x+3y-11=0 \quad \cdots \text{②} \end{align*}直線ABの垂直二等分線の方程式(②式)が一般形となっているのは、傾きや切片が分数となるからです。
①,②式の連立方程式を解くとき、加減法ではなく、代入法で解けるので、①式に合わせなくても問題ありません。
直線ACの垂直二等分線と直線ABの垂直二等分線との交点の座標を求めます。①,②式を連立して解きます。
問の解答例 3⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad y=-2x+7 \quad \cdots \text{①} \\[ 7pt ] &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad x+3y-11=0 \quad \cdots \text{②} \end{align*}方程式①,②を連立させて解く。
①を②に代入して
\begin{align*} \quad x+3 \left(-2x+7 \right)-11=0 \end{align*}より
\begin{align*} \quad x=2 \end{align*}また
\begin{align*} \quad y=3 \end{align*}したがって、$2$ 直線①,②の交点の座標は
\begin{align*} \quad (2 \ , \ 3) \end{align*}さいごに、線分BCの垂直二等分線の方程式を求め、この直線上に点(2,3)があるか確認します。
問の解答例 4⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad (2 \ , \ 3) \end{align*}線分 $BC$ の中点の座標は
\begin{align*} \quad \left(\frac{5+6}{2} \ , \ \frac{7+0}{2} \right) \end{align*}すなわち
\begin{align*} \quad \left(\frac{11}{2} \ , \ \frac{7}{2} \right) \end{align*}直線 $BC$ の傾きは
\begin{align*} \quad \frac{0-7}{6-5}=-7 \end{align*}よって、直線 $BC$ の垂直二等分線は点
\begin{align*} \quad \left(\frac{11}{2} \ , \ \frac{7}{2} \right) \end{align*}を通り、その傾きは
\begin{align*} \quad \frac{1}{7} \end{align*}である。
したがって、直線 $BC$ の垂直二等分線の方程式は
\begin{align*} \quad y-\left(\frac{7}{2} \right)=\frac{1}{7} \left(x-\frac{11}{2} \right) \end{align*}すなわち
\begin{align*} \quad x-7y+19=0 \quad \cdots \text{③} \end{align*}直線BCの垂直二等分線の方程式も分数を嫌って一般形で表しています。
先ほど得られた2直線①,②の交点の座標を代入して、方程式③の解であることを確かめます。直線の方程式を満たす解は、直線上にある点の座標です。
問の解答例 5⃣
\begin{align*} &\quad \vdots \\[ 7pt ] &\quad x-7y+19=0 \quad \cdots \text{③} \end{align*}③の左辺に $x=2 \ , \ y=3$ を代入すると
\begin{align*} \quad 2-7 \cdot 3+19=2-21+19=0 \end{align*}となり、$x=2 \ , \ y=3$ は③を満たすので、点 $(2 \ , \ 3)$ は直線③上にある。
したがって、$\triangle {ABC}$ の各辺の垂直二等分線は $1$ 点 $(2 \ , \ 3)$ で交わる。
証明するために、2直線の垂直条件や中点の座標など、すでに学習した事項を適切に利用しなければなりません。忘れた事柄がないか確認しながら進めていきましょう。
3直線が交わることの証明
2直線の交点の座標を求めて、残りの直線上にあることを示すのが一般的。
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さいごにもう一度まとめ
- 垂心や外心の証明では、2直線の垂直条件から傾きを求めよう。
- 外心の証明では、線分の中点の座標を求めよう。
- 直線の方程式を求めるときには、傾きと1点の座標を用いることが多い。
- 直線の方程式を表すとき、係数によっては一般形を利用しよう。
- 3直線が1点で交わることの証明では、2直線の交点が残りの直線上にあることを示そう。