図形と方程式|座標を利用した証明について

座標を利用した証明を扱った問題を解いてみよう
次の問題を解いてみましょう。
問
問(1)の解答・解説
問(1)
例題と同じ要領で座標軸を定めます。
問(1)の解答例 1⃣
座標軸が定まったら、点の座標を定義します。変数をできるだけ少なくしましょう。
問(1)の解答例 2⃣
問(1)では、重心Gが出てこないので、解答例のように頂点Aの座標を定義します。また、頂点B,Cの座標は原点(またはy軸)に関して対称なので、同じ変数を利用します。
作図すると以下の通りです。作図は、答案を作成する前に済ませておきましょう。
座標軸や座標が定まれば、後は計算だけです。必ず等式が成り立つはずなので、焦らず計算しましょう。左辺を計算します。
問(1)の解答例 3⃣
同様にして、右辺を計算します。
問(1)の解答例 4⃣
線分BMは、x軸上にある2点間の距離なので、x座標の差で表されます。
与式を導くには、②式を①式に代入します。すると、等式が成り立つことを示せます。
問(1)の解答例 5⃣
この等式を中線定理と言います。また、パップスの定理と言うこともあります。意外と役立つ等式なので、覚えておくと良いでしょう。
問(2)の解答・解説
問(2)
座標軸を定めます。このとき、点Dは中点ではありませんが、原点と重なるようにします。
問(2)の解答例 1⃣
座標軸が定まったら、点の座標を定義します。もちろん「変数はできるだけ少なく」です。
問(2)の解答例 2⃣
点B,Cの座標に注意しましょう。同じ文字を用いることができますが、点Dが辺BCを3:2に内分する点なので、原点に関して対称ではありません。
作図すると以下の通りです。答案を作成する前に作図を済ませておきましょう。
座標軸や座標が定まれば、左辺と右辺をそれぞれ計算します。等式の証明問題なので、必ず等式が成り立ちます。焦らず計算しましょう。左辺から計算します。
問(2)の解答例 3⃣
同様にして、右辺を計算します。
問(2)の解答例 4⃣
線分BDは、x軸上にある2点間の距離なので、x座標の差で表されます。
与式を導くには、①,②式を変形する必要があります。①,②式には共通の式があるので、それを利用すると等式が成り立つことを示せます。
問(2)の解答例 5⃣
左辺と右辺の計算では、素直に展開するだけではなく、共通因数でくくるなどして要領よく計算しましょう。
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さいごにもう一度まとめ
- 等式の証明では、座標を利用すると簡単な場合がある。
- 座標軸の定め方に注意しよう。
- 中点や内分点が原点と重なるようにしよう。
- 三角形の底辺がx軸と重なるようにしよう。
- 対称性を利用するなどして、変数をできるだけ少なくして座標を決めよう。