図形と方程式|2直線の平行条件や垂直条件について

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今回は、2直線の平行条件や垂直条件について学習しましょう。複数の直線を扱うことは頻繁にあり、それらの関係を考える問題もよく出題されます。

ここでは、平行や垂直という特徴的な関係が成り立つ条件について学習します。頻出の単元なので、演習をこなしておきましょう。

2直線の平行条件や垂直条件

2直線の平行条件

2直線が平行となるのは、2直線の間の距離がつねに一定であるときです。

2直線の平行または垂直であるときの図

少し異なる視点で見ると、座標平面上における2直線が平行となるのは、直線と x 軸とのなす角がともに等しくなるときです。

2直線の平行であるときの図

直線と x 軸とのなす角とは傾きのことです。ですから、2直線が平行となるのは、直線の方程式で言えば、傾きの値がともに等しくなるときであると言えます。

2直線の平行条件①
\begin{align*}
&\text{2直線の方程式を} \\[ 5pt ]
&\quad y=m_{1}x+n_{1} \ , \ y=m_{2}x+n_{2} \\[ 7pt ]
&\text{とするとき、2直線が平行であれば} \\[ 5pt ]
&\quad m_{1}=m_{2} \\[ 7pt ]
&\text{が成り立つ。}
\end{align*}

ある直線に平行な直線の傾きを知りたいだけならば、この条件で足ります。しかし、問題によっては、直線の方程式において、特定の項の係数を求める問題も出題されます。そういうわけで、一般形から導かれる平行条件も知っておく必要があります。

2直線の平行条件②
\begin{align*}
&\text{2直線の方程式を} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}x+b_{1}y+c_{1}=0 \ , \ a_{2}x+b_{2}y+c_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{とするとき、2直線が平行であれば} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1} b_{2}-a_{2} b_{1}=0 \\[ 7pt ]
&\text{が成り立つ。}
\end{align*}

平行条件②の式は、2直線の方程式の係数が満たす関係式で、平行条件①の式を利用して得られます。導出してみましょう。

平行条件②の導出
\begin{align*}
&\text{2直線の方程式を} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}x+b_{1}y+c_{1}=0 \quad \text{…①} \\[ 7pt ]
&\quad a_{2}x+b_{2}y+c_{2}=0 \quad \text{…②} \\[ 7pt ]
&\text{とする。} \\[ 5pt ]
&\text{[1] $b_{1} \neq 0 \ , \ b_{2} \neq 0$ のとき} \\[ 5pt ]
&\text{①より} \\[ 5pt ]
&\quad y=-\frac{a_{1}}{b_{1}} x-\frac{c_{1}}{b_{1}} \\[ 7pt ]
&\text{②より} \\[ 5pt ]
&\quad y=-\frac{a_{2}}{b_{2}} x-\frac{c_{2}}{b_{2}} \\[ 7pt ]
&\text{2直線が平行であるための条件は} \\[ 5pt ]
&\quad -\frac{a_{1}}{b_{1}}=-\frac{a_{2}}{b_{2}} \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1} b_{2}-a_{2} b_{1}=0 \\[ 7pt ]
&\text{[2] $b_{1}=0$ のとき} \\[ 5pt ]
&\text{①より} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}x+c_{1}=0 \quad \text{…③} \\[ 7pt ]
&\text{③はx軸に垂直な直線となるので、} \\[ 5pt ]
&\text{③と②が平行であるためには} \\[ 5pt ]
&\quad b_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad b_{1}=b_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{したがって} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1} b_{2}-a_{2} b_{1}=0 \\[ 7pt ]
&\text{が成り立つ。また、この逆も成り立つ。} \\[ 5pt ]
&\text{[3] $b_{2}=0$ のとき} \\[ 5pt ]
&\quad \text{[2]と同様にして成り立つ。} \\[ 5pt ]
&\text{[1],[2],[3]より、2直線①,②が平行であるとき} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1} b_{2}-a_{2} b_{1}=0
\end{align*}

このように2直線の平行条件は、傾きで考えた場合と、方程式の係数で考えた場合の2通りの表し方があります。傾きを求めたいのか、それとも方程式の係数を求めたいのかに応じて使い分けましょう。

2直線の平行条件①+②
\begin{align*}
&\text{2直線} \\[ 5pt ]
&\quad y=m_{1}x+n_{1} \\[ 7pt ]
&\quad y=m_{2}x+n_{2} \\[ 7pt ]
&\text{が平行であるとき} \\[ 5pt ]
&\quad m_{1}=m_{2} \quad \text{(平行条件)} \\[ 7pt ]
&\text{また、2直線} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}x+b_{1}y+c_{1}=0 \\[ 7pt ]
&\quad a_{2}x+b_{2}y+c_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{が平行であるとき} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1} b_{2}-a_{2} b_{1}=0 \quad \text{(平行条件)}
\end{align*}

一般形の係数から導く平行条件は、2直線の方程式を上下に並べておき「たすき掛けに係数を掛けてから引く」と導出できます。

2直線の垂直条件

2直線が垂直となるのは、2直線のなす角が90度になるときです。

2直線の平行または垂直であるときの図

このように2直線が垂直となるときの条件は、以下のようになります。

2直線の垂直条件①
\begin{align*}
&\text{2直線の方程式を} \\[ 5pt ]
&\quad y=m_{1}x+n_{1} \ , \ y=m_{2}x+n_{2} \\[ 7pt ]
&\text{とするとき、2直線が垂直であれば} \\[ 5pt ]
&\quad m_{1} m_{2}=-1 \\[ 7pt ]
&\text{が成り立つ。}
\end{align*}

垂直条件を導出するにあたって少し工夫しておきます。2直線が垂直であるとき、2直線を平行移動しても垂直であることは変わりません。直線の方程式を簡単にするために、原点を通るように平行移動します。

垂直な2直線の図その1

さらに、以下の図のような直角三角形を考えます。

垂直な2直線の図その2

垂直条件①の導出
\begin{align*}
&\text{2直線の方程式を} \\[ 5pt ]
&\quad y=m_{1}x+n_{1} \\[ 7pt ]
&\quad y=m_{2}x+n_{2} \\[ 7pt ]
&\text{とする。これらを原点を通るように平行移動すると} \\[ 5pt ]
&\quad y=m_{1}x \\[ 7pt ]
&\quad y=m_{2}x \\[ 7pt ]
&\text{また、$A(1 \ , \ m_{1}) \ , \ B(1 \ , \ m_{2})$ とすると} \\[ 5pt ]
&\text{△OABは $\angle A =90^{\circ}$ の直角三角形となる。} \\[ 5pt ]
&\text{よって、三平方の定理より} \\[ 5pt ]
&\quad AB^{\scriptsize{2}}=OA^{\scriptsize{2}}+OB^{\scriptsize{2}} \\[ 7pt ]
&\text{ここで} \\[ 5pt ]
&\quad AB=m_{1}-m_{2} \\[ 7pt ]
&\quad OA^{\scriptsize{2}}={m_{1}}^{\scriptsize{2}}+1 \quad \text{(三平方の定理)} \\[ 7pt ]
&\quad OB^{\scriptsize{2}}={m_{2}}^{\scriptsize{2}}+1 \quad \text{(三平方の定理)} \\[ 7pt ]
&\text{であるので} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl( m_{1}-m_{2} \bigr)^{\scriptsize{2}}=\bigl( {m_{1}}^{\scriptsize{2}}+1 \bigr)+\bigl( {m_{2}}^{\scriptsize{2}}+1 \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{整理すると} \\[ 5pt ]
&\quad m_{1} m_{2}=-1
\end{align*}

この垂直条件は、垂直な2直線であれば必ず成り立ちます。

平行条件と同じように、一般形から導かれる垂直条件も知っておく必要があります。

2直線の垂直条件②
\begin{align*}
&\text{2直線の方程式を} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}x+b_{1}y+c_{1}=0 \ , \ a_{2}x+b_{2}y+c_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{とするとき、2直線が平行であれば} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1} b_{1}+a_{2} b_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{が成り立つ。}
\end{align*}

垂直条件②の式は、2直線の方程式の係数が満たす関係式で、垂直条件①の式を利用して得られます。導出してみましょう。

垂直条件②の導出
\begin{align*}
&\text{2直線の方程式を} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}x+b_{1}y+c_{1}=0 \quad \text{…①} \\[ 7pt ]
&\quad a_{2}x+b_{2}y+c_{2}=0 \quad \text{…②} \\[ 7pt ]
&\text{とする。} \\[ 5pt ]
&\text{[1] $b_{1} \neq 0 \ , \ b_{2} \neq 0$ のとき} \\[ 5pt ]
&\text{①より} \\[ 5pt ]
&\quad y=-\frac{a_{1}}{b_{1}} x-\frac{c_{1}}{b_{1}} \\[ 7pt ]
&\text{②より} \\[ 5pt ]
&\quad y=-\frac{a_{2}}{b_{2}} x-\frac{c_{2}}{b_{2}} \\[ 7pt ]
&\text{2直線が垂直であるための条件は} \\[ 5pt ]
&\quad \biggl(-\frac{a_{1}}{b_{1}} \biggr)\biggl(-\frac{a_{2}}{b_{2}} \biggr)=-1 \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1} b_{1}+a_{2} b_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{[2] $b_{1}=0$ のとき} \\[ 5pt ]
&\text{①より} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}x+c_{1}=0 \quad \text{…③} \\[ 7pt ]
&\text{③はx軸に垂直な直線となるので、} \\[ 5pt ]
&\text{③と②が垂直であるためには} \\[ 5pt ]
&\quad a_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad a_{2}=b_{1}=0 \\[ 7pt ]
&\text{したがって} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1} b_{1}+a_{2} b_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{が成り立つ。また、この逆も成り立つ。} \\[ 5pt ]
&\text{[3] $b_{2}=0$ のとき} \\[ 5pt ]
&\quad \text{[2]と同様にして成り立つ。} \\[ 5pt ]
&\text{[1],[2],[3]より、2直線①,②が垂直であるとき} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1} b_{1}+a_{2} b_{2}=0
\end{align*}

2直線の垂直条件も平行条件と同じように、傾きで考えた場合と、方程式の係数で考えた場合の2通りの表し方があります。傾きを求めたいのか、それとも方程式の係数を求めたいのかに応じて使い分けましょう。

2直線の垂直条件①+②
\begin{align*}
&\text{2直線} \\[ 5pt ]
&\quad y=m_{1}x+n_{1} \\[ 7pt ]
&\quad y=m_{2}x+n_{2} \\[ 7pt ]
&\text{が垂直であるとき} \\[ 5pt ]
&\quad m_{1} m_{2}=-1 \quad \text{(垂直条件)} \\[ 7pt ]
&\text{また、2直線} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}x+b_{1}y+c_{1}=0 \\[ 7pt ]
&\quad a_{2}x+b_{2}y+c_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{が垂直であるとき} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1} b_{1}+a_{2} b_{2}=0 \quad \text{(垂直条件)}
\end{align*}

一般形の係数から導く垂直条件は、2直線の方程式を上下に並べておき「上下に並んだ係数を掛けてから足す」と導出できます。

2直線が平行か垂直かを調べてみよう

2直線の関係を調べてみましょう。

例題
\begin{align*}
&\quad \text{次の2直線は、平行であるか。また、垂直であるか。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad y=-3x+1 \ , \ y=-3x-2 \\[ 5pt ]
&(2) \quad y=2x+4 \ , \ y=-\frac{1}{2}x+3
\end{align*}

例題(1)の解答・解説

例題(1)
\begin{align*}
&\quad \text{次の2直線は、平行であるか。また、垂直であるか。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad y=-3x+1 \ , \ y=-3x-2
\end{align*}

2直線の傾きを調べます。一般形ではないので、すぐに分かります。

例題(1)の解答例
\begin{align*}
&\text{2直線の傾きはともに $-3$ で一致するので、} \\[ 5pt ]
&\text{2直線は平行である。}
\end{align*}

2直線の傾きが一致すれば、2直線は平行です。

例題(2)の解答・解説

例題(2)
\begin{align*}
&\quad \text{次の2直線は、平行であるか。また、垂直であるか。} \\[ 5pt ]
&(2) \quad y=2x+4 \ , \ y=-\frac{1}{2}x+3
\end{align*}

例題(1)と同じ要領で解きます。

例題(2)の解答例
\begin{align*}
&\text{2直線の傾きの積は} \\[ 5pt ]
&\quad 2 \times \biggl(-\frac{1}{2} \biggr)=-1 \\[ 7pt ]
&\text{であるので、2直線は垂直である。}
\end{align*}

2直線の傾きが一致しなければ、垂直である可能性を考えましょう。

次は、2直線の平行条件や垂直条件を扱った問題を実際に解いてみましょう。