中学数学|正負の数の加減算について

06/25/2016中学数学絶対値,符号,正負の数,加減算

正負の数の加減算をはじめから学びなおす

正負の数の減算

次の減算について、数直線を利用して言葉に置き換えてみます。

\begin{align*}
1.\quad \left( +1 \right) -\left( +3 \right) \\[ 10pt ]
2.\quad \left( +1 \right) -\left( -3 \right)
\end{align*}

減算の式を言葉で考えるとき、減算(減法)の計算記号-は「引く」「減じる」「戻る」などの言葉に置き換えます。

注目したいのは、符号の指定する向きと、点の実際の動きです。1番目の式では以下のようになります。

正の数どうしの減算

\begin{align*}
1.\quad &\left( +1 \right) -\left( +3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &-2
\end{align*}
  • 正の向きに絶対値が1である+1に対応する点に対して、
  • 正の向きを向いて、絶対値が3のぶんだけ戻す(=引く)と、
  • その結果、+1に対応する点は-2対応する点に移動した。

正負の数の減算が面白くて難しいのは、減算のために引くつまり戻す必要があるので、符号が示す向きとは逆向きに進んでしまうところです。

正負の数の減算では、結果的に符号の示す向きとは逆向きに進める。

2番目の減算も同様に考えると、以下のようになります。

正の数と負の数の減算

\begin{align*}
2.\quad &\left( +1 \right) -\left( -3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+4
\end{align*}
  • 正の向きに絶対値が1である+1に対応する点に対して、
  • 負の向きを向いて、絶対値が3のぶんだけ戻す(=引く)と、
  • その結果、+1に対応する点は+4対応する点に移動した。

今度は負の向きを指定されましたが、結果としては逆向きに進んだことになっています。

減算から分かるルール

正負の数の減算では、どんな規則性が見られるのか考えてみます。符号が指定する向きと、実際の移動に関わる部分に下線を引いてみます。

\begin{align*}
1.\ \left( +1 \right) \underline{-}\left( \underline{+}3 \right) \\[ 10pt ]
2.\ \left( +1 \right) \underline{-}\left( \underline{-}3 \right)
\end{align*}

下線部分だけを、言葉に置き換えてみます。減算記号と数の符号との組み合わせで違いがあります。

  • 正の向きを向いて、引く(戻す)=正の向きと逆向きに進める=負の向きに進める(足す)
  • 負の向きを向いて、引く(戻す)=負の向きと逆向きに進める=正の向きに進める(足す)

このように減算は言葉に置き換えて考えていくと、加算と同じ表現になります。

減算を加算に置き換えるには、減算の計算記号の後ろにある符号に注目。

式で書き換えると以下のようになります。

\begin{align*}
1.\quad &\left( +1 \right) \underline{-}\left( \underline{+}3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &\left( +1 \right) \underline{+}\left( \underline{-}3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &-2 \\[ 10pt ]
2.\quad &\left( +1 \right) \underline{-}\left( \underline{-}3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &\left( +1 \right) \underline{+}\left( \underline{+}3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+4
\end{align*}
正負の数の減算では、「正の数を引く」は「負の数を足す」、「負の数を引く」は「正の数を足す」ことに等しい。

加減算を加算に統一するメリット

減算を加算で表せることで、正負の数の加減算はすべて加算に統一できます。そのメリットは非常に大きいです。

計算がすべて加算であれば、交換法則結合法則を利用できます。それに、多項式であれば、加算の計算記号やカッコを省略して、簡略化した表記もできます。

先ほどの加減算で、加算の計算記号やカッコを省略すると、以下のようになります。

\begin{align*}
1.\quad &\left( +1 \right) +\left( +3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+1+3 \\[ 10pt ]
2.\quad &\left( +1 \right) +\left( -3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+1-3 \\[ 10pt ]
3.\quad &\left( +1 \right) -\left( +3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &\left( +1 \right) +\left( -3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+1-3 \\[ 10pt ]
4.\quad &\left( +1 \right) -\left( -3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &\left( +1 \right) +\left( +3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+1+3
\end{align*}

加算の計算記号や数のカッコを省略した式では、加算する数を横に並べただけの表記になっています。

計算記号と符号が混在する式よりも、符号だけの式の方が扱いやすい。

加減算の流れ

正負の数の加減算を行うとき、基本的には以下のような手順で計算します。

  1. 加減算を加算に統一する。
  2. 加算の計算記号とカッコを省略して、式を簡略化する。
  3. 加算の規則性を利用して、加算後の符号と絶対値を求める。

手順に沿って計算すると、以下のようになります。

\begin{align*}
1.\quad &\left( +1 \right) +\left( +3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+1+3 \\[ 5pt ]
= \ &+4 \\[ 10pt ]
2.\quad &\left( +1 \right) +\left( -3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+1-3 \\[ 5pt ]
= \ &-2 \\[ 10pt ]
3.\quad &\left( +1 \right) -\left( +3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &\left( +1 \right) +\left( -3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+1-3 \\[ 5pt ]
= \ &-2 \\[ 10pt ]
4.\quad &\left( +1 \right) -\left( -3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &\left( +1 \right) +\left( +3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+1+3 \\[ 5pt ]
= \ &+4
\end{align*}

置き換えに慣れてくると、手順の1,2番目を同時に行うことで2ステップで解くことが可能になります。そのときの計算過程は以下のようになります。

\begin{align*}
1.\quad &\left( +1 \right) \underline{+}\left( \underline{+}3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+1 \underline{+}3 \\[ 5pt ]
= \ &+4 \\[ 10pt ]
2.\quad &\left( +1 \right) \underline{+}\left( \underline{-}3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+1 \underline{-}3 \\[ 5pt ]
= \ &-2 \\[ 10pt ]
3.\quad &\left( +1 \right) \underline{-}\left( \underline{+}3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+1 \underline{-}3 \\[ 5pt ]
= \ &-2 \\[ 10pt ]
4.\quad &\left( +1 \right) \underline{-}\left( \underline{-}3 \right) \\[ 5pt ]
= \ &+1 \underline{+}3 \\[ 5pt ]
= \ &+4
\end{align*}
  • 計算記号と符号が同じ(1,4番目)ならば、計算記号とカッコを省略、かつ数の符号は+の符号に。
  • 計算記号と符号が異なる(2,3番目)ならば、計算記号とカッコを省略、かつ数の符号は-の符号に。
計算記号とカッコを省略した後は加算です。計算記号と符号を間違えないようにしましょう。

このように規則性を上手に利用すると、複雑な式をできる限り簡略化して表記できます。

さいごに、もう一度まとめ

  • 数式を言葉で理解しよう。
  • 同符号の2数の加算では、加算後の符号は2数と同じで、絶対値は2数の絶対値の和。
  • 異符号の2数の加算では、加算後の符号は絶対値の大きい方の符号で、絶対値は2数の絶対値の差。
  • 加減算は加算に統一する。
  • 減算では、減算の計算記号の後ろにある数の符号との組み合わせに注目して加算に置き換える。
  • 加算ならば、計算記号とカッコを省略でき、交換法則や結合法則も利用できる。