積分法|定積分と区分求積法の関係について

07/01/2016数学3極限,定積分,区分求積法,積分法

区分求積法って、結構、いい加減!?

区分求積法を扱った問題を解いてみよう

区分求積法に関する典型的な問題の1つにチャレンジしてみます。このような感じで出題されます。

問題
$\displaystyle \lim_{ n \to \infty }{ \left( \frac { 1 }{ { n }^{ 3 } } { e }^{ \frac { 1 }{ n } } \ + \ \frac { { 2 }^{ 2 } }{ { n }^{ 3 } } { e }^{ \frac { 2 }{ n } } \ + \ \frac { { 3 }^{ 2 } }{ { n }^{ 3 } } { e }^{ \frac { 3 }{ n } } \ + \cdots \cdots + \ \frac { { n }^{ 2 } }{ { n }^{ 3 } } { e }^{ \frac { n }{ n } } \right) }$ を求めよ。

区分求積法で図形の面積を求めたときの式になっていることに気づくでしょうか。カッコの中は短冊の面積の和を表していて、極限を取っているのは、限りなく多く分割したことを表しています。

与式を計算して値を求めたいのですが、このままではちょっと出せそうにありません。そこで区分求積法と定積分の関係を利用します。

\begin{equation*}
\int _{ a }^{ b }{ f\left( x \right) dx } =\lim _{ n\to \infty }{ \frac { b-a }{ n } } \sum _{ k=1 }^{ n }{ f\left( a+\frac { b-a }{ n } k \right) }
\end{equation*}

特に、$0 \leqq x \leqq 1$ の区間のとき
\begin{equation*}
\int _{ 0 }^{ 1 }{ f\left( x \right) dx } =\lim _{ n\to \infty }{ \frac { 1 }{ n } } \sum _{ k=1 }^{ n }{ f\left( \frac { k }{ n } \right) }
\end{equation*}

区分求積法で得られる式(右辺)を使って値を求めることは大変です。しかし、公式で得られる関係から定積分で求めた値で代用してもよいことが分かります。

ちなみに、定積分であれば、関数の式と積分範囲が分かれば計算することができます。

与式を定積分の式に置き換えて計算しなさいということ。各項の形が同じだが、特定の箇所だけ数字が変わっていれば区分求積法を疑おう。

区分求積法に関わる問題だと予想がついたら、次は関数 $f\left( x \right)$ の式を見つけましょう

与式を変形して関数の式を求める

どのような関数の式に $x$ 座標を代入して $y$ 座標(短冊の縦の長さ)を求めたのかが分かれば、定積分の式への変形にまた一歩近づきます。

区分求積法で短冊の作り方の違い

関数の式を求めるには、公式の右辺(特に、図の右下または左下の黄枠)になるように式を変形します。

目標は「横幅×縦の長さの和」の形。

式変形のコツをしっかり押さえると、意外と楽しく解ける問題になります。

式変形の手順

丸カッコ内の式を変形します。手順の一例は以下のようになります。

  1. 式から「$1/n$」(短冊の横幅)をくくり出す。
  2. 「$1/n$」をくくり出した残りは、$y$ 座標の和(縦の長さの和)であるので、各項で数字が変化している箇所を探す。
  3. 数字が変化している箇所を見つけたら、分母を $n$ とする分数の形に変形する。
  4. Σ(シグマ)を使うとき、一般項は$n$ 番目の項を参考にして、分子を「$k$」に置き換える。
  5. 「$k/n$」を $x$ に置き換えたものが、定積分で使う関数 $f\left( x \right)$ の式。
  6. この関数の式を使って、$0 \leqq x \leqq 1$ の区間で定積分する。

実際に式を変形してみます。まず、各項から「$1/n$」(短冊の横幅)をくくり出します

次に、各項で数字が変化している箇所を探します。変化している箇所は、$e$ を底とする累乗の前にある分数と、$e$ を底とする累乗の指数です。式によっては少し手を加える必要があり、本問でも手を加えています。

定積分と区分求積法を利用した問題

上手く変形できたら、Σ(シグマ)と一般項を使って式を簡略化して表します。

一般項は、$n$ 番目の項を利用すると分かりやすい。ただし、分子の $n$ を $k$ に置き換えること。

変数 $k$ は、分数が「$1/n$」から始まっているので「$1$ から $n$ まで」です。右上の頂点を利用したときの式です。

さいごに、「$k/n$」を $x$ に置き換えると、定積分で利用する関数 $f\left( x \right)$ の式が得られます。

とにかく、「$1/n$」でくくった後は、分母が $n$ の分数を作っていく。Σ(シグマ)表記は、数列でも使うので慣れておこう。

解答例は以下のようになります。
定積分と区分求積法を利用した問題の解答例

以上のように、区分求積法に関する問題では、式を上手に変形できるかがポイントです。

本問のように初めから分数があればピンときますが、問題によっては $n$ を使った分数が見られないときがあります。そんなときには自分で作り出す必要があります。

そういう点では、本問は区分求積法を扱った基本問題になります。類題をたくさん解いて、式変形のコツをぜひ掴んで下さい。

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さいごに、もう一度まとめ

  • 短冊の横幅は $n$ 等分なら「$1/n$」。
  • 短冊の縦の長さは2パターン。
  • 「$1$ から $n$ まで」でも「$0$ から $n-1$ まで」でも $n$ 個( $n$ 等分)。
  • 区分求積法の式変形は、定積分の式に置き換えることが最終目標。
  • 式変形では、まずは「$1/n$」をくくり出す。
  • 式変形では、分母が $n$ の分数の形を作る。
  • 定積分に置き換えたら、あとは積分の計算問題。