図形と計量|三角比の相互関係について その1

05/20/2017数学1三角比,三角比の相互関係,三角比の拡張,図形と計量

三角比の相互関係について

演習問題を解いてみる

次の問題を解いてみましょう。

三角比の相互関係を扱った問題を解いてみよう

三角比の相互関係を利用できる形に気づくことが大切です。

第1問の解答・解説

第1問
\begin{equation*}
{\left( \sin \theta + \cos \theta \right)}^{2} + {\left( \sin \theta – \cos \theta \right)}^{2}
\end{equation*}

与式を観察すると、このままでは三角比の相互関係を利用できそうにありません。利用できるのは、乗法公式で展開してからになりそうです。

展開すると、累乗の形が出てくる。指数を付ける位置に気を付けよう。

展開して同類項を整理します。

\begin{align*}
&{\left( \sin \theta + \cos \theta \right)}^{2} + {\left( \sin \theta – \cos \theta \right)}^{2} \\[ 5pt ]
= &{\left( \sin \theta \right)}^{2} + 2 \cdot {\sin \theta} \cdot {\cos \theta} +{\left( \cos \theta \right)}^{2} + {\left( \sin \theta \right)}^{2} – 2 \cdot {\sin \theta} \cdot {\cos \theta} +{\left( \cos \theta \right)}^{2} \\[ 5pt ]
= &\sin^{2} \theta + 2 {\sin \theta}{\cos \theta} + \cos^{2} \theta + {\sin^{2} \theta} – 2 {\sin \theta}{\cos \theta} + \cos^{2} \theta \\[ 5pt ]
= &2 \sin^{2} \theta + 2 \cos^{2} \theta \\[ 5pt ]
= &2 \left( \sin^{2} \theta + \cos^{2} \theta \right)
\end{align*}

正弦と余弦の相互関係を表す式まで変形できました。正弦と余弦の相互関係を利用すると与式の値を求めることができます。解答例は以下のようになります。

第1問の解答例

結果が決まっている展開は覚えてしまおう

余談になりますが、第1問のように、正弦と余弦の和の2乗を展開することが頻繁に出てきます。このとき、いつも素直に展開していては面倒です。ですから結果を覚えてしまった方が今後ラクになります。

覚えておくとラクになる展開
\begin{align*}
{\left( \sin \theta + \cos \theta \right)}^{2} &= 1 +2 \ {\sin \theta} \ {\cos \theta} \\[ 10pt ]
{\left( {\sin \theta} – \cos \theta \right)}^{2} &= 1 -2 \ {\sin \theta} \ {\cos \theta}
\end{align*}

詳しい導出は以下のようになります。

展開をラクにする方法

第2問の解答・解説

第2問
\begin{equation*}
{\cos \theta} \ {\left( {\sin \theta} \ {\tan \theta} + \cos \theta \right)}
\end{equation*}

与式を観察すると、3つの三角比が登場しています。方針としては2つ考えられます。

  • 展開し、その後に相互関係を利用する
  • 最初に相互関係を利用し、その後に展開する

三角比の相互関係を利用するのが先か後かの問題です。今回は、前者の方針を採用して解いてみましょう。

まず与式を分配法則で展開します。

\begin{align*}
&{\cos \theta} \ {\left( {\sin \theta} \ {\tan \theta} + \cos \theta \right)} \\[ 5pt ]
= &{\cos \theta} \cdot {\sin \theta} \cdot {\tan \theta} + {\left( \cos \theta \right)}^{2}
\end{align*}

次に、三角比の相互関係を利用します。

\begin{align*}
&\vdots \\[ 5pt ]
= &{\cos \theta} \cdot {\sin \theta} \cdot {\tan \theta} + {\left( \cos \theta \right)}^{2} \\[ 5pt ]
= &{\cos \theta} \cdot {\sin \theta} \cdot \left( \frac{\sin \theta}{\cos \theta} \right) + {\left( \cos \theta \right)}^{2} \\[ 5pt ]
= &{\left( \sin \theta \right)}^{2}+ {\left( \cos \theta \right)}^{2} \\[ 5pt ]
= &\sin^{2} \theta + \cos^{2} \theta
\end{align*}

最後は正弦と余弦の相互関係を利用して終了です。後者の方針で解いた解答例は以下のようになります。

第2問の解答例

方針がいくつか挙がったとき、どちらを採用するかによって解答までの時間が異なります。時間制限のある試験では、どちらを採用するかで合否が決まることもあり得ます。挙がった方針で実際に解いておき、自分なりに方針を決めておきましょう。

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さいごに、もう一度、頭の中を整理しよう

  • 三角比の相互関係は、正弦・余弦・正接の関係を表す式のこと。
  • 基本的な相互関係は3つで、どんなときでも利用できる。
  • 相互関係を利用するタイミングを考えること。
  • 正弦・余弦・正接はそれぞれが1つの文字のように扱うこと。