運用力を鍛える英文法基礎【第6回】
問6の訂正例
【問6】日本語訳を参考に、次の英文の文法的な誤りを直しなさい。
The teacher explained us the meaning of the word.
「先生はその語の意味を私たちに説明した」
※英文には文法的な誤りがあります
日本語訳から、2つの目的語(二重目的語)をとる第4文型(SVOO)が考えられます。しかし、動詞「explain」は、第4文型(SVOO)をとらない動詞です。頻出の動詞なので要注意です。
問6の英文を文法的に正しい英文に直すと以下のようになります。
問6の訂正例
× The teacher explained us the meaning of the word.
〇 The teacher explained the meaning of the word to us.
「先生はその語の意味を私たちに説明した」
動詞「explain」を用いる場合、第3文型(SVO)の英文にします。「私たちに」の部分は、前置詞「to」を使って、前置詞句「to us」とします。
explain は、「説明する」という意味の動詞ですが、その対象が「誰に」よりも「何を」の方に重点の置かれた動詞です。ですから、「説明する」ではなく、「物事を説明する」という感じで意味を覚えないと、応用の利かない知識になってしまいます。
訂正例の要素は以下の通りです。
訂正例の要素
The teacher / explained / the meaning of the word / ( to us ).
先生は / 説明した / その語の意味を /(私たちに)
- S+Vt+O+(M):第3文型(SVO)+(M)
- 主語(S):The teacher
- 述語動詞(Vt):explained
- 目的語(O):the meaning of the word
- 副詞的修飾句(M):to us
前置詞句「to us」は、述語動詞(V)を修飾する副詞句です。日本語訳から目的語(O)と勘違いしないように気を付けましょう。
第5回と第6回のまとめ
第5回と第6回には共通のテーマがあります。動詞と文型の関係の中でも「2つの目的語をとる授与動詞を知る」ということです。
知識が定着しているかの確認のために、以下の事柄について確認しましょう。
- 2つの目的語をとる動詞(授与動詞)【第5回】
- give 型の動詞【第5回】
- buy型の動詞【第5回】
- 二重目的語構文をとれない動詞【第6回】
- 二重目的語構文のみ可能な動詞【第6回】
他にも色々ありましたが、テーマに沿った内容が定着していれば最初のステップはクリアしたと考えて良いでしょう。
もう英文作成で悩まない!120万例文と用例の「英辞郎 on the WEB Pro」お勧めの学習教材|英語嫌いや英文法初学者に優しい英語入門シリーズ
文型や語法についての解説がある辞書を使おう
文法の知識は文法書で身に付けられますが、あくまでも原理原則です。個別の単語については説明不足の場合があります。そんなときに辞書があります。
辞書にも扱いやすいものとそうでないものがあります。それは個々人がもつ知識の量が原因です。高校英語の初学者だと、十分な語彙力とは言えないので、できるだけ多くの情報をまとめた辞書を持った方が無難です。
初学者にお勧めの辞書は『ライトハウス英和辞典』です。慣れもあるかもしれませんが、レイアウトがすっきりしていて、とにかく読みやすい辞書です。
語義、熟語、語法なとが分かりやすくまとめてあります。また、類義語との比較もまとめてあるので、細かなニュアンスの違いも知ることができます。
使っていて特に助かるのは、動詞の場合、例文と合わせて文型が示してあることです。 意味に合わせて文型が分かるので、単語の意味を覚えるだけにはなりません。 辞書によっては文型が示されていないので、自分で考えることになります。
個人的には『ライトハウス英和辞典』で必要十分だと思いますが、他の辞書にも独自の良さがあります。自分好みのレイアウトや、収録内容などをよく吟味して購入しましょう。
『コンパスローズ英和辞典』には文型の情報がありませんが、実用的な辞書だと思います。