図形と方程式|円の方程式の基本形と一般形について

問(4)の別解例
中心の座標を定義した後、基本形を利用して円の方程式を先に作ってしまうのもアリです。
問(4)の別解例
解答例に出てきた、aについての方程式は、別解例の①式と②式からr2を消去した式です。解答例の方がすでに連立した後なので、記述が楽になります。
問(5)の解答・解説
問(5)
作図は以下の通りです。


問(5)では、中心の座標や半径が与えられておらず、円周上の3点の座標が与えられています。よほど特殊な状況でない限り、中心の座標や半径を求めることはできません。
このような場合には、一般形を利用して解きます。
問(5)の解答例 1⃣
円の方程式が決まったら、与えられた2点の座標を①式に代入します。
円周上の点の座標を円の方程式に代入したとき、等式が成り立つことを利用しています。ここでは、方程式が導かれます。
問(5)の解答例 2⃣
3つの方程式を導くことができました。円の方程式において、値の不明なl,m,nがあります。未知の数に対して、同じ数だけ方程式ができています。これらを連立して解きます。
問(5)の解答例 3⃣
④式を上手に使って、文字の種類を減らしていきましょう。連立方程式のコツは、加減法や代入法によって、文字の種類を減らすことです。
解としては一般形でも構いませんが、基本形に変形してみます。
問(5)の解答例 4⃣
試験等では、基本形に変形した後、作図した円の中心や半径と比べてみると、計算ミスに気付けます。
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さいごにもう一度まとめ
- 円の方程式は、2点間の距離が一定であることから得られる。
- 円の方程式には、基本形と一般形がある。
- 中心、または半径が与えられたら、基本形を利用する。
- 中心、または半径が不明なら、一般形を利用する。
- 3点の座標が与えられたら、一般形を利用するのがふつう。
- 3つの方程式を連立して解けるようにしておこう。