図形の性質|外心について

今回は外心について学習しましょう。外心は図形を扱った問題では頻出です。外心のもつ性質やそれに関わる公式などを使いこなせるようにしておきましょう。
なお、記事の画像が見辛いときはクリックすると拡大できます。
外心について
外心とは三角形に外接する円の中心のことです。三角形に外接する円のことを外接円と言います。円が三角形に外接するとき、三角形の3つの頂点は外接円の周上にあります。
外心の作図の仕方を覚えておきましょう。三角形の3辺の垂直二等分線を描くと、交点ができます。この交点が外心になります。この交点を中心にして、三角形の頂点を通るように円を描くと、三角形の外接円を描くことができます。
外心を作図してみるとその性質が分かってきます。3辺の垂直二等分線を引いたので、外心は三角形の頂点から等しい距離にあります。ですから、外心と頂点の距離は外接円の半径に等しくなります。
外心や外接円と関わりのある事柄
外心や外接円と関わりのある事柄は主に3つあります。外心や外接円を扱った問題のパターンと考えても良いかもしれません。
- 中心角と円周角の関係
- 外心を頂点にもつ三角形
- 正弦定理
中心角と円周角の関係
中心角と円周角の関係は、外接円に限ったことではなく円全般に言えます。ただ、三角形や四角形の内角と関連付けた問題がよく出題されます。
中心角や円周角を扱うときに気を付けたいことは、中心角や円周角が同一の弧(弦)に対してできた角かどうかです。
中心角や円周角がどの弧に対してできているのかは、扇形のような形をイメージすると判断しやすいのではないかと思います。自分なりの判別方法を見つけておくと良いでしょう。
同一の弧に対してできた中心角と円周角の間には以下のような関係があります。
\begin{align*}
\text{(中心角)} &= \text{(円周角)} \times 2 \\[ 10pt ]
\text{(円周角)} &= \text{(中心角)} \times \frac{1}{2}
\end{align*}
厳密に言えば「等しい長さの弧に対して」であって、必ずしも同一である必要はありません。しかし、そこまで捻った問題はほとんど出題されないので、まずは同一の弧に対してできた中心角と円周角を探しましょう。
外心を頂点にもつ三角形
三角形の頂点の1つが外心であるとき、2辺の長さが外接円の半径に等しくなっています。
図のように、Oを中心とする円が△ABCに外接するとき、OA , OB , OCの長さは半径に等しいので、△OAB , △OBC , △OCAは二等辺三角形になります。二等辺三角形であれば底角が等しくなります。
また、∠AOB , ∠BOC , ∠AOCは三角形の内角の1つですが、中心角でもあります。
3つの二等辺三角形の内角が中心角や円周角と関わるので、角の大きさを求める問題がよく出題されます。円を扱った問題で角の大きさを問われたとき、半径を上手に使って二等辺三角形や正三角形を作ることが取っ掛かりの1つになります。
これまでをまとめると以下のようになります。
正弦定理
正弦定理については、図形の計量の単元で学習済みです。外接円が出てくると、正弦定理を扱った問題がほぼ確実に出題されます。
この単元では角度を求めることが主題になっているので、正弦定理の出番はほとんどありません。しかし、この単元は正弦定理を始め、三角形の面積や面積比などと関連するので、関連性を意識しながら演習をこなしておきましょう。
次は実際に問題を解いてみましょう。