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式と証明|分数式の乗法や除法について

数学2

数学2 式と証明

分数式の乗法や除法を扱った問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。

次の計算をせよ。(1)aba+b×a2b2(ab)2(2)x2x20x3+3x2+2x×x3+x22xx26x+5(3)2a2a33a1÷3a2+2a19a26a+1(4)(a+1)2a21×a31a3+1÷a2+a+1a2a+1

問(1)の解答・解説

問(1)

次の計算をせよ。aba+b×a2b2(ab)2

問(1)は、分数式の乗法です。分母や分子をそれぞれ因数分解します。

問(1)の解答例 1⃣

aba+b×a2b2(ab)2= aba+b×(ab)(a+b)(ab)2

分数式の基本性質に従って約分します。整式が残っていれば、分母どうし、分子どうしをそれぞれ掛け算します。

問(1)の解答例 2⃣

aba+b×a2b2(ab)2= aba+b×(ab)(a+b)(ab)2= 1

約分した結果、分母と分子がそれぞれ1になるので、掛け算する必要はありません。

問(2)の解答・解説

問(2)

次の計算をせよ。x2x20x3+3x2+2x×x3+x22xx26x+5

問(2)も分数式の乗法です。分母や分子をそれぞれ因数分解します。

問(2)の解答例 1⃣

x2x20x3+3x2+2x×x3+x22xx26x+5= (x+4)(x5)x(x+1)(x+2)×x(x1)(x+2)(x1)(x5)

分数式の基本性質に従って約分します。整式が残っていれば、分母どうし、分子どうしをそれぞれ掛け算します。

問(2)の解答例 2⃣

x2x20x3+3x2+2x×x3+x22xx26x+5= (x+4)(x5)x(x+1)(x+2)×x(x1)(x+2)(x1)(x5)= (x+4)(x5)x(x+1)(x+2)×x(x1)(x+2)(x1)(x5)= x+4x+1

分母と分子に整式がそれぞれ1つずつ残るだけなので、掛け算する必要はありません。

問(3)の解答・解説

問(3)

次の計算をせよ。2a2a33a1÷3a2+2a19a26a+1

問(3)は、分数式の除法です。除法を乗法に置き換えから、分母や分子をそれぞれ因数分解します。

問(3)の解答例 1⃣

2a2a33a1÷3a2+2a19a26a+1= 2a2a33a1×9a26a+13a2+2a1= (a+1)(2a3)3a1×(3a1)2(a+1)(3a1)

分数式の基本性質に従って約分します。整式が残っていれば、分母どうし、分子どうしをそれぞれ掛け算します。

問(3)の解答例 2⃣

2a2a33a1÷3a2+2a19a26a+1= 2a2a33a1×9a26a+13a2+2a1= (a+1)(2a3)3a1×(3a1)2(a+1)(3a1)= 2a31= 2a3

約分した結果、分子に整式が1つだけ残り、分母が1になるので、掛け算する必要はありません。

ちなみに、数や整式を分数にするとき、最も簡単な形は以下のようになります。分母を1にすれば、分数に置き換えることができます

数や式を最も簡単な分数にする

10=101a+1=a+11

問(4)の解答・解説

問(4)

次の計算をせよ。(a+1)2a21×a31a3+1÷a2+a+1a2a+1

問(4)は、分数式の乗法と除法が混ざった計算です。乗法に統一してから、分母や分子をそれぞれ因数分解します。

問(4)の解答例 1⃣

(a+1)2a21×a31a3+1÷a2+a+1a2a+1= (a+1)2a21×a31a3+1×a2a+1a2+a+1= (a+1)2(a1)(a+1)×(a1)(a2+a+1)(a+1)(a2a+1)×a2a+1a2+a+1

3次式の因数分解があるので注意しましょう。

分数式の基本性質に従って約分します。整式が残っていれば、分母どうし、分子どうしを掛け算します。

問(4)の解答例 2⃣

(a+1)2a21×a31a3+1÷a2+a+1a2a+1= (a+1)2a21×a31a3+1×a2a+1a2+a+1= (a+1)2(a1)(a+1)×(a1)(a2+a+1)(a+1)(a2a+1)×a2a+1a2+a+1= 11= 1

約分した結果、分母と分子がそれぞれ1になるので、掛け算する必要はありません。

基本レベルであれば、簡単に約分できるものが多いですが、実際にはそれほど多くありません。それでも分数式を扱う場合には、整式を因数分解して、因数を調べることを優先しましょう。

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さいごにもう一度まとめ

  • 整式を扱った分数式では、整式を因数分解しよう。
  • 分数式の乗法や除法では、整式を因数分解して約分できるか調べよう。
  • 整式の因数分解は数学1で学習した内容なので、できるだけ暗算で手早く因数分解できるようにしておこう。