2次関数|2次不等式の解法について・応用編

05/20/2017数学12次関数,判別式,定義域,2次不等式,値域,2次方程式

2次不等式の解法について・応用編

2次不等式を扱った問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。

2次不等式を扱った問題を解いてみよう

第1問の解答・解説

第1問

\begin{equation*}
{x}^{2}-4x+4 \gt 0
\end{equation*}

与式を見ると、2次の項の係数が正の数で、右辺は0になっています。これならすぐに解き始めることができます。

左辺をカッコの2乗の形に因数分解することができます。

\begin{align*}
{x}^{2}-4x+4 &\gt 0 \\[ 5pt ]
{\left( x-2 \right)}^{2} &\gt 0
\end{align*}

左辺がカッコの2乗の形に因数分解できたので、グラフは $x$ 軸と接することが分かります。このことから共有点は1個になります。このとき、共有点(接点)の $x$ 座標は $x=2$ です。

また、2次関数の値域は、2次不等式から $y \gt 0$ であるので、これに対応するグラフと定義域を考えます。

値域 $y \gt 0$ に対応するグラフは共有点以外の部分です。このことから、2次不等式の解は $x=2$ 以外のすべての実数になります。

解答例は以下のようになります。

第1問の解答例

第2問の解答・解説

第2問

\begin{equation*}
{x}^{2}-4x+5 \lt 0
\end{equation*}

与式を見ると、2次の項の係数が正の数で、右辺は0になっています。これならすぐに解き始めることができます。ただ、第1問と異なるのは、左辺を因数分解することができないことです。

因数分解できないので、「2次方程式を作って解の公式で解く・・・」としたいところですが、実数解が出てくるか分かりません。ですから、2次方程式を作ったら、判別式の値を調べてみます。

\begin{align*}
{x}^{2} &-4x +5 = 0 \ \text{の判別式を} \ D \ \text{とする} \\[ 5pt ]
D &= \ {\left( -4 \right)}^{2} -4 \cdot 1 \cdot 5 \\[ 5pt ]
&= \ -4 \\[ 5pt ]
\therefore \ &D \lt 0
\end{align*}

判別式の値が負の数になったので、2次方程式は実数解をもちません。ですから解の公式を使っても解けません。2次方程式が実数解をもたないので、グラフとx軸との共有点はありません

また、2次関数の値域は、2次不等式から $y \lt 0$ であるので、これに対応するグラフと定義域を考えます。

値域 $y \lt 0$ に対応するグラフはありません。このことから、2次不等式の解は解なしになります。

解答例は以下のようになります。解答例では、左辺を平方完成して、実数の性質から解を求めています。

第2問の解答例

第3問の解答・解説

第3問

\begin{equation*}
\begin{cases} {x}^{2}+x-2 \geqq 0 \\
{x}^{2}+x-6 \lt 0 \end{cases}
\end{equation*}

第3問は2次不等式を連立した問題です。連立不等式の場合、加減法や代入法を使って解きません。それぞれの不等式を個別に解きます

個別に求めた解の共通部分が連立不等式の解になります。連立方程式とは解法が異なるので注意しましょう。

連立不等式について

個別に2次不等式を解くので、実質的には第1,2問と変わりません。最後に共通部分を探すところだけが異なります。

どちらの不等式の左辺も因数分解できます。共有点を2個もつ場合です。一気に解までもっていきましょう。

解答例は以下のようになります。

第3問の解答例

参考 数と式|連立不等式について

実数解が得られるとは限らないことに注意しよう

今までは、「自分たちが扱っている範囲の数(たとえば整数)が解として得られる」ことが当たり前という感覚があったと思います。しかし、高校数学になると、どんな数かイメージできない平方根をはじめ、実数の範囲にない数も考えなくてはならなくなります。

このような数まで出てくるようになるので、特に2次方程式を扱う場合には、判別式の値を先に調べることが効果的です。

このような工夫を取り入れることで二度手間を回避することができます。そのためには、各単元とのつながりを意識して学習するのが大切だろうと思います。

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関数を上手に扱えるようになると、高校での数学はとてもラクになると思います。中学でも関数を扱いましたが、方程式や不等式との関係までは学習していません。

関数単体でなら何とかなっていても、方程式や不等式との関係性を理解しないと、高校では厳しくなります。逆に関係性が掴めれば、今までの苦労が何だったのかと思えるようになるでしょう。

関数は、たとえば物理の直線運動でも $v−t$ グラフなどで登場するので、ぜひとも攻略しておきたい単元です。

そこで紹介するのは、『おもしろいほどよくわかる高校数学 関数編 2次方程式、指数・対数・三角関数がスラスラ解ける! (サイエンス・アイ新書)』です。

図解してあるので、関数に苦手意識がある人でも読みやすいでしょう。

高校数学で学ぶ2次関数・指数関数・対数関数・三角関数について、その関数が生まれた身近な現象から説明し、それぞれの関数の性質を考える過程に多くのページを割きました。

書籍の紹介にもあるように、身近な現象を例に挙げながら講義形式で話が進んでいきます。授業を受けているようでイメージしやすいかと思います。

興味のある人は一読してみてはいかがでしょうか。

さいごに、もう一度、頭の中を整理しよう

  • 2次不等式から値域を求めて、値域に対応するグラフから定義域を求める。
  • 値域に対応する定義域が2次不等式の解。
  • 2次不等式を解くとき、左辺の因数分解の確認からスタートしよう。
  • 左辺を因数分解できれば、2次不等式の解を一気に求めよう。
  • 左辺を因数分解できなければ、共有点の個数を2次方程式の判別式の値で調べてみる。
  • 判別式の値が $D \gt 0$ であれば、解の公式で共有点の $x$ 座標を求めよう。
  • 判別式の値が $D \lt 0$ であれば、共有点がないので、グラフと値域で定義域を求めよう。