確率|反復試行の確率について
反復試行を扱った問題を解いてみよう
次の問題を考えてみましょう。
問1の解答・解説
問1
$1$ 枚のコインを $5$ 回投げるとき、表が $2$ 回出る確率を求めよ。
問1では、「コインを投げる」という試行が独立に繰り返し行われています。試行が独立に繰り返し行われるので、反復試行です。
コインを5回投げて表が2回出るということは、裏が3回出るということです。表が出る事象の余事象は、裏が出る事象です。
コインを1回投げたとき、表が出る確率と裏が出る確率は以下のようになります。
問1の解答例 1⃣
$1$ 枚のコインを投げるとき、出方の場合の数は $2$ 通り。
表が出る場合の数は $1$ 通りなので、その確率は
\begin{align*} \quad \frac{1}{2} \end{align*}また、裏が出る事象は表が出る事象の余事象なので、その確率は
\begin{align*} \quad 1-\frac{1}{2}=\frac{1}{2} \end{align*}裏が出る事象は、表が出る事象の余事象です。表のことだけでなく、裏のことも忘れないようにしましょう。
以上をもとに反復試行の確率の式に代入すると、表が2回出る確率を求めることができます。
問1の解答例 2⃣
$1$ 枚のコインを投げるとき、出方の場合の数は $2$ 通り。
表が出る場合の数は $1$ 通りなので、その確率は
\begin{align*} \quad \frac{1}{2} \end{align*}また、裏が出る事象は表が出る事象の余事象なので、その確率は
\begin{align*} \quad 1-\frac{1}{2}=\frac{1}{2} \end{align*}したがって、$1$ 枚のコインを $5$ 回投げるとき、表が $2$ 回出る確率は
\begin{align*} \quad {}_5 \mathrm{ C }_2 \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^{2} \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^{3} \end{align*}よって
\begin{align*} \quad {}_5 \mathrm{ C }_2 \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^{2} \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^{3} &= \frac{5 \cdot 4}{2} \cdot \frac{1}{2^{2}} \cdot \frac{1}{2^{3}} \\[ 7pt ] &= \frac{5}{16} \end{align*}問1のポイントと解答例をまとめると以下のようになります。
表や裏が出る確率をわざわざ計算するのは面倒なので、覚えておきましょう。
覚えておきたい確率
$1$ 枚のコインを投げて、表が出る確率
\begin{align*} \quad \frac{1}{2} \end{align*}$1$ 枚のコインを投げて、裏が出る確率
\begin{align*} \quad \frac{1}{2} \end{align*}問2の解答・解説
問2
サイコロを $4$ 回投げるとき、偶数の目が $2$ 回出る確率を求めよ。
問2では、「サイコロを投げる」という試行が独立に繰り返し行われています。試行が独立に繰り返し行われるので、反復試行です。
サイコロを4回投げて偶数の目が2回出るということは、奇数が2回出るということです。偶数が出る事象の余事象は、奇数が出る事象です。
サイコロを1回投げたとき、偶数の目が出る確率と奇数の目が出る確率は以下のようになります。
問2の解答例 1⃣
$1$ 個のサイコロを投げるとき、目の出方の場合の数は $6$ 通り。
偶数の目が出る場合の数は $3$ 通りなので、その確率は
\begin{align*} \quad \frac{3}{6}=\frac{1}{2} \end{align*}また、奇数の目が出る事象は偶数の目が出る事象の余事象なので、その確率は
\begin{align*} \quad 1-\frac{1}{2}=\frac{1}{2} \end{align*}奇数の目が出る事象は、偶数の目が出る事象の余事象です。偶数の目のことだけでなく、奇数の目のことも忘れないようにしましょう。
以上をもとに反復試行の確率の式に代入すると、偶数の目が2回出る確率を求めることができます。
問2の解答例 2⃣
$1$ 個のサイコロを投げるとき、目の出方の場合の数は $6$ 通り。
偶数の目が出る場合の数は $3$ 通りなので、その確率は
\begin{align*} \quad \frac{3}{6}=\frac{1}{2} \end{align*}また、奇数の目が出る事象は偶数の目が出る事象の余事象なので、その確率は
\begin{align*} \quad 1-\frac{1}{2}=\frac{1}{2} \end{align*}したがって、$1$ 個のサイコロを $4$ 回投げるとき、偶数の目が $2$ 回出る確率は
\begin{align*} \quad {}_4 \mathrm{ C }_2 \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^{2} \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^{2} \end{align*}よって
\begin{align*} \quad {}_4 \mathrm{ C }_2 \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^{2} \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^{2} &= \frac{4 \cdot 3}{2} \cdot \frac{1}{2^{2}} \cdot \frac{1}{2^{2}} \\[ 7pt ] &= \frac{3}{8} \end{align*}サイコロやコインを投げる試行は、問題の題材としてよく扱われます。特定の事象が起こる確率を覚えておくと直ぐに立式できるでしょう。
問2のポイントと解答例をまとめると以下のようになります。
サイコロを投げて偶数や奇数が出る確率も覚えておくと便利です。
覚えておきたい確率
$1$ 個のサイコロを投げて、偶数が出る確率
\begin{align*} \quad \frac{3}{6}=\frac{1}{2} \end{align*}$1$ 個のサイコロを投げて、奇数が出る確率
\begin{align*} \quad \frac{3}{6}=\frac{1}{2} \end{align*}Recommended books
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さいごに、もう一度、頭の中を整理しよう
- 反復試行とは、ある試行を独立に繰り返し行う試行のこと。
- 反復試行の結果は、事象の並びが異なるだけですべて同じ確率になる。
- 反復試行の結果の総数は、組合せの総数で表される。
- 反復試行の確率は、結果の総数と、結果が起こる確率の積で表される。
- 反復試行の確率を求めるとき、余事象が起こる確率を忘れないようにしよう。