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図形と方程式|平面上の2点間の距離について

数学2

図形と方程式 直線上の点、平面上の点

平面上の2点間の距離を扱った問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。

平面上の 2 点をA (3 , 2) , B (4 , 0)とする。距離 AB を求めよ。また、x 軸上、y 軸上にあって、2 点 A , B から等距離にある点の座標をそれぞれ求めよ。

問の解答・解説

平面上の2点間の距離を求めるために、公式に値を代入します。公式を利用するときには、文字に対応する値を正しく代入しましょう。

問の解答例 1⃣

A (3 , 2) , B (4 , 0)距離 AB はAB={4(3)}2+(02)2=49+4よってAB=53

次に、軸上にあって、2点A,Bから等距離にある点を求めます。図示すると以下の通りです。

上手に作図できると、自分の解答が妥当かどうかを判断できます。これができると非常に有効なので、作図する習慣をつけましょう。

2点から等しい距離にある点
問の作図

先にx軸上の点を求めます。x軸上の点の座標を自分で定義します。x軸上にある点のy座標はつねに0なので、定義するのはx座標です。

座標が定義出来たら、2点間の距離を利用して方程式を導きます。

問の解答例 2⃣

A (3 , 2) , B (4 , 0)2 点 A , B から等距離になる x 軸上の点を P (x , 0) とする。このときAP=BPすなわちAP2=BP2が成り立つので、{x(3)}2+(02)2=(x4)2+(00)2これを整理すると14x=3よってx=314したがって、点 P の座標は(314 , 0)

2点間の距離を用いて方程式を導くとき、公式をそのまま用いると根号が出てきます。根号が邪魔になるので、先に両辺を2乗しておくとスムーズに方程式を扱えます。

2点間の距離(公式)から方程式を導くとき、距離を2乗して根号を外しておこう。

最後に2点A,Bから等距離にあるy軸上の点を求めます。x軸上の点のときと同じ要領で解きます。

y軸上にある点のx座標はつねに0なので、定義するのはy座標です。座標が定義出来たら、2点間の距離を利用して方程式を導きます。

問の解答例 3⃣

A (3 , 2) , B (4 , 0)2 点 A , B から等距離になる y 軸上の点を Q (0 , y) とする。このときAQ=BQすなわちAQ2=BQ2が成り立つので、{0(3)}2+(y2)2=(04)2+(y0)2これを整理すると4y=3よってy=34したがって、点 Q の座標は(0 , 34)

公式に対応する値を正しく代入できれば、計算はそれほど難しくありません。ただ、符号ミスをしやすいので注意しましょう。符号ミスは習熟度が低いと起こりやすいので、たくさん演習をこなしておきましょう。

また、距離を2乗する解法は、軌跡やベクトルなどを扱った問題でもよく用いられます。しっかりマスターしておきましょう。

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さいごにもう一度まとめ

  • 数直線上の2点間の距離は、座標の差を絶対値の記号で挟んでおこう。
  • 平面上の2点間の距離は、数直線上の2点間の距離と三平方の定理との組み合わせで得られる。
  • 座標の差は、大きい方から小さい方を引き算しよう。
  • 距離から方程式を導くときは、距離を2乗して根号を外しておこう。
  • 符号のミスに気を付けよう。